最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

テキスタイルデザイン足袋型ソックス無断使用事件

大阪地裁令和8.7.30令和7(ワ)3737著作権侵害差止等請求事件PDF

大阪地方裁判所第21民事部
裁判長裁判官  松川充康
裁判官     小野 健
裁判官     横井真由美

*裁判所サイト公表 2026.9.1
*キーワード:デザイン、翻案、輸入、注意義務、過失、損害論

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■事案

鹿などのテキスタイルデザインが足袋型ソックスのデザインに無断使用された事案

原告:日用雑貨輸入販売会社
被告:雑貨輸入販売会社

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■結論

請求一部認容

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■争点

条文 著作権法23条1項、26条の2、27条、113条1項1号、114条2項3項

1 著作権侵害の成否
2 原告の損害額

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■事案の概要

『本件は、本件各著作物の著作権を譲り受けた原告が、被告において同著作物を使用した被告商品(足袋型ソックス)を製造又は輸入し、販売したことにより、本件各著作物にかかる著作権(翻案権、譲渡権、公衆送信権)が侵害されたとして、被告に対し、各被告商品の製造等の差止め・廃棄を求めるとともに、不法行為に基づき、損害賠償金330万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日(令和7年5月1日)から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。』(2頁以下)

〈経緯〉

R2.10 原告が本件各著作物をウェブ公開
R5.10 被告が中国から被告商品を輸入
R6.02 被告商品(足袋型ソックス)販売
R6.03 原告が被告に警告書通知
R7.03 Aから原告へ本件各著作物の著作権譲渡

本件各著作物:鹿、ねこ、菊日和、根菜

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■判決内容

<争点>

1 著作権侵害の成否

裁判所は、本件各著作物と各被告商品の類否についてこれらを対比して検討。本件各著作物がテキスタイルデザインである一方で、被告商品は足袋型ソックスである点も含め、具体的な表現方法に差異はあるものの、被告商品1は本件著作物1と、被告商品2−1及び同2−2は本件著作物2と、被告商品3は本件著作物3と、被告商品4−1及び同4−2は本件著作物4と、それぞれ表現の本質的な特徴において一致していると認めることができると裁判所は判断。
そして、被告商品は、輸入の時において国内で作成したとしたならば、本件各著作物の翻案権の侵害となるべき行為によって作成された物であり、被告が被告商品を輸入した行為は、その翻案権を侵害する行為とみなされると判断(著作権法113条1項1号、27条)。
また、本件被告サイトにおいて被告商品を販売した行為は、翻案物の譲渡による公衆への提供として本件各著作物の譲渡権を侵害する行為であり、被告商品の写真画像を本件被告サイトに掲載した行為は、本件各著作物の公衆送信権(23条)を侵害する行為に該当すると判断。
また、被告の過失について、「一般に、衣料品等を輸入して販売することを業として行う者は、輸入する商品が他者の著作権を侵害するか否かについて注意を払うべきであるところ、本件では、インターネットの画像検索を行えば、被告商品と表現としての本質的な特徴が一致する本件各著作物が存在することを確認することもできた(甲37)のであるから、上記著作権侵害について、被告の過失は否定できないというべきである。」として、過失を肯定(12頁)。
結論として、被告は、原告に対して著作権侵害の不法行為に基づく損害賠償責任を負うと判断されています。

以上を踏まえ、各被告商品の画像をECサイトで公衆送信してはならないこと、各被告商品の廃棄が認められています。

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2 原告の損害額

(1)114条2項に基づく算定(侵害者利益相当額損害)

販売数量 150足
販売価格 1セット(3足)当たり1100円(税込)
経費(変動費) 1セット商品当たり合計597円

1被告商品当たりの利益額 167円
×販売数量150足 2万5050円(13頁以下)

(2)114条3項に基づく算定(ライセンス料相当額損害)

裁判所は、、本件において、114条3項に基づいて算定される相当額は、114条2項での算定で検討した被告の受けた利益の額を上回るものとは認められないと判断しています(16頁以下)。

(3)弁護士費用相当額損害

10万円(17頁)

原告の損害額 合計12万5050円

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■コメント

別紙を見るとデザイン4点が翻案されて足袋型のソックスのデザインに盗用されていることがわかります。
裁判所は中国製品について輸入業者の注意義務違反を認定はするものの、認められる損害額が少額です。