最高裁判所HP 知的財産裁判例集より
北野天満宮梅の木写真無断使用事件(控訴審)
知財高裁令和4.12.22令和4(ネ)10058著作権侵害差止等請求控訴事件PDF
知的財産高等裁判所第1部
裁判長裁判官 大鷹一郎
裁判官 小川卓逸
裁判官 遠山敦士
*裁判所サイト公表 2023.1.9
*キーワード:職務著作、写真、サイト運営者、侵害主体性
--------------------
■事案
旅行情報サイトの会員が投稿した画像に関するサイト運営者の責任などが争点となった事案の控訴審
控訴人(1審被告) :旅行情報提供サービス会社
被控訴人(1審原告):写真家(スウェーデン国籍)
--------------------
■結論
控訴棄却
--------------------
■争点
条文 著作権法15条、21条、23条、19条、20条、114条3項
1 職務著作の成否(当審における控訴人の追加主張関係)
2 複製、公衆送信等の主体
3 差止めの必要性
4 不法行為の成否及び損害額
--------------------
■事案の概要
『本件は、別紙著作物目録記載の写真(以下「原告写真」という。)を撮影した被控訴人が、控訴人がその管理運営するウェブサイトに係るサーバーに別紙被告写真目録1及び同目録2記載の各写真(以下「被告各写真」といい、同目録1記載の写真を「被告写真1」、同目録2記載の写真を「被告写真2」という。)をアップロードしたことにより、被控訴人の本件各写真に係る著作権(複製権、公衆送信権)及び著作者人格権(氏名表示権、同一性保持権)を侵害したと主張して、控訴人に対し、著作権法112条1項に基づき、原告写真の複製等の差止めを求めるとともに、著作権侵害及び著作者人格権侵害の不法行為に基づく損害賠償として33万9092円及びこれに対する不法行為の日である平成30年10月6日から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法所定(以下「改正前民法所定」という。)の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。』
『原審は、被控訴人の請求のうち、差止請求に関する部分については全部認容し、損害賠償請求に関する部分については7万円及びこれに対する平成30年10月6日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める限度で一部認容し、その余の請求を棄却した。
控訴人は、原判決中、控訴人敗訴部分を不服として本件控訴を提起した。』
(1頁以下)
--------------------
■判決内容
<争点>
1 職務著作の成否(当審における控訴人の追加主張関係)
控訴人は、控訴審において原告写真が被控訴人がスウェーデン国の旅行会社が企画・運営する同国の観光客のための日本旅行におけるガイドとして職務上作成した著作物であり、同社のウェブサイトに掲載された原告写真は、マルシーマークと法人名での法人名義で公表されているとして、原告写真については職務著作(著作権法15条)が成立する旨主張しました(7頁以下)。
この点について、裁判所は、結論として原告写真が法人の発意に基づいて作成されたことを認めるに足りる証拠はないなどとして、職務著作の要件を満たさないとして控訴人の追加主張を認めていません。
--------------------
2 複製、公衆送信等の主体
3 差止めの必要性
4 不法行為の成否及び損害額
争点2乃至4について、結論として原審の判断を維持しています(9頁以下)。
--------------------
■コメント
1審被告側から職務著作の成立の反論が控訴審で出されていますが、結論としては原審の判断が維持されています。
--------------------
■過去のブログ記事
東京地裁令和4.4.14令和3(ワ)13623著作権侵害差止等請求事件
原審記事
北野天満宮梅の木写真無断使用事件(控訴審)
知財高裁令和4.12.22令和4(ネ)10058著作権侵害差止等請求控訴事件PDF
知的財産高等裁判所第1部
裁判長裁判官 大鷹一郎
裁判官 小川卓逸
裁判官 遠山敦士
*裁判所サイト公表 2023.1.9
*キーワード:職務著作、写真、サイト運営者、侵害主体性
--------------------
■事案
旅行情報サイトの会員が投稿した画像に関するサイト運営者の責任などが争点となった事案の控訴審
控訴人(1審被告) :旅行情報提供サービス会社
被控訴人(1審原告):写真家(スウェーデン国籍)
--------------------
■結論
控訴棄却
--------------------
■争点
条文 著作権法15条、21条、23条、19条、20条、114条3項
1 職務著作の成否(当審における控訴人の追加主張関係)
2 複製、公衆送信等の主体
3 差止めの必要性
4 不法行為の成否及び損害額
--------------------
■事案の概要
『本件は、別紙著作物目録記載の写真(以下「原告写真」という。)を撮影した被控訴人が、控訴人がその管理運営するウェブサイトに係るサーバーに別紙被告写真目録1及び同目録2記載の各写真(以下「被告各写真」といい、同目録1記載の写真を「被告写真1」、同目録2記載の写真を「被告写真2」という。)をアップロードしたことにより、被控訴人の本件各写真に係る著作権(複製権、公衆送信権)及び著作者人格権(氏名表示権、同一性保持権)を侵害したと主張して、控訴人に対し、著作権法112条1項に基づき、原告写真の複製等の差止めを求めるとともに、著作権侵害及び著作者人格権侵害の不法行為に基づく損害賠償として33万9092円及びこれに対する不法行為の日である平成30年10月6日から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法所定(以下「改正前民法所定」という。)の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。』
『原審は、被控訴人の請求のうち、差止請求に関する部分については全部認容し、損害賠償請求に関する部分については7万円及びこれに対する平成30年10月6日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める限度で一部認容し、その余の請求を棄却した。
控訴人は、原判決中、控訴人敗訴部分を不服として本件控訴を提起した。』
(1頁以下)
--------------------
■判決内容
<争点>
1 職務著作の成否(当審における控訴人の追加主張関係)
控訴人は、控訴審において原告写真が被控訴人がスウェーデン国の旅行会社が企画・運営する同国の観光客のための日本旅行におけるガイドとして職務上作成した著作物であり、同社のウェブサイトに掲載された原告写真は、マルシーマークと法人名での法人名義で公表されているとして、原告写真については職務著作(著作権法15条)が成立する旨主張しました(7頁以下)。
この点について、裁判所は、結論として原告写真が法人の発意に基づいて作成されたことを認めるに足りる証拠はないなどとして、職務著作の要件を満たさないとして控訴人の追加主張を認めていません。
--------------------
2 複製、公衆送信等の主体
3 差止めの必要性
4 不法行為の成否及び損害額
争点2乃至4について、結論として原審の判断を維持しています(9頁以下)。
--------------------
■コメント
1審被告側から職務著作の成立の反論が控訴審で出されていますが、結論としては原審の判断が維持されています。
--------------------
■過去のブログ記事
東京地裁令和4.4.14令和3(ワ)13623著作権侵害差止等請求事件
原審記事