最高裁判所HP 知的財産裁判例集より
漫画作品翻案事件(控訴審)
知財高裁令和8.8.18令和8(ネ)10005損害賠償請求控訴事件PDF
知的財産高等裁判所第3部
裁判長裁判官 中平 健
裁判官 今井弘晃
裁判官 柵木澄子
原審:東京地裁令和5(ワ)70689(最高裁サイト未登載)
*裁判所サイト公表 2026.8.28
*キーワード:漫画、複製、翻案、実質的類似性、映画的シークエンス、アイデア、依拠性
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■事案
漫画のシーンやプロットの類似による著作権侵害の成否が争点となった事案の控訴審
控訴人(1審原告) :個人
被控訴人(1審被告):出版社
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■結論
控訴棄却
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■争点
条文 著作権法21条、27条
1 複製権、翻案権侵害性
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■事案の概要
『本件は、控訴人が、被控訴人が原判決別紙漫画目録記載1の漫画(被控訴人著作物)を出版及び電子出版する行為が、同目録記載2の漫画(控訴人著作物)に係る控訴人の著作権(複製権、翻案権、出版権及び公衆送信権)及び著作者人格権(氏名表示権)を侵害すると主張して、被控訴人に対し、民法709条に基づく損害賠償として、合計15億9610万円(著作権侵害による損害14億4900万円(著作権法114条2項)、著作者人格権侵害による慰謝料200万円及び弁護士費用1億4510万円)の一部である200万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である令和6年1月10日から支払済みまで民法所定の年3パーセントの割合による遅延損害金を請求する事案である。
原審が控訴人の請求を棄却したので、控訴人がこれを不服として本件控訴を提起した。』(1頁以下)
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■判決内容
<争点>
1 複製権、翻案権侵害性
控訴審は、控訴人が主張する具体的表現を特定しないプロットのみの比較、挙げられた要素(遺影、百合等)などはアイデアに属すると判断。また、スナップ写真の物理的損壊の表現なども表現それ自体でない部分やアイデア部分での共通性にすぎないと判断。
また、依拠性についても、念のため言及がされていますが、控訴人の主張は容れられていません。
結論として、被控訴人著作物は、控訴人著作物の表現上の本質的な特徴を直接感得することのできるものとはいえず、侵害性は認められないと判断されています(7頁以下)。
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■コメント
原審の判断が控訴審でも維持されています。漫画の類似性判断において、単なる1コマ単位の絵の対比だけでなく、ストーリー展開やシークエンス(連続するコマの映画的手法)の類似性の点も原告は主張しましたが、それらは表現ではなくアイデアの領域に属するとして侵害性が否定されています。
なお、判決文からは、原被告の作品名が分かりませんが、作品の特徴をAI検索すると、被告漫画は、泉朝樹氏による漫画作品『見える子ちゃん』(KADOKAWA 2018年刊行)のようです。
漫画作品翻案事件(控訴審)
知財高裁令和8.8.18令和8(ネ)10005損害賠償請求控訴事件PDF
知的財産高等裁判所第3部
裁判長裁判官 中平 健
裁判官 今井弘晃
裁判官 柵木澄子
原審:東京地裁令和5(ワ)70689(最高裁サイト未登載)
*裁判所サイト公表 2026.8.28
*キーワード:漫画、複製、翻案、実質的類似性、映画的シークエンス、アイデア、依拠性
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■事案
漫画のシーンやプロットの類似による著作権侵害の成否が争点となった事案の控訴審
控訴人(1審原告) :個人
被控訴人(1審被告):出版社
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■結論
控訴棄却
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■争点
条文 著作権法21条、27条
1 複製権、翻案権侵害性
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■事案の概要
『本件は、控訴人が、被控訴人が原判決別紙漫画目録記載1の漫画(被控訴人著作物)を出版及び電子出版する行為が、同目録記載2の漫画(控訴人著作物)に係る控訴人の著作権(複製権、翻案権、出版権及び公衆送信権)及び著作者人格権(氏名表示権)を侵害すると主張して、被控訴人に対し、民法709条に基づく損害賠償として、合計15億9610万円(著作権侵害による損害14億4900万円(著作権法114条2項)、著作者人格権侵害による慰謝料200万円及び弁護士費用1億4510万円)の一部である200万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である令和6年1月10日から支払済みまで民法所定の年3パーセントの割合による遅延損害金を請求する事案である。
原審が控訴人の請求を棄却したので、控訴人がこれを不服として本件控訴を提起した。』(1頁以下)
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■判決内容
<争点>
1 複製権、翻案権侵害性
控訴審は、控訴人が主張する具体的表現を特定しないプロットのみの比較、挙げられた要素(遺影、百合等)などはアイデアに属すると判断。また、スナップ写真の物理的損壊の表現なども表現それ自体でない部分やアイデア部分での共通性にすぎないと判断。
また、依拠性についても、念のため言及がされていますが、控訴人の主張は容れられていません。
結論として、被控訴人著作物は、控訴人著作物の表現上の本質的な特徴を直接感得することのできるものとはいえず、侵害性は認められないと判断されています(7頁以下)。
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■コメント
原審の判断が控訴審でも維持されています。漫画の類似性判断において、単なる1コマ単位の絵の対比だけでなく、ストーリー展開やシークエンス(連続するコマの映画的手法)の類似性の点も原告は主張しましたが、それらは表現ではなくアイデアの領域に属するとして侵害性が否定されています。
なお、判決文からは、原被告の作品名が分かりませんが、作品の特徴をAI検索すると、被告漫画は、泉朝樹氏による漫画作品『見える子ちゃん』(KADOKAWA 2018年刊行)のようです。