最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

面会交流審判主張書面事件(控訴審)

知財高裁令和7.11.19令和7(ネ)10038損害賠償請求、債務不存在確認請求控訴事件、投稿記事削除請求反訴控訴事件PDF

知的財産高等裁判所第3部
裁判長裁判官 中平 健
裁判官    今井弘晃
裁判官    水野正則

*裁判所サイト公表 2025.12.5
*キーワード:主張書面、定型書面、著作物性、虚偽事実告知、損害論

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■事案

弁護士が作成した面会交流事件に関する主張書面の著作物性などが争点となった事案の控訴審

控訴人(1審本訴原告、反訴被告) :サイト管理者
被控訴人(1審本訴被告、反訴原告):弁護士ら

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■結論

控訴棄却

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■争点

条文 著作権法2条1項1号、32条1項、41条、不正競争防止法2条1項21号

1 訴えの適法性
2 本件各記事の掲載による不法行為の成否
3 差止めの必要性の有無
4 損害論
5 甲5記事の掲載による不正競争の成否

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■事案の概要

『本件の本訴は、「法曹倫理委員会」と題し、URLを https://legal-ethics.info/とするページをトップページとするウェブサイト(本件サイト)の管理及び運営をする控訴人(一審本訴原告・反訴被告)が、(1)被控訴人(一審本訴被告・反訴原告)らに対し、本件サイトに被控訴人らに関する記事を掲載したことに関し、不法行為に基づく損害賠償債務の不存在の確認を求めるとともに(原判決本訴請求の趣旨(1))、(2)被控訴人Y1に対し、被控訴人Y1が同人のウェブサイトに記事を掲載したことが不正競争防止法(不競法)2条1項21号の不正競争に当たるとして、同法4条に基づき、損害賠償金150万円及びこれに対する不正競争行為以後の日である令和4年3月24日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年3パーセントの割合による遅延損害金の支払を求める(原判決本訴請求の趣旨(2))事案である。』

『本件の反訴は、(1)被控訴人らが控訴人に対し、人格権に基づく侵害排除又は侵害予防請求として本件記事2ないし4の各記事の削除を求め(原判決反訴請求の趣旨(1))、(2)被控訴人Y1が控訴人に対し、人格権に基づく侵害排除又は侵害予防請求として本件記事5ないし11の各記事の削除を求めるとともに、被控訴人らが本件記事2及び3、被控訴人Y1が本件記事5ないし11の全部若しくは一部又は同各記事の原稿の全部若しくは一部の複製のインターネット上への掲載の差止め(原判決反訴請求の趣旨(2)及び(3))を求め、(3)被控訴人Y1が控訴人に対し、本件記事5ないし11の各記事の掲載が不法行為に当たるとして、慰謝料160万円(一部請求)及びこれに対する不法行為以後の日である令和5年5月22日(同各記事の最後掲載日)から支払済みまで民法所定の年3パーセントの割合による遅延損害金の支払を求める(原判決反訴請求の趣旨(4))事案である。』

『原審は、(1)本件記事18の掲載による不法行為に基づく損害賠償請求債務の不存在確認に係る請求(原判決本訴請求(1)オ)は、訴訟物の特定として不十分であり、(2)原判決別紙著作物目録記載2のウェブページをPDF化したファイルを本件サイトに掲載したことによる、同ウェブページの著作権(公衆送信権)侵害を理由とする、被控訴人Y1に対する不法行為に基づく損害賠償債務の不存在確認請求、(3)原判決別紙投稿記事目録記載15の記事(ただし、令和4年10月18日時点のもの)の掲載による、被控訴人Y1の名誉権及び名誉感情侵害を理由とする、控訴人の被控訴人Y1に対する不法行為に基づく損害賠償債務の不存在確認請求、(4)原判決別紙投稿記事目録記載5から10まで及び12から16までの各記事(ただし、令和4年10月18日時点のもの)の掲載による、被控訴人Y2の名誉権及び名誉感情侵害を理由とする、控訴人の被控訴人Y2に対する不法行為に基づく損害賠償債務の不存在確認請求については、即時確定の利益があるということはできないとして、本訴に係る訴えの一部(原判決別紙却下部分)を却下した。』

『そして、その余に係る本訴請求の一部を認容し、その余の本訴請求をいずれも棄却し、反訴請求の一部を認容し、その余の反訴請求をいずれも棄却する判決をしたところ、控訴人が、前記第1控訴の趣旨記載の範囲で本件控訴を提起した。』
(2頁以下)

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■判決内容

<争点>

1 訴えの適法性
2 本件各記事の掲載による不法行為の成否
3 差止めの必要性の有無
4 損害論
5 甲5記事の掲載による不正競争の成否

控訴審は、結論として、控訴人の本訴に係る訴えのうち、原判決主文第1項で却下された部分については、訴えの利益がなく却下すべきであり、控訴人の本訴請求及び被控訴人らの反訴請求についてはいずれも原判決の認容した限度で理由があり、その余は理由がないものと判断しています(12頁以下)。

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■コメント

主張書面案の著作物性を含め、原審の判断が控訴審でも維持されています。

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■原審記事

東京地裁令和7.3.14令和3(ワ)33644等損害賠償請求、債務不存在確認請求事件、投稿記事削除請求反訴事件
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