最高裁判所HP 知的財産裁判例集より
医療用システム開発サポートソフト事件
大阪地裁令和8.4.23令和4(ワ)1703著作権侵害差止等請求事件PDF
大阪地方裁判所第21民事部
裁判長裁判官 松川充康
裁判官 阿波野右起
裁判官 島田美喜子
*裁判所サイト公表 2026.5.29
*キーワード:ソフトウェア、創作性、複製、不正競争、退職従業員
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■事案
マンモグラフィー読影診断システムのソフトの無断複製性などが争点となった事案
原告:ソフト開発会社
被告:ソフト開発会社、被告代表者
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■結論
請求一部認容
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■争点
条文 著作権法21条、不正競争防止法2条1項5号、18号
1 著作権侵害の成否
2 被告会社の不正競争の成否
3 差止め及び廃棄の必要性並びに対象の特定
4 被告Aの共同不法行為の成否
5 被告Aの会社法429条に基づく損害賠償責任の成否
6 被告らの一般不法行為の成否
7 原告の損害額
8 消滅時効の成否
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■事案の概要
『被告会社による原告プログラムを複製、使用して別紙「被告プログラム目録(原告特定)」記載のプログラムで構成された別紙「被告製品等目録(原告特定)」記載1の製品等(主位的)又は同記載2の製品等(予備的)の製造販売等をすることが、
(1) 原告プログラムに係る原告の著作権(複製権・譲渡権)侵害行為であること、
(2) 原告プログラムのライブラリファイルが不正に取得又は提供されたことを知り又は容易に知り得た上で同ファイルを使用したものであって、不正競争(不競法2条1項5号又は8号、10号)であること、
(3) 原告プログラムの正規ユーザのユーザID及びパスワードを不正に取得して別紙「被告プログラム目録(原告特定)」記載のプログラムに埋め込んで原告プログラムの実行を可能とするプログラムを作成したものであって、不正競争(不競法2条1項18号)に当たること、
のいずれか(上記(1)ないし(3)は選択的)を前提とする、被告会社に対する、
ア 著作権法112条1項又は不競法3条1項に基づく、原告プログラムの使用の差止請求
イ 著作権法112条2項又は不競法3条2項に基づく、別紙「被告プログラム目録(原告特定)」記載のプログラムの消去請求
ウ 著作権法112条1項、2項又は不競法3条1項、2項に基づく、
【主位的請求】
別紙「被告製品等目録(原告特定)」記載1の製品等の製造販売等の差止請求及び同製品等の廃棄請求
【予備的請求】
別紙「被告製品等目録(原告特定)」記載2の製品等の製造販売等の差止請求及び同製品等の廃棄請求』
(以下略)
原告プログラム:PDプログラム及びICプログラム
被告製品:マンモグラフィー読影診断ワークステーション
〈経緯〉
H18.02 原告がクライム社に原告プログラム利用許諾
クライム社が「mammary」マンモグラフィー画像診断システム開発、販売
H24.03 被告会社が「mammodite」販売
R02.02 クライム社が被告会社を提訴(別訴)
R06.07 別訴棄却、控訴中
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■判決内容
<争点>
1 著作権侵害の成否
(1)原告プログラムの著作物性及び著作権者
裁判所は、原告プログラムのライブラリの記述は、原告の個性が表れた創作的な表現であるとして、原告プログラムは著作物性を有するものであり(著作権法2条1項10号の2)、その著作者である原告が著作権を有するものと認定しています(32頁以下)。
(2)原告プログラムの複製の有無
裁判所は、結論として、被告会社は、原告が著作権を有するプログラム著作物である原告プログラムを複製し、その著作権を侵害したと認定しています(36頁以下)。
なお、裁判所は、「mammoditeの正規品」についての複製は否定したものの、被告会社が保有・使用していた「テストツール」において、原告プログラムを複製し、その著作権を侵害したと認定しています。
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2 被告会社の不正競争の成否
(1)不競法2条1項8号等の不正競争の成否
原告は、原告プログラムのライブラリファイルが原告の営業秘密に該当することを前提に、mammoditeの正規品は、被告会社が同営業秘密を使用して開発したものである旨主張しましたが、裁判所は認めていません(45頁以下)。
(2)不競法2条1項18号の不正競争の成否
原告は、原告との関係で正規の開発者であるクライム社に発行したユーザIDとパスワードにつき、被告会社が mammoditeの正規品に埋め込むことによって、パスワード認証を通過できるようにし、不競法2条1項18号に該当する行為を行った旨主張しましたが、裁判所は認めていません(47頁)。
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3 差止め及び廃棄の必要性並びに対象の特定
