最高裁判所HP 知的財産裁判例集より
騒音振動測定プログラム事件
大阪地裁令和6.1.29令和1(ワ)10940損害賠償請求事件PDF
別紙
大阪地方裁判所第26民事部
裁判長裁判官 松阿彌隆
裁判官 島田美喜子
裁判官 阿波野右起
*裁判所サイト公表 2024.2.8
*キーワード:プログラム、著作物性、氏名表示権、業務委託契約
--------------------
■事案
騒音振動監視システムのプログラム制作業務委託契約上の紛争
原告:プログラム制作者
被告:土木コンサル会社
--------------------
■結論
請求一部認容
--------------------
■争点
条文 著作権法2条1項1号、19条
1 本件各プログラムの著作物性
2 複製権侵害・同一性保持権侵害性
3 氏名表示権侵害性
--------------------
■事案の概要
『本件は、原告が、自らが著作権を有するとする別紙「プログラム目録」記載1ないし6の各プログラム(以下、個別には「本件プログラム1」などといい、総称して「本件各プログラム」という。)を被告が無断で複製等し、次のとおり、原告の著作権又は著作者人格権が侵害されたと主張して、被告に対し、不法行為に基づく損害賠償請求として、1億2245万2000円及びこれに対する行為の後日である令和元年12月16日から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。(以下、略)』
(2頁)
<経緯>
H02 原告が独立開業
H14 P5プログラム制作
H17 P3プログラム発注
H18 P4プログラム発注
H20 原告が被告に就労
H21 原告が被告を退職
H21 被告が原告に業務委託
H24 P1プログラム発注
H26 P2プログラム発注
H27 P6プログラム発注
H28 原告がプロダクトキー入力起動措置
H29 原被告間で契約交渉
H29 原告が2165万円請求
R01 本件訴訟提起
被告製品:「騒音振動監視システム サイレントロボNVM−1」
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■判決内容
<争点>
1 本件各プログラムの著作物性
騒音振動測定プログラムといった6つのプログラムのソースコードの記述について、裁判所は結論として、いずれも原告の個性が表現されているとして、本件各プログラムはプログラム著作物(著作権法10条1項9号、2条1項10号の2)であると認めています(8頁以下)。
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2 複製権侵害・同一性保持権侵害性
本件プログラム3を複製・変更したプログラムが被告製品サイレントロボのプログラムであるか、また、本件各プログラムの複製又は改変に対する原告の承諾があったか、について、裁判所は結論として、原告の主張を認めず、また、黙示の合意の存在を認め、複製権侵害性、同一性保持権侵害性を否定しています(13頁以下)。
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3 氏名表示権侵害性
裁判所は、本件プログラム3と5について、原告の氏名表示権が侵害され、その態様から、被告に故意があったと認定。
結論として、慰謝料10万円、弁護士費用相当額損害1万円の合計11万円を損害額として認定しています(20頁以下)。
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■コメント
退職従業員との間の業務委託契約上の紛争となります。本件各プログラムの制作業務請負(委託)契約において、プログラムの複製や使用範囲に関する明示の取り決めはありませんでした。
騒音振動測定プログラム事件
大阪地裁令和6.1.29令和1(ワ)10940損害賠償請求事件PDF
別紙
大阪地方裁判所第26民事部
裁判長裁判官 松阿彌隆
裁判官 島田美喜子
裁判官 阿波野右起
*裁判所サイト公表 2024.2.8
*キーワード:プログラム、著作物性、氏名表示権、業務委託契約
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■事案
騒音振動監視システムのプログラム制作業務委託契約上の紛争
原告:プログラム制作者
被告:土木コンサル会社
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■結論
請求一部認容
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■争点
条文 著作権法2条1項1号、19条
1 本件各プログラムの著作物性
2 複製権侵害・同一性保持権侵害性
3 氏名表示権侵害性
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■事案の概要
『本件は、原告が、自らが著作権を有するとする別紙「プログラム目録」記載1ないし6の各プログラム(以下、個別には「本件プログラム1」などといい、総称して「本件各プログラム」という。)を被告が無断で複製等し、次のとおり、原告の著作権又は著作者人格権が侵害されたと主張して、被告に対し、不法行為に基づく損害賠償請求として、1億2245万2000円及びこれに対する行為の後日である令和元年12月16日から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。(以下、略)』
(2頁)
<経緯>
H02 原告が独立開業
H14 P5プログラム制作
H17 P3プログラム発注
H18 P4プログラム発注
H20 原告が被告に就労
H21 原告が被告を退職
H21 被告が原告に業務委託
H24 P1プログラム発注
H26 P2プログラム発注
H27 P6プログラム発注
H28 原告がプロダクトキー入力起動措置
H29 原被告間で契約交渉
H29 原告が2165万円請求
R01 本件訴訟提起
被告製品:「騒音振動監視システム サイレントロボNVM−1」
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■判決内容
<争点>
1 本件各プログラムの著作物性
騒音振動測定プログラムといった6つのプログラムのソースコードの記述について、裁判所は結論として、いずれも原告の個性が表現されているとして、本件各プログラムはプログラム著作物(著作権法10条1項9号、2条1項10号の2)であると認めています(8頁以下)。
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2 複製権侵害・同一性保持権侵害性
本件プログラム3を複製・変更したプログラムが被告製品サイレントロボのプログラムであるか、また、本件各プログラムの複製又は改変に対する原告の承諾があったか、について、裁判所は結論として、原告の主張を認めず、また、黙示の合意の存在を認め、複製権侵害性、同一性保持権侵害性を否定しています(13頁以下)。
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3 氏名表示権侵害性
裁判所は、本件プログラム3と5について、原告の氏名表示権が侵害され、その態様から、被告に故意があったと認定。
結論として、慰謝料10万円、弁護士費用相当額損害1万円の合計11万円を損害額として認定しています(20頁以下)。
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■コメント
退職従業員との間の業務委託契約上の紛争となります。本件各プログラムの制作業務請負(委託)契約において、プログラムの複製や使用範囲に関する明示の取り決めはありませんでした。