最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

スキャナーソフト利用許諾契約事件

大阪地裁令和7.1.30令和5(ワ)12479損害賠償請求事件PDF

大阪地方裁判所第21民事部
裁判長裁判官 武宮英子
裁判官    阿波野右起
裁判官    西尾太一

*裁判所サイト公表 2025.2.20
*キーワード:ソフト利用契約、債務不履行、バグ

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■事案

スキャナーのソフトウェアのバグを理由にエンドユーザーが債務不履行責任を主張した事案

原告:NPO法人
被告:ソフト販売会社

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■結論

請求棄却

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■争点

条文 民法415条

1 本件各契約に基づく被告の債務不履行責任の有無

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■事案の概要

『本件は、原告が、被告製文書用スキャナーの使用中に高頻度で不具合が生じたところ、これは被告が提供するスキャナー制御ソフトウェアのバグ(欠陥)が原因であって、被告には、同ソフトウェアにつき被告が有するプログラム著作権の利用許諾契約上の債務不履行があると主張して、被告に対し、同債務不履行(民法415条1項)に基づき、損害賠償金500万円及びこれに対する令和5年9月13日(訴状送達日の翌日)から支払済みまで民法所定の年3パーセントの割合による遅延損害金の支払を求める事案である。』
(1頁以下)

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■判決内容

<争点>

1 本件各契約に基づく被告の債務不履行責任の有無

原告は、被告製品であるスキャナーを購入し、スキャナー用の被告製ソフトウェアを利用していました。
そのソフトウェアにバグがあるとして、被告は、本件各ソフトウェアについて、被告が有するプログラム著作権の各利用許諾契約(本件各契約)に基づき、正常に動作する本件各ソフトウェアを原告に提供する義務を負うところ、これを履行せず被告には債務不履行責任があると原告は主張しました。

結論として、裁判所は、債務不履行の成立を認めていません(6頁以下)。

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■コメント

エンドユーザーがメーカーを訴えた事案となります。