裁判所は、被告会社による原告プログラムの無断複製、使用があったとして、その使用の差止めを求める原告の請求を認容しています(主文第1項、請求第1項)(47頁以下)。
また、本件侵害品であるテストツールに係る差止め及び廃棄請求について、著作権に基づくものとして認容しています(主文第3項(2))。
さらに、製品を構成する各プログラムの消去の請求について(請求第2項)、著作権法112条2項の措置として、その必要性も認められるとして、一部これを認容しています(主文第2項)。
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4 被告Aの共同不法行為の成否
原告は、被告会社の取締役であり平成27年7月6日から代表取締者である被告A個人も、被告会社と共同で、本件侵害品であるテストツールに原告プログラムを複製し、使用したのであるから、被告Aには被告会社の著作権侵害又は不競法違反について共同不法行為が成立する旨主張しました(49頁以下)。
結論として、裁判所は原告の主張を認めていません。
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5 被告Aの会社法429条に基づく損害賠償責任の成否
原告は、被告会社の著作権侵害又は不競法違反について、代表取締役である被告Aの任務懈怠があったので、被告Aは会社法429条1項に基づく損害賠償責任を負う旨主張しましたが、裁判所は原告の主張を認めていません(50頁)。
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6 被告らの一般不法行為の成否
裁判所は、原告プログラムのライセンス契約を締結していないことを基礎に不法行為の成立を論じる原告の主張を認めていません(50頁)。
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7 原告の損害額
(1)テストツール制作時の損害 71万4000円
(2)テストツール利用時の複製による損害 810万円
(3)弁護士費用相当額損害 120万円
合計1001万4000円(50頁以下)
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8 消滅時効の成否
裁判所は、原告の被告会社に対する不法行為に基づく損害賠償請求権が時効消滅した旨の被告会社の主張を認めていません(55頁)。
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■コメント
他社ソフトの複製の痕跡があったこと(38頁以下参照)が認定された事案となります。
医療用システム開発サポートソフト事件
大阪地裁令和8.4.23令和4(ワ)1703著作権侵害差止等請求事件PDF
大阪地方裁判所第21民事部
裁判長裁判官 松川充康
裁判官 阿波野右起
裁判官 島田美喜子
*裁判所サイト公表 2026.5.29
*キーワード:ソフトウェア、創作性、複製、不正競争、退職従業員
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■事案
マンモグラフィー読影診断システムのソフトの無断複製性などが争点となった事案
原告:ソフト開発会社
被告:ソフト開発会社、被告代表者
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■結論
請求一部認容
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■争点
条文 著作権法21条、不正競争防止法2条1項5号、18号
1 著作権侵害の成否
2 被告会社の不正競争の成否
3 差止め及び廃棄の必要性並びに対象の特定
4 被告Aの共同不法行為の成否
5 被告Aの会社法429条に基づく損害賠償責任の成否
6 被告らの一般不法行為の成否
7 原告の損害額
8 消滅時効の成否
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■事案の概要
『被告会社による原告プログラムを複製、使用して別紙「被告プログラム目録(原告特定)」記載のプログラムで構成された別紙「被告製品等目録(原告特定)」記載1の製品等(主位的)又は同記載2の製品等(予備的)の製造販売等をすることが、
(1) 原告プログラムに係る原告の著作権(複製権・譲渡権)侵害行為であること、
(2) 原告プログラムのライブラリファイルが不正に取得又は提供されたことを知り又は容易に知り得た上で同ファイルを使用したものであって、不正競争(不競法2条1項5号又は8号、10号)であること、
(3) 原告プログラムの正規ユーザのユーザID及びパスワードを不正に取得して別紙「被告プログラム目録(原告特定)」記載のプログラムに埋め込んで原告プログラムの実行を可能とするプログラムを作成したものであって、不正競争(不競法2条1項18号)に当たること、
のいずれか(上記(1)ないし(3)は選択的)を前提とする、被告会社に対する、
ア 著作権法112条1項又は不競法3条1項に基づく、原告プログラムの使用の差止請求
イ 著作権法112条2項又は不競法3条2項に基づく、別紙「被告プログラム目録(原告特定)」記載のプログラムの消去請求
ウ 著作権法112条1項、2項又は不競法3条1項、2項に基づく、
