最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

退職従業員音源持ち出し事件(控訴審)

知財高裁令和6.1.30令和5(ネ)10089損害賠償等請求控訴事件PDF

知的財産高等裁判所第3部
裁判長裁判官 東海林保
裁判官    今井弘晃
裁判官    水野正則

*裁判所サイト公表 2024.2.16
*キーワード:原盤、音源、レコード製作者、退職従業員、退職合意書、暴利行為

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■事案

退職従業員が持ち出した音源の取扱いが争点となった事案の控訴審

控訴人兼被控訴人(1審原告):効果音響制作会社
被控訴人兼控訴人(1審被告):原告元従業員

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■結論

各控訴棄却

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■争点

条文 著作権法96条、民法90条

1 本件合意により持ち出し等が禁止されたものの内容について
2 1審被告が1審原告の音源を持ち出して使用したか
3 本件合意が公序良俗違反(暴利行為)により無効であるか
4 1審原告が「拳銃コミック6mmテープ」についてレコード製作者の権利を有しているか
5 損害論


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■事案の概要

『本件は、一審原告が、一審原告の元従業員で音響効果の業務を担当していた一審被告との間で、一審被告の退職の際に一審原告が保有していた音源を持ち出さない旨を合意したにもかかわらず、一審被告がこれを持ち出して、退職後に原判決別紙主張整理表の作品1ないし3記載の各作品において音番号1ないし21のとおり使用したことが債務不履行に当たり、また、持ち出した音源の中には、一審原告がレコード製作者の権利を有しているものがあり、一審被告が音響効果業務に当たり複製して使用したことが複製権(著作権法96条)を侵害するとして、債務不履行又は不法行為(両者は選択的併合)に基づき、上記音源の1使用当たり50万円、合計1050万円及び訴状送達の日の翌日である令和3年7月23日から支払済みまで、民法所定の年3分の割合による遅延損害金を請求する事案である。』

『原審が一審原告の請求のうち50万円及びこれに対する令和3年7月23日から支払済みまで年3分の割合による遅延損害金の範囲で認容し、その余の請求を棄却したところ、これに不服の一審原告及び一審被告がそれぞれ控訴した。』
(2頁)

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■判決内容

<争点>

1 本件合意により持ち出し等が禁止されたものの内容について
2 1審被告が1審原告の音源を持ち出して使用したか
3 本件合意が公序良俗違反(暴利行為)により無効であるか
4 1審原告が「拳銃コミック6mmテープ」についてレコード製作者の権利を有しているか
5 損害論


控訴審でも結論として、原審の判断が維持されています。

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■コメント

退職従業員が会社と退職合意書を交わしましたが、持ち出しが禁止された音源の範囲などが争点となった事案の控訴審となります。

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■過去のブログ記事

東京地裁令和5.7.26令和3(ワ)17298損害賠償等請求事件
原審記事