最高裁判所HP 知的財産裁判例集より
ユーチューバー写真無断使用事件
東京地裁令和6.8.1令和5(ワ)70422損害賠償等請求事件PDF
東京地方裁判所民事第 47 部
裁判長裁判官 杉浦正樹
裁判官 石井奈沙
裁判官 志摩祐介
*裁判所サイト公表 2024.8.21
*キーワード:写真、譲渡、同一性保持権、差止めの必要性
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■事案
無断で写真をトリミングするなどして動画に利用した事案
原告:任意団体、写真家
被告:ユーチューバー
--------------------
■結論
請求一部認容
--------------------
■争点
条文 著作権法19条、20条、21条、23条、32条、112条1項、113条11項
1 本件写真の著作権の帰属
2 原告社団の著作権侵害の成否
3 原告Aの本件写真の著作者人格権侵害の成否
4 差止めの必要性の有無
5 損害論
--------------------
■事案の概要
『本件は、原告らが、被告は、別紙2投稿動画目録のとおり、令和4年8月31日〜同年12月17日の間に、原告Aが撮影した別紙1の写真(以下「本件写真」という。)を利用して作成した別紙2投稿動画目録記載の各動画(以下、「本件動画1」などといい、一括して「本件各動画」という。)を動画共有プラットフォーム「YouTube」に投稿するなどしたことにより、原告社団の著作権及び原告Aの著作者人格権を侵害したと主張して、被告に対し、以下の請求をする事案である。(以下略)』
(1頁以下)
本件写真(別紙1):一般社団法人Colabo代表者Eの肖像を撮影した写真
<経緯>
R2.02 本件写真を原告Aが撮影
R4.08 本件各動画を被告が被告チャンネルに投稿
R4.12 YouTubeが公開停止措置
R4.12 被告が原告社団に対して提訴(東京地裁令和4(ワ)70126損害賠償請求事件)
R5.01 YouTube公開再開
R5.08 前訴請求棄却
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■判決内容
<争点>
1 本件写真の著作権の帰属
裁判所は、事情を総合的に考慮した上で、本件写真に係る著作権は、撮影した原告Aの原告社団に対する本件写真の納品及び原告社団の原告Aに対するその対価の支払によって、原告Aから原告社団に譲渡されたとみるのが相当であると判断。
本件写真の著作権は、原告社団に帰属すると判断しています(12頁以下)。
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2 原告社団の著作権侵害の成否
被告は原告社団の許諾を得ることなく、本件写真をサムネイル又は動画内において利用した本件各動画を作成してYouTubeに投稿したとして、本件写真の複製権及び公衆送信権を侵害すると裁判所は判断しています(15頁以下)。
なお、被告は引用(著作権法32条1項)の抗弁を主張していますが、裁判所は認めていません。
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3 原告Aの本件写真の著作者人格権侵害の成否
裁判所は、被告が本件写真を利用した本件各動画をYouTubeに投稿した際に、原告Aの氏名等を著作者名として表示しなかった点について、氏名表示権侵害を肯定。
また、本件写真にモザイク処理を施したものをサムネイルとして利用したことや本件写真の背景部分を切除すると共にE肖像部分もトリミングして利用したこと、また、イラストを重ねる処理をしたことなどの点について、同一性保持権侵害を肯定しています(16頁以下)。
なお、裁判所は、名誉又は声望を害する方法による利用行為該当性(113条11項)については否定しています。
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4 差止めの必要性の有無
裁判所は、原告らの著作権及び著作者人格権に基づく使用差止めの必要性を認めています(19頁)。
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5 損害論
(1)原告社団の損害
ア 著作権侵害による損害 70万円
イ 弁護士費用相当額損害 7万円
合計77万円
(2)原告Aの損害
ア 著作者人格権侵害による損害 30万円
イ 弁護士費用相当額損害 3万円
合計33万円
(19頁以下)
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■コメント
社会活動に関連する事案となります。
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■参考サイト
「暇空茜氏、のりこえねっとを訴えた裁判で敗訴 「不法行為」との主張認めず」
小川たまか(2023年9月5日7:07PM)
週刊金曜日オンライン
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■参考判例
東京地裁令和5.8.24令和4(ワ)70126損害賠償請求事件
前訴
ユーチューバー写真無断使用事件
東京地裁令和6.8.1令和5(ワ)70422損害賠償等請求事件PDF
