最高裁判所HP 知的財産裁判例集より
ドラクエキャラクター名称事件(控訴審)
知財高裁令和6.4.23令和5(ネ)10104名誉回復措置等請求控訴事件PDF
知的財産高等裁判所第3部
裁判長裁判官 東海林保
裁判官 今井弘晃
裁判官 水野正則
*裁判所サイト公表 2024.5.18
*キーワード:キャラクター名称、著作物性、出版契約、協議義務、事務管理
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■事案
ドラクエキャラクターの名称が著作権などで保護されるかどうかが争点となった事案の控訴審
控訴人(1審原告) :小説家
被控訴人(1審被告):映画会社、ゲーム会社、映画監督、プロデューサー、映画原作者
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■結論
控訴棄却
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■争点
条文 著作権法2条1項1号
1 本件名称に著作物性が認められるか
2 出版契約違反性
3 事務管理の成否(当審)
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■事案の概要
『本件は、控訴人が、被控訴人スクウェア・エニックスが発売したゲームソフトを原作とする小説を執筆し、その際、控訴人が同小説の主人公の名称を発案して執筆したところ、(1)被控訴人東宝、被控訴人スクウェア・エニックス及び被控訴人白組が同ゲームソフトを原作とする映画の製作委員会の構成員として、他の被控訴人らは監督等として、同映画を共同で制作するに当たり、同映画の主人公の名称として控訴人が発案した前記主人公の名称を使用したことが控訴人の著作権を侵害した、(2)被控訴人スクウェア・エニックスには控訴人との出版契約に基づき同名称を使用するに当たって控訴人と協議する義務が存在したにもかかわらず協議をしなかったことについて、被控訴人らは、共同して同協議義務に係る債権侵害をしたとして、被控訴人らに対して、著作権法115条の名誉回復措置としての謝罪文の掲載、著作権侵害又は前記債権侵害の共同不法行為に基づき、連帯して220万円及び遅延損害金を請求する事案である。』
『原審が(1)上記主人公の名称は著作物には当たらない、(2)控訴人と被控訴人スクウェア・エニックスとの間で結ばれた出版契約において、上記名称の利用について協議すべき義務があるとはいえない、などとして控訴人の請求をいずれも棄却したところ、これに不服の控訴人が本件控訴を提起した。
控訴人は、当審において、被控訴人スクウェア・エニックスとの関係で、事務管理に基づく予備的請求原因事実の主張を追加した。』
(3頁)
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■判決内容
<争点>
1 本件名称に著作物性が認められるか
2 出版契約違反性
控訴審は各争点について、原審の判断を維持しています(7頁以下)。
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3 事務管理の成否(当審)
控訴人は、追加主張として、被控訴人Y1が控訴人の要望を聞き取った時点で、被控訴人Y1及び被控訴人スクウェア・エニックスが義務なく他人のために事務の管理を始めたものであり、その事務管理者としての債務不履行により控訴人に損害が生じた旨主張しました(9頁以下)。
結論として、控訴審は控訴人の主張を認めていません。
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■コメント
原作者がキャラクターの名称創作の利益を求めましたが、原審同様、控訴審においても著作権や契約での独自の保護は認められませんでした。
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■過去のブログ記事
東京地裁令和5.10.20令和3(ワ)27154名誉回復措置等請求事件
原審記事
ドラクエキャラクター名称事件(控訴審)
知財高裁令和6.4.23令和5(ネ)10104名誉回復措置等請求控訴事件PDF
知的財産高等裁判所第3部
裁判長裁判官 東海林保
裁判官 今井弘晃
裁判官 水野正則
*裁判所サイト公表 2024.5.18
*キーワード:キャラクター名称、著作物性、出版契約、協議義務、事務管理
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■事案
ドラクエキャラクターの名称が著作権などで保護されるかどうかが争点となった事案の控訴審
控訴人(1審原告) :小説家
被控訴人(1審被告):映画会社、ゲーム会社、映画監督、プロデューサー、映画原作者
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■結論
控訴棄却
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■争点
条文 著作権法2条1項1号
1 本件名称に著作物性が認められるか
2 出版契約違反性
3 事務管理の成否(当審)
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■事案の概要
『本件は、控訴人が、被控訴人スクウェア・エニックスが発売したゲームソフトを原作とする小説を執筆し、その際、控訴人が同小説の主人公の名称を発案して執筆したところ、(1)被控訴人東宝、被控訴人スクウェア・エニックス及び被控訴人白組が同ゲームソフトを原作とする映画の製作委員会の構成員として、他の被控訴人らは監督等として、同映画を共同で制作するに当たり、同映画の主人公の名称として控訴人が発案した前記主人公の名称を使用したことが控訴人の著作権を侵害した、(2)被控訴人スクウェア・エニックスには控訴人との出版契約に基づき同名称を使用するに当たって控訴人と協議する義務が存在したにもかかわらず協議をしなかったことについて、被控訴人らは、共同して同協議義務に係る債権侵害をしたとして、被控訴人らに対して、著作権法115条の名誉回復措置としての謝罪文の掲載、著作権侵害又は前記債権侵害の共同不法行為に基づき、連帯して220万円及び遅延損害金を請求する事案である。』
『原審が(1)上記主人公の名称は著作物には当たらない、(2)控訴人と被控訴人スクウェア・エニックスとの間で結ばれた出版契約において、上記名称の利用について協議すべき義務があるとはいえない、などとして控訴人の請求をいずれも棄却したところ、これに不服の控訴人が本件控訴を提起した。
控訴人は、当審において、被控訴人スクウェア・エニックスとの関係で、事務管理に基づく予備的請求原因事実の主張を追加した。』
(3頁)
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■判決内容
<争点>
1 本件名称に著作物性が認められるか
2 出版契約違反性
控訴審は各争点について、原審の判断を維持しています(7頁以下)。
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3 事務管理の成否(当審)
控訴人は、追加主張として、被控訴人Y1が控訴人の要望を聞き取った時点で、被控訴人Y1及び被控訴人スクウェア・エニックスが義務なく他人のために事務の管理を始めたものであり、その事務管理者としての債務不履行により控訴人に損害が生じた旨主張しました(9頁以下)。
結論として、控訴審は控訴人の主張を認めていません。
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■コメント
原作者がキャラクターの名称創作の利益を求めましたが、原審同様、控訴審においても著作権や契約での独自の保護は認められませんでした。
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■過去のブログ記事
東京地裁令和5.10.20令和3(ワ)27154名誉回復措置等請求事件
原審記事