最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

写真無断使用事件(控訴審)

知財高裁令和8.7.8令和8(ネ)10015等損害賠償請求控訴、同附帯控訴事件PDF

知的財産高等裁判所第2部
裁判長裁判官 森冨義明
裁判官    菊池絵理
裁判官    頼 晋一

原審 さいたま地方裁判所令和7(ワ)1280

*裁判所サイト公表 2026.7.16
*キーワード:写真、損害論

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■事案

匿名掲示板のスレッド上の画像を、まとめブログにおいて無断転載した事例の控訴審

控訴人兼附帯被控訴人(1審被告):個人
被控訴人兼附帯控訴人(1審原告):個人

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■結論

本件控訴、本件附帯控訴棄却

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■争点

条文 著作権法114条の5

1 控訴の理由
2 附帯控訴の理由

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■事案の概要

『本件は、被控訴人が、控訴人はその運営するウェブサイト(以下「ロジカル速報」という。)に被控訴人が著作権を有する3枚の写真(本件各写真)を無断で転載した(本件転載)などと主張して、控訴人に対し、著作権(公衆送信権及び複製権)の侵害を理由とする不法行為に基づき損害賠償金225万0100円(著作権侵害による損害197万5100円、発信者情報開示命令の申立てに係る弁護士費用等27万5000円)及びこれに対する令和3年3月30日から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。』

『原審は、被控訴人は承諾なく本件転載がされたことにより本件各写真に対する著作権(公衆送信権及び複製権)を侵害された、控訴人には本件転載による著作権の侵害につき過失があるなどとして、被控訴人の請求を15万円(著作権侵害による損害5万円、発信者情報開示命令の申立てに係る弁護士費用等10万円)及びこれに対する令和6年10月4日(不法行為の日)から支払済みまで年3%の割合による遅延損害金の支払を求める限度で認容した。
 控訴人は、原判決中、控訴人敗訴部分を不服として控訴を提起し、被控訴人は、控訴人に対して32万5000円(著作権侵害による損害5万円、発信者情報開示命令の申立てに係る弁護士費用等27万5000円)及びこれに対する令和6年10月4日から支払済みまで年3%の割合による遅延損害金の支払を求める限度で附帯控訴を提起した。』(1頁以下)

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■判決内容

<争点>

1 控訴の理由

「原判決は、控訴人の侵害行為により損害が生じたことが認められるにもかかわらず、損害額を立証するために必要な事実、すなわち本件期間内における本件各写真の閲覧数を立証することが、その性質上極めて困難であることから、本件各写真の内容、閲覧の対価、ロジカル速報において本件各写真が公開された期間等を総合考慮して、著作権法114条の5の規定に基づき、被控訴人の損害を5万円とするのであり、その認定判断に裁量権の範囲を逸脱する違法はない。」(3頁以下)

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2 付帯控訴の理由

『被控訴人は、インターネット上の著作権侵害において、侵害者を特定するためには発信者情報開示命令の申立てが不可欠であることに照らすと、原判決認定に係る弁護士費用等は不当に低額であり、被控訴人が支出した27万5000円全額を、控訴人による不法行為と相当因果関係のある損害とすべきである旨の主張をするが、発信者情報開示手続の性質、内容、本件における認容額その他諸般の事情を総合考慮すると、原判決のとおり、被控訴人が発信者情報開示命令の申立てに係る弁護士費用等として支出した27万5000円(甲8、13、14)のうち、10万円をもって控訴人による不法行為と相当因果関係のある損害と認めるのが相当である。』
(4頁)。

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■コメント

いずれも本人訴訟で、原審の内容が確認できていませんが、控訴審でも原審の判断が維持されています。