最高裁判所HP 知的財産裁判例集より
出版契約重版事件
東京地裁令和8.3.5令和6(ワ)70056損害賠償請求事件PDF
東京地方裁判所民事第 47 部
裁判長裁判官 杉浦正樹
裁判官 池田幸子
裁判官 松尾恵梨佳
*裁判所サイト公表 2026.7.8
*キーワード:出版契約、出版権設定契約、印税、重版
--------------------
■事案
重版にあたり出版契約の内容が争点となった事案
原告:作者
被告:出版社
--------------------
■結論
請求棄却
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■争点
条文 著作権法21条、26条の2
1 著作権(複製権・譲渡権)侵害の成否
--------------------
■事案の概要
『本件は、原告が、自身が著作者として著作権を有する書籍「一目でわかる!必ず見つかる!ホントのツボがちゃんと押せる本」(以下「本件書籍」という。)を増刷して発行した被告の行為はその著作権(複製権・譲渡権)の侵害行為に当たる旨主張して、被告に対し、著作権侵害の不法行為に基づき、2978万2500円の損害賠償及びこれに対する令和6年1月1日(不法行為後の日)から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。』
(1頁)
〈経緯〉
H20 原告が本件書籍執筆
R05 51版累計28万8000部発行
本件書籍:「一目でわかる!必ず見つかる!ホントのツボがちゃんと押せる本」
--------------------
■判決内容
<争点>
1 著作権(複製権・譲渡権)侵害の成否
裁判所は、原被告間の本件書籍に関する出版契約の内容について、
・本件契約の締結にあたり、原稿料及び監修料以外に、発行予定部数や出版権の存続期間等について、特段の合意ないし協議がされたことをうかがわせる具体的な事情はないこと
・原告に対する対価につき、印税方式によらないこと、再版は予定しているもののその際に原告に対し追加の対価支払をしないことを前提として検討が進められたこと
・書籍の著者が出版された書籍の再版(重版)を出版権設定契約の締結時点で殊更に拒絶する意思であるとは合理的には考え難いこと
・3刷の発行から51刷の発行まで15年以上にわたり、献本や著者プロフィールの変更等について要望を出したり、50刷に至ったことについての感慨を述べたりしつつも、追加の対価支払に関する要望ないし要求を示したことがないこと
などの事情を総合的に勘案した上で、
・重版の際の原告に対する追加対価の支払は合意されていない
・黙示的に本件契約の存続を承諾してきたもの
と裁判所は判断。
結論として、被告による本件書籍の出版は本件契約に基づくものであり、被告による本件書籍に係る原告の著作権の侵害があったということはできず、原告は、被告に対して不法行為に基づく損害賠償請求権を有しない、と判断しています(8頁以下)。
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■コメント
契約書面はなく、その契約内容が争点となっています。累計28万部の書籍で、1冊1000円程度の価格、当初の原稿料50万と監修料10万のみの支払いとなると、買取り(著作権譲渡)ならともかく、印税一括前払いだとしても、未来永劫続くような契約では、アンバランスな感じはどうしても受けるところではあります。
出版契約重版事件
東京地裁令和8.3.5令和6(ワ)70056損害賠償請求事件PDF
東京地方裁判所民事第 47 部
裁判長裁判官 杉浦正樹
裁判官 池田幸子
裁判官 松尾恵梨佳
*裁判所サイト公表 2026.7.8
*キーワード:出版契約、出版権設定契約、印税、重版
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■事案
重版にあたり出版契約の内容が争点となった事案
原告:作者
被告:出版社
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■結論
請求棄却
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■争点
条文 著作権法21条、26条の2
1 著作権(複製権・譲渡権)侵害の成否
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■事案の概要
『本件は、原告が、自身が著作者として著作権を有する書籍「一目でわかる!必ず見つかる!ホントのツボがちゃんと押せる本」(以下「本件書籍」という。)を増刷して発行した被告の行為はその著作権(複製権・譲渡権)の侵害行為に当たる旨主張して、被告に対し、著作権侵害の不法行為に基づき、2978万2500円の損害賠償及びこれに対する令和6年1月1日(不法行為後の日)から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。』
(1頁)
〈経緯〉
H20 原告が本件書籍執筆
R05 51版累計28万8000部発行
本件書籍:「一目でわかる!必ず見つかる!ホントのツボがちゃんと押せる本」
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■判決内容
<争点>
1 著作権(複製権・譲渡権)侵害の成否
裁判所は、原被告間の本件書籍に関する出版契約の内容について、
・本件契約の締結にあたり、原稿料及び監修料以外に、発行予定部数や出版権の存続期間等について、特段の合意ないし協議がされたことをうかがわせる具体的な事情はないこと
・原告に対する対価につき、印税方式によらないこと、再版は予定しているもののその際に原告に対し追加の対価支払をしないことを前提として検討が進められたこと
・書籍の著者が出版された書籍の再版(重版)を出版権設定契約の締結時点で殊更に拒絶する意思であるとは合理的には考え難いこと
・3刷の発行から51刷の発行まで15年以上にわたり、献本や著者プロフィールの変更等について要望を出したり、50刷に至ったことについての感慨を述べたりしつつも、追加の対価支払に関する要望ないし要求を示したことがないこと
などの事情を総合的に勘案した上で、
・重版の際の原告に対する追加対価の支払は合意されていない
・黙示的に本件契約の存続を承諾してきたもの
と裁判所は判断。
結論として、被告による本件書籍の出版は本件契約に基づくものであり、被告による本件書籍に係る原告の著作権の侵害があったということはできず、原告は、被告に対して不法行為に基づく損害賠償請求権を有しない、と判断しています(8頁以下)。
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■コメント
契約書面はなく、その契約内容が争点となっています。累計28万部の書籍で、1冊1000円程度の価格、当初の原稿料50万と監修料10万のみの支払いとなると、買取り(著作権譲渡)ならともかく、印税一括前払いだとしても、未来永劫続くような契約では、アンバランスな感じはどうしても受けるところではあります。