最高裁判所HP 知的財産裁判例集より
加圧ベルト健康器具画像事件(その3)控訴審
知財高裁令和5.6.21令和5(ネ)10016損害賠償請求控訴事件PDF
知的財産高等裁判所第3部
裁判長裁判官 東海林保
裁判官 今井弘晃
裁判官 水野正則
*裁判所サイト公表 2023.7.20
*キーワード:職務著作、法人著作、誤認混同惹起、虚偽事実告知流布
原審 東京地裁令和4.12.22令和3(ワ)23925損害賠償請求事件
判決文PDF
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■事案
健康器具である加圧ベルトの画像の無断使用で損害論などが争点となった事案の控訴審
控訴人(1審原告) :健康器具製造販売会社、代表者
被控訴人(1審被告):ECサイト運営者
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■結論
控訴棄却
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■争点
条文 著作権法15条1項、114条3項、不正競争防止法2条1項1号、21号
1 職務著作該当性
2 損害論
3 不正競争防止法その他の争点
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■事案の概要
『本件は、
ア 控訴人会社が、(1)被控訴人は、控訴人会社が著作権を有する画像の複製物をウェブサイトに掲載して控訴人会社の著作権(複製権、公衆送信権)を侵害し、控訴人会社はこれによって損害を受けた、(2)被控訴人は上記(1)の著作物の複製物の掲載によって法律上の原因なく利益を得て、控訴人会社は損失を受けた、(3)被控訴人は、周知性のある控訴人会社の商品等表示を使用して控訴人会社の商品又は営業と混同を生じさせる行為(不正競争防止法2条1項1号)及び控訴人会社の営業上の信用を害する不正競争(同項21号)を行い、控訴人会社はこれによって損害を被ったと主張し、被控訴人に対し、不法行為に基づく損害賠償請求、不当利得返還請求又は不正競争による損害賠償請求として(選択的請求)、110万円の支払を求め、
イ 控訴人会社の代表取締役である控訴人Xが、被控訴人による控訴人会社の著作権侵害行為及び不正競争がされたため、法律相談に行く等の対応を余儀なくされ、被控訴人の前記行為は控訴人Xに対する不法行為ともなり、控訴人Xはこれにより損害を受けたと主張し、被控訴人に対し、不法行為に基づく損害賠償請求として、30万円の支払を求めた事案である。』
『原判決は、控訴人会社の請求のうち、被控訴人に対して不法行為に基づく損害賠償請求として5万円の支払を求める限度で認容し、控訴人会社のその余の請求及び控訴人Xの請求をいずれも棄却した。控訴人らは、敗訴部分を不服として本件控訴を提起し、当審において、無形損害についての賠償請求(選択的請求)を追加した。』
(1頁以下)
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■判決内容
<争点>
1 職務著作該当性
2 損害論
3 不正競争防止法その他の争点
原審では、画像の著作物性は争点となっておらず、原告会社の職務著作物性を前提に、著作権侵害の損害論として5万円が認定され、それ以外の争点はすべて認められていませんでしたが、控訴審も原審の判断を維持しています(3頁以下)。
なお、控訴人らは、控訴審で追加請求として、被控訴人の行為の態様に照らして、民法710条に基づき控訴人らの無形損害の賠償が認められるべきであると主張しましたが、控訴審は認めていません(6頁以下)。
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■コメント
ECサイトに出品した際に無断で画像(商品写真と説明文が一体となったもの)を使用した事案の控訴審となります。
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判決文PDF
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■事案
健康器具である加圧ベルトの画像の無断使用で損害論などが争点となった事案の控訴審
控訴人(1審原告) :健康器具製造販売会社、代表者
被控訴人(1審被告):ECサイト運営者
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■結論
控訴棄却
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■争点
条文 著作権法15条1項、114条3項、不正競争防止法2条1項1号、21号
1 職務著作該当性
2 損害論
3 不正競争防止法その他の争点
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■事案の概要
『本件は、
ア 控訴人会社が、(1)被控訴人は、控訴人会社が著作権を有する画像の複製物をウェブサイトに掲載して控訴人会社の著作権(複製権、公衆送信権)を侵害し、控訴人会社はこれによって損害を受けた、(2)被控訴人は上記(1)の著作物の複製物の掲載によって法律上の原因なく利益を得て、控訴人会社は損失を受けた、(3)被控訴人は、周知性のある控訴人会社の商品等表示を使用して控訴人会社の商品又は営業と混同を生じさせる行為(不正競争防止法2条1項1号)及び控訴人会社の営業上の信用を害する不正競争(同項21号)を行い、控訴人会社はこれによって損害を被ったと主張し、被控訴人に対し、不法行為に基づく損害賠償請求、不当利得返還請求又は不正競争による損害賠償請求として(選択的請求)、110万円の支払を求め、
イ 控訴人会社の代表取締役である控訴人Xが、被控訴人による控訴人会社の著作権侵害行為及び不正競争がされたため、法律相談に行く等の対応を余儀なくされ、被控訴人の前記行為は控訴人Xに対する不法行為ともなり、控訴人Xはこれにより損害を受けたと主張し、被控訴人に対し、不法行為に基づく損害賠償請求として、30万円の支払を求めた事案である。』
『原判決は、控訴人会社の請求のうち、被控訴人に対して不法行為に基づく損害賠償請求として5万円の支払を求める限度で認容し、控訴人会社のその余の請求及び控訴人Xの請求をいずれも棄却した。控訴人らは、敗訴部分を不服として本件控訴を提起し、当審において、無形損害についての賠償請求(選択的請求)を追加した。』
(1頁以下)
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■判決内容
<争点>
1 職務著作該当性
2 損害論
3 不正競争防止法その他の争点
原審では、画像の著作物性は争点となっておらず、原告会社の職務著作物性を前提に、著作権侵害の損害論として5万円が認定され、それ以外の争点はすべて認められていませんでしたが、控訴審も原審の判断を維持しています(3頁以下)。
なお、控訴人らは、控訴審で追加請求として、被控訴人の行為の態様に照らして、民法710条に基づき控訴人らの無形損害の賠償が認められるべきであると主張しましたが、控訴審は認めていません(6頁以下)。
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