最高裁判所HP 知的財産裁判例集より
スケートボーダー商品化許諾債務不存在確認事件
東京地裁令和7.7.25令和5(ワ)70127債務不存在確認等請求事件PDF
東京地方裁判所民事第29部
裁判長裁判官 渋谷勝海
裁判官 本井修平
裁判官 塚田久美子
*裁判所サイト公表 2025.8.20
*キーワード:確認の訴え、ライセンス契約、商品化許諾、虚偽事実告知、マークゴンザレス、商標権
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■事案
スケートボーダーブランドのデザインの著作権の帰属などが争点となった事案
原告:衣類等小売会社
被告:衣料品等販売会社、個人
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■結論
請求一部認容
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■争点
条文 著作権法21条、不正競争防止法2条1項21号
1 被告会社による本件著作権に基づく権利行使の可否
2 被告会社による本件各商標権に基づく権利行使の可否
3 不競法3条1項に基づく差止請求
4 不競法4条又は不法行為に基づく損害賠償請求の可否
5 不競法14条に基づく信用回復措置請求の可否
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■事案の概要
『本件は、本件イベント開催当時バイタルジャパンの取引先であった株式会社SHIFFON(平成16年6月16日に設立され、令和7年3月1日に原告に吸収合併され消滅した。以下では、「原告」と表記する場合、特に記載がない限り、吸収合併消滅会社である株式会社SHIFFONも含む。)が、本件警告書に記載された警告対象となった製品は、原告が、スケートボーダー兼アーティストとして活躍するB1(以下「B1」という。)のブランド管理会社であるTULUMIZE INC.(以下「TULUMIZE」という。)との間の契約に基づき、マスターライセンシーとして製造、販売等するものであり、被告会社は、本件警告書により、原告に対して著作権侵害又は商標権侵害を理由として権利行使する意向を表明していることは明らかであるところ、被告会社は、本件著作権を有しておらず、また、本件各商標は商標法4条1項7号に該当し無効であるか、原告に対する本件商標権に基づく権利の行使が権利濫用又は商標法29条に該当し、被告会社は原告に対して本件各商標権に基づく権利を行使することができないと主張するとともに、本件警告書の送付が、被告らと競業関係にある原告の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知するものであり、不正競争防止法(以下「不競法」という。)2条1項21号の不正競争に該当し、かつ、被告個人による被告会社の代表取締役としての職務行為上の不法行為に該当すると主張して、被告会社に対しては、次項(1)及び(2)の各損害賠償請求権等の不存在確認(以下、順次「著作権侵害債務不存在確認」及び「商標権侵害債務不存在確認」といい、両者を併せて「本件各債務不存在確認」という。)、被告らに対しては、同(3)の不競法3条1項に基づく差止め、同(4)の不競法4条又は不法行為に基づく損害賠償及び同(5)の不競法14条に基づく信用回復の措置を求める事案である。』(3頁以下)
本件著作物:「エンジェル」キャラクター
<経緯>
H12 被告会社がCujo及びC1と本件音楽契約締結
R07 被告会社に対しB1への本件各商標権移転登録手続判決
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■判決内容
<争点>
1 被告会社による本件著作権に基づく権利行使の可否
(1)本件著作権がCujo及びC1に原始的に帰属するか
共同著作物性や職務著作性について検討した上で、裁判所は結論として、本件著作物に関してアーティストCujo及びC1が本件著作権を原始的に取得したとは認めていません(31頁以下)。
(2)被告会社による本件著作権の取得の有無
被告らは、本件音楽契約又はCujo及びC1との権利譲渡契約に基づき、譲渡又は原始取得により、被告会社が本件著作権を取得した旨を主張しましたが、裁判所は認めていません(35頁以下)。
結論として、被告会社が本件著作権を有するとは認められず、原告が、本件著作物を複製、翻案、譲渡、展示、公衆送信又は送信可能化することにつき、被告会社の原告に対する著作権侵害に基づく損害賠償請求権及び著作権に基づく差止請求権を認めることはできないから、原告の著作権侵害債務不存在確認に係る請求には理由があると裁判所は判断しています。
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2 被告会社による本件各商標権に基づく権利行使の可否
裁判所は、結論として、被告会社は、原告に対し、本件各標章を本件各商標権の指定商品又はその包装に付し、本件各標章を付した同指定標品を、譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出又は輸入することにつき、商標権侵害に基づく損害賠償請求権及び商標権に基づく差止請求権を行使することはできないから、原告の商標権侵害債務不存在確認に係る請求には理由があると判断しています(37頁以下)。
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3 不競法3条1項に基づく差止請求
結論として、裁判所は、原告の被告会社に対する不競法3条1項に基づく差止請求には理由があるものの、被告個人に対する同請求は、被告個人の不正競争が認められず理由がないと判断しています(40頁以下)。
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4 不競法4条又は不法行為に基づく損害賠償請求の可否
裁判所は、被告会社の損害賠償責任について、被告会社の不正競争により原告に生じた無形損害は、本件警告書の内容等から、100万円と認めるのが相当であるとし、また、弁護士費用として10万円につき、被告会社の不正競争と相当因果関係を認めています(42頁以下)。
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5 不競法14条に基づく信用回復措置請求の可否
裁判所は、本件における被告会社の不正競争が、バイタルジャパンに対する本件警告書の送付のみであることに鑑み、原告の信用回復措置として謝罪広告の掲載まで行う必要性は認められないと判断しています(43頁)。
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■コメント
マークゴンザレス関連のライセンス事案となります。
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■過去のブログ記事
スケートボーダー商品化許諾契約事件
東京地裁令和7.1.30令和3(ワ)32244等損害賠償等請求本訴事件、商標権移転登録請求反訴事件
2025年2月17日記事
