最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

学習塾運営システム契約事件

大阪地裁令和8.2.26令和6(ワ)10874不当利得返還等請求事件PDF

阪地方裁判所第26民事部
裁判長裁判官 松阿彌 隆
裁判官    島田美喜子
裁判官    西尾太一

*裁判所サイト公表 2026.3.10
*キーワード:学習塾、事業承継、事業提携契約、不当利得

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■事案

学習塾の事業連携の際の契約関係の紛争事案

原告:学習塾経営会社
被告:学習塾経営会社、代表者

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■結論

請求一部認容

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■争点

条文 民法704条、会社法429条1項

1 本件プログラムの利用により被告会社に不当な利得が生じたか
2 本件各システムの利用により被告会社に不当な利得が生じたか
3 被告Aが、会社法429条1項に基づく責任を負うか

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■事案の概要

『原告の請求
(1)被告会社による本件プログラムの使用によって同被告が不当利得を得たとする、原告の同被告に対する498万5163円の不当利得返還請求及びその請求の日の後日から支払済みまで民法所定の年3パーセントの割合による利息(民法704条)の支払請求
(2)被告会社による本件各システムの使用によって同被告が不当利得を得たとする、原告の同被告に対する316万2500円の不当利得返還請求及びその請求の日の後日から支払済みまで民法所定の年3パーセントの割合による利息(民法704条)の支払請求
(3)上記(1)(2)が、被告フレックスの代表取締役としての任務懈怠であることを前提とする、原告の被告Aに対する会社法429条1項に基づく(1)(2)の合計額の損害賠償請求及びこれに対する請求の日の後日から支払済みまで民法所定の年3パーセントの割合による遅延損害金の支払請求』(2頁以下)

〈経緯〉

H24 原告が学習塾経営
H24 被告会社設立
   被告会社が原告から個別指導事業を承継(本件BP契約)
H30 原告と被告会社とで新たなビジネスパートナー契約締結
H31 プログラム著作権譲渡契約締結
R02 被告会社が解除の意思表示
R03 ビジネスパートナー契約終了
R03 覚書締結
R03 本件BP契約上の競業避止義務違反に基づく原告の仮処分申立て
R04 原告がH31年契約違反等に基づく違約金を請求

本件プログラム:「中3統一模試テスト成績処理プログラム」
本件各システム:「FOSシステム」、「勤怠システム」

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■判決内容

<争点>

1 本件プログラムの利用により被告会社に不当な利得が生じたか

原告は、平成31年2月12日付著作権条件付き無償譲渡契約について、成績処理プログラムに関する開発条項が含まれていたところ、被告会社はこの履行を怠ったことから、この契約を解除することができ、かつその効果は遡及するため、被告会社は原告主張の期間、本件プログラムを不当に使用したことになると主張しました(9頁以下)。
裁判所は、結論として、被告会社における本件プログラムの利用により不当利得が生じたとする原告の主張は、理由がないと判断しています。

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2 本件各システムの利用により被告会社に不当な利得が生じたか

裁判所は、結論として、原告の主張のうち、被告会社が令和3年3月1日から同年9月頃までの7か月間、本件システム1を利用したことにより、同被告が覚書(甲13)締結の時点において想定された使用料相当の不当利得を得たとの限度で理由があると判断。被告会社は、原告に、不当利得として46万2000円を返還する義務を負うと判断しています(10頁以下)。

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3 被告Aが、会社法429条1項に基づく責任を負うか

被告会社は、本件システム1を権限なく利用したことにより、原告に対し一定の不当利得返還義務を負うものの、こうした事態の発生が、直ちに被告Aの取締役としての任務懈怠によるものということはできないと裁判所は判断しています(11頁以下)。

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■コメント

学習塾の事業連携の際の契約関係の紛争となります。