東京地方裁判所民事第 47 部
裁判長裁判官 杉浦正樹
裁判官 石井奈沙
裁判官 志摩祐介
*裁判所サイト公表 2024.8.21
*キーワード:写真、譲渡、同一性保持権、差止めの必要性
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■事案
無断で写真をトリミングするなどして動画に利用した事案
原告:任意団体、写真家
被告:ユーチューバー
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■結論
請求一部認容
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■争点
条文 著作権法19条、20条、21条、23条、32条、112条1項、113条11項
1 本件写真の著作権の帰属
2 原告社団の著作権侵害の成否
3 原告Aの本件写真の著作者人格権侵害の成否
4 差止めの必要性の有無
5 損害論
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■事案の概要
『本件は、原告らが、被告は、別紙2投稿動画目録のとおり、令和4年8月31日〜同年12月17日の間に、原告Aが撮影した別紙1の写真(以下「本件写真」という。)を利用して作成した別紙2投稿動画目録記載の各動画(以下、「本件動画1」などといい、一括して「本件各動画」という。)を動画共有プラットフォーム「YouTube」に投稿するなどしたことにより、原告社団の著作権及び原告Aの著作者人格権を侵害したと主張して、被告に対し、以下の請求をする事案である。(以下略)』
(1頁以下)
本件写真(別紙1):一般社団法人Colabo代表者Eの肖像を撮影した写真
<経緯>
R2.02 本件写真を原告Aが撮影
R4.08 本件各動画を被告が被告チャンネルに投稿
R4.12 YouTubeが公開停止措置
R4.12 被告が原告社団に対して提訴(東京地裁令和4(ワ)70126損害賠償請求事件)
R5.01 YouTube公開再開
R5.08 前訴請求棄却
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■判決内容
<争点>
1 本件写真の著作権の帰属
裁判所は、事情を総合的に考慮した上で、本件写真に係る著作権は、撮影した原告Aの原告社団に対する本件写真の納品及び原告社団の原告Aに対するその対価の支払によって、原告Aから原告社団に譲渡されたとみるのが相当であると判断。
本件写真の著作権は、原告社団に帰属すると判断しています(12頁以下)。
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2 原告社団の著作権侵害の成否
被告は原告社団の許諾を得ることなく、本件写真をサムネイル又は動画内において利用した本件各動画を作成してYouTubeに投稿したとして、本件写真の複製権及び公衆送信権を侵害すると裁判所は判断しています(15頁以下)。
なお、被告は引用(著作権法32条1項)の抗弁を主張していますが、裁判所は認めていません。
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3 原告Aの本件写真の著作者人格権侵害の成否
裁判所は、被告が本件写真を利用した本件各動画をYouTubeに投稿した際に、原告Aの氏名等を著作者名として表示しなかった点について、氏名表示権侵害を肯定。
また、本件写真にモザイク処理を施したものをサムネイルとして利用したことや本件写真の背景部分を切除すると共にE肖像部分もトリミングして利用したこと、また、イラストを重ねる処理をしたことなどの点について、同一性保持権侵害を肯定しています(16頁以下)。
なお、裁判所は、名誉又は声望を害する方法による利用行為該当性(113条11項)については否定しています。
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4 差止めの必要性の有無
裁判所は、原告らの著作権及び著作者人格権に基づく使用差止めの必要性を認めています(19頁)。
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5 損害論
(1)原告社団の損害
ア 著作権侵害による損害 70万円
イ 弁護士費用相当額損害 7万円
合計77万円
(2)原告Aの損害
ア 著作者人格権侵害による損害 30万円
イ 弁護士費用相当額損害 3万円
合計33万円
(19頁以下)
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■コメント
社会活動に関連する事案となります。
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■参考サイト
「暇空茜氏、のりこえねっとを訴えた裁判で敗訴 「不法行為」との主張認めず」
小川たまか(2023年9月5日7:07PM)
週刊金曜日オンライン
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■参考判例
東京地裁令和5.8.24令和4(ワ)70126損害賠償請求事件
前訴