スケートボーダー商品化許諾債務不存在確認事件
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東京地方裁判所民事第29部
裁判長裁判官 渋谷勝海
裁判官 本井修平
裁判官 塚田久美子
*裁判所サイト公表 2025.8.20
*キーワード:確認の訴え、ライセンス契約、商品化許諾、虚偽事実告知、マークゴンザレス、商標権
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■事案
スケートボーダーブランドのデザインの著作権の帰属などが争点となった事案
原告:衣類等小売会社
被告:衣料品等販売会社、個人
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■結論
請求一部認容
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■争点
条文 著作権法21条、不正競争防止法2条1項21号
1 被告会社による本件著作権に基づく権利行使の可否
2 被告会社による本件各商標権に基づく権利行使の可否
3 不競法3条1項に基づく差止請求
4 不競法4条又は不法行為に基づく損害賠償請求の可否
5 不競法14条に基づく信用回復措置請求の可否
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■事案の概要
『本件は、本件イベント開催当時バイタルジャパンの取引先であった株式会社SHIFFON(平成16年6月16日に設立され、令和7年3月1日に原告に吸収合併され消滅した。以下では、「原告」と表記する場合、特に記載がない限り、吸収合併消滅会社である株式会社SHIFFONも含む。)が、本件警告書に記載された警告対象となった製品は、原告が、スケートボーダー兼アーティストとして活躍するB1(以下「B1」という。)のブランド管理会社であるTULUMIZE INC.(以下「TULUMIZE」という。)との間の契約に基づき、マスターライセンシーとして製造、販売等するものであり、被告会社は、本件警告書により、原告に対して著作権侵害又は商標権侵害を理由として権利行使する意向を表明していることは明らかであるところ、被告会社は、本件著作権を有しておらず、また、本件各商標は商標法4条1項7号に該当し無効であるか、原告に対する本件商標権に基づく権利の行使が権利濫用又は商標法29条に該当し、被告会社は原告に対して本件各商標権に基づく権利を行使することができないと主張するとともに、本件警告書の送付が、被告らと競業関係にある原告の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知するものであり、不正競争防止法(以下「不競法」という。)2条1項21号の不正競争に該当し、かつ、被告個人による被告会社の代表取締役としての職務行為上の不法行為に該当すると主張して、被告会社に対しては、次項(1)及び(2)の各損害賠償請求権等の不存在確認(以下、順次「著作権侵害債務不存在確認」及び「商標権侵害債務不存在確認」といい、両者を併せて「本件各債務不存在確認」という。)、被告らに対しては、同(3)の不競法3条1項に基づく差止め、同(4)の不競法4条又は不法行為に基づく損害賠償及び同(5)の不競法14条に基づく信用回復の措置を求める事案である。』(3頁以下)
本件著作物:「エンジェル」キャラクター
<経緯>
H12 被告会社がCujo及びC1と本件音楽契約締結
R07 被告会社に対しB1への本件各商標権移転登録手続判決
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■判決内容
<争点>
1 被告会社による本件著作権に基づく権利行使の可否
(1)本件著作権がCujo及びC1に原始的に帰属するか
共同著作物性や職務著作性について検討した上で、裁判所は結論として、本件著作物に関してアーティストCujo及びC1が本件著作権を原始的に取得したとは認めていません(31頁以下)。
(2)被告会社による本件著作権の取得の有無
被告らは、本件音楽契約又はCujo及びC1との権利譲渡契約に基づき、譲渡又は原始取得により、被告会社が本件著作権を取得した旨を主張しましたが、裁判所は認めていません(35頁以下)。
結論として、被告会社が本件著作権を有するとは認められず、原告が、本件著作物を複製、翻案、譲渡、展示、公衆送信又は送信可能化することにつき、被告会社の原告に対する著作権侵害に基づく損害賠償請求権及び著作権に基づく差止請求権を認めることはできないから、原告の著作権侵害債務不存在確認に係る請求には理由があると裁判所は判断しています。
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2 被告会社による本件各商標権に基づく権利行使の可否
裁判所は、結論として、被告会社は、原告に対し、本件各標章を本件各商標権の指定商品又はその包装に付し、本件各標章を付した同指定標品を、譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出又は輸入することにつき、商標権侵害に基づく損害賠償請求権及び商標権に基づく差止請求権を行使することはできないから、原告の商標権侵害債務不存在確認に係る請求には理由があると判断しています(37頁以下)。
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3 不競法3条1項に基づく差止請求
結論として、裁判所は、原告の被告会社に対する不競法3条1項に基づく差止請求には理由があるものの、被告個人に対する同請求は、被告個人の不正競争が認められず理由がないと判断しています(40頁以下)。
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4 不競法4条又は不法行為に基づく損害賠償請求の可否
裁判所は、被告会社の損害賠償責任について、被告会社の不正競争により原告に生じた無形損害は、本件警告書の内容等から、100万円と認めるのが相当であるとし、また、弁護士費用として10万円につき、被告会社の不正競争と相当因果関係を認めています(42頁以下)。
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5 不競法14条に基づく信用回復措置請求の可否
裁判所は、本件における被告会社の不正競争が、バイタルジャパンに対する本件警告書の送付のみであることに鑑み、原告の信用回復措置として謝罪広告の掲載まで行う必要性は認められないと判断しています(43頁)。
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■コメント
マークゴンザレス関連のライセンス事案となります。
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■過去のブログ記事
スケートボーダー商品化許諾契約事件
東京地裁令和7.1.30令和3(ワ)32244等損害賠償等請求本訴事件、商標権移転登録請求反訴事件
2025年2月17日記事