【主位的請求】
別紙「被告製品等目録(原告特定)」記載1の製品等の製造販売等の差止請求及び同製品等の廃棄請求
【予備的請求】
別紙「被告製品等目録(原告特定)」記載2の製品等の製造販売等の差止請求及び同製品等の廃棄請求』
(以下略)
原告プログラム:PDプログラム及びICプログラム
被告製品:マンモグラフィー読影診断ワークステーション
〈経緯〉
H18.02 原告がクライム社に原告プログラム利用許諾
クライム社が「mammary」マンモグラフィー画像診断システム開発、販売
H24.03 被告会社が「mammodite」販売
R02.02 クライム社が被告会社を提訴(別訴)
R06.07 別訴棄却、控訴中
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■判決内容
<争点>
1 著作権侵害の成否
(1)原告プログラムの著作物性及び著作権者
裁判所は、原告プログラムのライブラリの記述は、原告の個性が表れた創作的な表現であるとして、原告プログラムは著作物性を有するものであり(著作権法2条1項10号の2)、その著作者である原告が著作権を有するものと認定しています(32頁以下)。
(2)原告プログラムの複製の有無
裁判所は、結論として、被告会社は、原告が著作権を有するプログラム著作物である原告プログラムを複製し、その著作権を侵害したと認定しています(36頁以下)。
なお、裁判所は、「mammoditeの正規品」についての複製は否定したものの、被告会社が保有・使用していた「テストツール」において、原告プログラムを複製し、その著作権を侵害したと認定しています。
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2 被告会社の不正競争の成否
(1)不競法2条1項8号等の不正競争の成否
原告は、原告プログラムのライブラリファイルが原告の営業秘密に該当することを前提に、mammoditeの正規品は、被告会社が同営業秘密を使用して開発したものである旨主張しましたが、裁判所は認めていません(45頁以下)。
(2)不競法2条1項18号の不正競争の成否
原告は、原告との関係で正規の開発者であるクライム社に発行したユーザIDとパスワードにつき、被告会社が mammoditeの正規品に埋め込むことによって、パスワード認証を通過できるようにし、不競法2条1項18号に該当する行為を行った旨主張しましたが、裁判所は認めていません(47頁)。
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3 差止め及び廃棄の必要性並びに対象の特定
裁判所は、被告会社による原告プログラムの無断複製、使用があったとして、その使用の差止めを求める原告の請求を認容しています(主文第1項、請求第1項)(47頁以下)。
また、本件侵害品であるテストツールに係る差止め及び廃棄請求について、著作権に基づくものとして認容しています(主文第3項(2))。
さらに、製品を構成する各プログラムの消去の請求について(請求第2項)、著作権法112条2項の措置として、その必要性も認められるとして、一部これを認容しています(主文第2項)。
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4 被告Aの共同不法行為の成否
原告は、被告会社の取締役であり平成27年7月6日から代表取締者である被告A個人も、被告会社と共同で、本件侵害品であるテストツールに原告プログラムを複製し、使用したのであるから、被告Aには被告会社の著作権侵害又は不競法違反について共同不法行為が成立する旨主張しました(49頁以下)。
結論として、裁判所は原告の主張を認めていません。
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5 被告Aの会社法429条に基づく損害賠償責任の成否
原告は、被告会社の著作権侵害又は不競法違反について、代表取締役である被告Aの任務懈怠があったので、被告Aは会社法429条1項に基づく損害賠償責任を負う旨主張しましたが、裁判所は原告の主張を認めていません(50頁)。
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6 被告らの一般不法行為の成否
裁判所は、原告プログラムのライセンス契約を締結していないことを基礎に不法行為の成立を論じる原告の主張を認めていません(50頁)。
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7 原告の損害額
(1)テストツール制作時の損害 71万4000円
(2)テストツール利用時の複製による損害 810万円
(3)弁護士費用相当額損害 120万円
合計1001万4000円(50頁以下)
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8 消滅時効の成否
裁判所は、原告の被告会社に対する不法行為に基づく損害賠償請求権が時効消滅した旨の被告会社の主張を認めていません(55頁)。
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■コメント
他社ソフトの複製の痕跡があったこと(38頁以下参照)が認定された事案となります。