最高裁判所HP 知的財産裁判例集より
伊勢大御神上大神宮線量計スナップ写真名誉毀損事件(控訴審)
知財高裁令和6.1.30令和5(ネ)10075損害賠償請求控訴事件PDF
知的財産高等裁判所第1部
裁判長裁判官 本多知成
裁判官 遠山敦士
裁判官 天野研司
*裁判所サイト公表 2024.2.13
*キーワード:写真、著作物性、名誉毀損、名誉声望保持権
--------------------
■事案
SNSなどでの名誉毀損行為のなかで使用されたスマホ画像の著作物性などが争点となった事案の控訴審
控訴人(1審被告) :心理療法家
被控訴人(1審原告):スクールカウンセラー
--------------------
■結論
控訴棄却
--------------------
■争点
条文 著作権法2条1項1号、113条11項
1 名誉毀損の成否
2 違法性阻却事由の存否
3 名誉感情侵害の成否
4 原告の亡父に対する敬愛追慕の情の侵害及び不法行為の成否
5 被告らによる共同不法行為の成否
6 本件原画像の著作物性及び著作者
7 名誉声望保持権の侵害の成否等
8 引用の抗弁の成否
9 プライバシー権侵害の成否
10 原告と密接な関係を有する者に対するつきまといによる不法行為の成否
11 損害論
12 差止めの必要性の有無
13 文書提出命令(当裁判所令和5年(ウ)第10094号)の却下(当審)
--------------------
■事案の概要
『本件は、被控訴人(一審原告)が、(1) 控訴人(一審被告)、一審相被告A及び一審相被告Bに対し、一審被告らが、共同して平成26年3月24日から令和2年6月20日までの期間に、インターネット上のブログ、ツイッター(現在の名称は「X(エックス)」。)その他のウェブサイトに被控訴人の名誉を毀損し、又は名誉感情を侵害する内容の投稿をしたとして、共同不法行為による損害賠償請求権に基づき、連帯して損害賠償金1億1338万円の一部である566万9000円及びこれに対する不法行為の後で訴状送達の日の翌日である令和2年10月26日から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法(以下「改正前民法」という。)所定の年5分の割合による遅延損害金(以下の被控訴人の求める遅延損害金の始期及び利率は同じ。)の支払を求め、また、(2) 控訴人に対し、(1)控訴人が、ブログ、ツイッター等に被控訴人のプライ5 バシー権を侵害する内容の投稿をした等として、不法行為による損害賠償請求権に基づき、損害賠償金343万7280円の一部である57万2880円及び遅延損害金の支払、(2)控訴人が、ブログ、ツイッター等に被控訴人の著作物である原判決別紙画像目録記載の画像(本件原画像)を、被控訴人の名誉声望を侵害する形で掲載し、被控訴人の本件原画像についての著作者人格権を侵害したとして、不法行為による損害賠償請求権に基づき、損害賠償金390万円の一部である65万円及び遅延損害金の支払、(3)著作権法112条1項に基づき、本件原画像の自動公衆送信及び送信可能化の差止めをそれぞれ求める事案である。』
『原判決は、控訴人に対し、上記(1)の請求について349万円(うち318万円の限度で一審相被告Aと、250万円の限度で一審相被告Bと各連帯支払)及び遅延損害金の支払を求める限度で認容してその余を棄却し、上記(2)の各請求のうち、(1)については合計30万円及び遅延損害金の支払を求める限度で認容してその余を棄却し、(2)については50万円及び遅延損害金の支払を求める限度で認容してその余を棄却し、(3)については認容した。
これに対し、控訴人が控訴人敗訴部分を不服として本件控訴をした。なお、一審相被告A及び一審相被告Bとの関係では、被控訴人及び同相被告らのいずれも控訴をしなかったため、原判決のうち、被控訴人とこれらの一審相被告らとの間の部分は確定した。』
(1頁以下)
--------------------
■判決内容
<争点>
1 名誉毀損の成否
2 違法性阻却事由の存否
3 名誉感情侵害の成否
4 原告の亡父に対する敬愛追慕の情の侵害及び不法行為の成否
5 被告らによる共同不法行為の成否
6 本件原画像の著作物性及び著作者
7 名誉声望保持権の侵害の成否等
8 引用の抗弁の成否
9 プライバシー権侵害の成否
10 原告と密接な関係を有する者に対するつきまといによる不法行為の成否
11 損害論
12 差止めの必要性の有無
13 文書提出命令(当裁判所令和5年(ウ)第10094号)の却下(当審)
控訴審は、被控訴人の請求は、控訴人に対して429万円(うち318万円の限度で一審相被告Aと、250万円の限度で一審相被告Bと各連帯支払)及び遅延損害金の支払を求め、また本件原画像の自動公衆送信及び送信可能化の差止めを求める限度で理由があり、その余の請求はいずれも理由がないと判断。
結論として、被控訴人の控訴人に対する請求を一部認容した原判決は相当であり、本件控訴は理由がないとして棄却しています(4頁以下)。
--------------------
■コメント
控訴審でも原審の判断が維持されています。
--------------------
■過去のブログ記事
東京地裁令和5.6.9令和2(ワ)12774損害賠償請求事件
原審記事
伊勢大御神上大神宮線量計スナップ写真名誉毀損事件(控訴審)
知財高裁令和6.1.30令和5(ネ)10075損害賠償請求控訴事件PDF
知的財産高等裁判所第1部
裁判長裁判官 本多知成
裁判官 遠山敦士
裁判官 天野研司
*裁判所サイト公表 2024.2.13
*キーワード:写真、著作物性、名誉毀損、名誉声望保持権
--------------------
■事案
SNSなどでの名誉毀損行為のなかで使用されたスマホ画像の著作物性などが争点となった事案の控訴審
控訴人(1審被告) :心理療法家
被控訴人(1審原告):スクールカウンセラー
--------------------
■結論
控訴棄却
--------------------
■争点
条文 著作権法2条1項1号、113条11項
1 名誉毀損の成否
2 違法性阻却事由の存否
3 名誉感情侵害の成否
4 原告の亡父に対する敬愛追慕の情の侵害及び不法行為の成否
5 被告らによる共同不法行為の成否
6 本件原画像の著作物性及び著作者
7 名誉声望保持権の侵害の成否等
8 引用の抗弁の成否
9 プライバシー権侵害の成否
10 原告と密接な関係を有する者に対するつきまといによる不法行為の成否
11 損害論
12 差止めの必要性の有無
13 文書提出命令(当裁判所令和5年(ウ)第10094号)の却下(当審)
--------------------
■事案の概要
『本件は、被控訴人(一審原告)が、(1) 控訴人(一審被告)、一審相被告A及び一審相被告Bに対し、一審被告らが、共同して平成26年3月24日から令和2年6月20日までの期間に、インターネット上のブログ、ツイッター(現在の名称は「X(エックス)」。)その他のウェブサイトに被控訴人の名誉を毀損し、又は名誉感情を侵害する内容の投稿をしたとして、共同不法行為による損害賠償請求権に基づき、連帯して損害賠償金1億1338万円の一部である566万9000円及びこれに対する不法行為の後で訴状送達の日の翌日である令和2年10月26日から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法(以下「改正前民法」という。)所定の年5分の割合による遅延損害金(以下の被控訴人の求める遅延損害金の始期及び利率は同じ。)の支払を求め、また、(2) 控訴人に対し、(1)控訴人が、ブログ、ツイッター等に被控訴人のプライ5 バシー権を侵害する内容の投稿をした等として、不法行為による損害賠償請求権に基づき、損害賠償金343万7280円の一部である57万2880円及び遅延損害金の支払、(2)控訴人が、ブログ、ツイッター等に被控訴人の著作物である原判決別紙画像目録記載の画像(本件原画像)を、被控訴人の名誉声望を侵害する形で掲載し、被控訴人の本件原画像についての著作者人格権を侵害したとして、不法行為による損害賠償請求権に基づき、損害賠償金390万円の一部である65万円及び遅延損害金の支払、(3)著作権法112条1項に基づき、本件原画像の自動公衆送信及び送信可能化の差止めをそれぞれ求める事案である。』
『原判決は、控訴人に対し、上記(1)の請求について349万円(うち318万円の限度で一審相被告Aと、250万円の限度で一審相被告Bと各連帯支払)及び遅延損害金の支払を求める限度で認容してその余を棄却し、上記(2)の各請求のうち、(1)については合計30万円及び遅延損害金の支払を求める限度で認容してその余を棄却し、(2)については50万円及び遅延損害金の支払を求める限度で認容してその余を棄却し、(3)については認容した。
これに対し、控訴人が控訴人敗訴部分を不服として本件控訴をした。なお、一審相被告A及び一審相被告Bとの関係では、被控訴人及び同相被告らのいずれも控訴をしなかったため、原判決のうち、被控訴人とこれらの一審相被告らとの間の部分は確定した。』
(1頁以下)
--------------------
■判決内容
<争点>
1 名誉毀損の成否
2 違法性阻却事由の存否
3 名誉感情侵害の成否
4 原告の亡父に対する敬愛追慕の情の侵害及び不法行為の成否
5 被告らによる共同不法行為の成否
6 本件原画像の著作物性及び著作者
7 名誉声望保持権の侵害の成否等
8 引用の抗弁の成否
9 プライバシー権侵害の成否
10 原告と密接な関係を有する者に対するつきまといによる不法行為の成否
11 損害論
12 差止めの必要性の有無
13 文書提出命令(当裁判所令和5年(ウ)第10094号)の却下(当審)
控訴審は、被控訴人の請求は、控訴人に対して429万円(うち318万円の限度で一審相被告Aと、250万円の限度で一審相被告Bと各連帯支払)及び遅延損害金の支払を求め、また本件原画像の自動公衆送信及び送信可能化の差止めを求める限度で理由があり、その余の請求はいずれも理由がないと判断。
結論として、被控訴人の控訴人に対する請求を一部認容した原判決は相当であり、本件控訴は理由がないとして棄却しています(4頁以下)。
--------------------
■コメント
控訴審でも原審の判断が維持されています。
--------------------
■過去のブログ記事
東京地裁令和5.6.9令和2(ワ)12774損害賠償請求事件
原審記事