最高裁判所HP 知的財産裁判例集より
「みんカラ」写真無断使用事件
東京地裁令和4.4.14令和3(ワ)2859著作権侵害差止等請求事件PDF
東京地方裁判所民事第46部
裁判長裁判官 柴田義明
裁判官 佐伯良子
裁判官 仲田憲史
*裁判所サイト公表 2022.10.25
*キーワード:写真、侵害主体性、サイト運営
--------------------
■事案
レーシングカーの画像の無断使用の責任主体性が争点となった事案
原告:個人(オランダ国籍)
被告:「みんカラ」運営会社
--------------------
■結論
請求棄却
--------------------
■争点
条文 著作権法21条、23条
1 被告が原告写真の複製、公衆送信等の主体であるといえるか
--------------------
■事案の概要
『本件は、原告が著作権を有する写真が、インターネット上のウェブサイトに無断でアップロードされたことによって、原告の複製権、公衆送信権及び氏名表示権が侵害されたとして、同ウェブサイトを管理運営している被告に対し、不法行為に基づき、ライセンス料相当損害金、氏名表示権侵害による慰謝料、弁護士費用相当損害金の合計35万9347円及び写真掲載日である、平成24年12月11日から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法所定の年5分の割合による遅延損害金を請求する事案である。』
(1頁以下)
<経緯>
H22.06 原告がFlickrに写真投稿
H24.12 氏名不詳者が本件投稿
R02.05 原告側が削除要請
R03.01 本件投稿者が削除
R03.02 被告がキャッシュサーバからも削除
本件投稿:「ブレーキパッドの選び方その(5)〜パッドテストの参加〜」
--------------------
■判決内容
<争点>
1 被告が原告写真の複製、公衆送信等の主体であるといえるか
裁判所は、本件投稿について、サイト運営会社である被告が、原告写真の複製、公衆送信等の主体といえるかについて検討。
「本件投稿は、本件投稿者が、被告の指示等もなく、自由にその内容を決定して投稿したものであり、本件投稿をしたことにより、本件投稿を契機とする被告の特別な行為を経ることもなく本件投稿による複製、公衆送信がされた。上記複製、公衆送信への被告の関与の内容や程度の小ささを考慮すると、本件投稿者は、本件投稿の複製、公衆送信をした者であり、被告はその複製、公衆送信の主体ではないと認められる」と判断。
結論として、被告は原告写真の複製、公衆送信等の主体ではないとされています(13頁以下)。
--------------------
■コメント
利用規約でサービスを利用するユーザーの権利を吸い上げて利益を得る事業内容であれば、サービス運営事業者側が各種責任の前面に立つべき、という考え方も理解できるところではあります。
被告が運営する「みんカラ」https://minkara.carview.co.jp/ですが、クルマに関する情報を共有するサイトで、わたしも10年近く無料で利用しています。自分のクルマを登録して、愛車紹介、ブログ掲載、整備記事などをシェアできるサイトです。パーツの取付け情報などはとても便利でよく閲覧しています。
なお、「みんカラ」の利用規約をみると、2022年7月1日最終更新版が掲載されていて、そこでは著作権の移転はしない前提で、広く利用許諾をするタテマエになっています(16条)。
https://minkara.carview.co.jp/terms/minkara.aspx
ユーザーとサービス提供者の間での同じような問題意識としては、YouTubeの利用規約をみると、YouTubeへのライセンス付与(二次利用許諾)があるので、このあたりは、便利さとのトレードオフではあります。
https://www.youtube.com/static?template=terms&hl=ja&gl=JP
「みんカラ」写真無断使用事件
東京地裁令和4.4.14令和3(ワ)2859著作権侵害差止等請求事件PDF
東京地方裁判所民事第46部
裁判長裁判官 柴田義明
裁判官 佐伯良子
裁判官 仲田憲史
*裁判所サイト公表 2022.10.25
*キーワード:写真、侵害主体性、サイト運営
--------------------
■事案
レーシングカーの画像の無断使用の責任主体性が争点となった事案
原告:個人(オランダ国籍)
被告:「みんカラ」運営会社
--------------------
■結論
請求棄却
--------------------
■争点
条文 著作権法21条、23条
1 被告が原告写真の複製、公衆送信等の主体であるといえるか
--------------------
■事案の概要
『本件は、原告が著作権を有する写真が、インターネット上のウェブサイトに無断でアップロードされたことによって、原告の複製権、公衆送信権及び氏名表示権が侵害されたとして、同ウェブサイトを管理運営している被告に対し、不法行為に基づき、ライセンス料相当損害金、氏名表示権侵害による慰謝料、弁護士費用相当損害金の合計35万9347円及び写真掲載日である、平成24年12月11日から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法所定の年5分の割合による遅延損害金を請求する事案である。』
(1頁以下)
<経緯>
H22.06 原告がFlickrに写真投稿
H24.12 氏名不詳者が本件投稿
R02.05 原告側が削除要請
R03.01 本件投稿者が削除
R03.02 被告がキャッシュサーバからも削除
本件投稿:「ブレーキパッドの選び方その(5)〜パッドテストの参加〜」
--------------------
■判決内容
<争点>
1 被告が原告写真の複製、公衆送信等の主体であるといえるか
裁判所は、本件投稿について、サイト運営会社である被告が、原告写真の複製、公衆送信等の主体といえるかについて検討。
「本件投稿は、本件投稿者が、被告の指示等もなく、自由にその内容を決定して投稿したものであり、本件投稿をしたことにより、本件投稿を契機とする被告の特別な行為を経ることもなく本件投稿による複製、公衆送信がされた。上記複製、公衆送信への被告の関与の内容や程度の小ささを考慮すると、本件投稿者は、本件投稿の複製、公衆送信をした者であり、被告はその複製、公衆送信の主体ではないと認められる」と判断。
結論として、被告は原告写真の複製、公衆送信等の主体ではないとされています(13頁以下)。
--------------------
■コメント
利用規約でサービスを利用するユーザーの権利を吸い上げて利益を得る事業内容であれば、サービス運営事業者側が各種責任の前面に立つべき、という考え方も理解できるところではあります。
被告が運営する「みんカラ」https://minkara.carview.co.jp/ですが、クルマに関する情報を共有するサイトで、わたしも10年近く無料で利用しています。自分のクルマを登録して、愛車紹介、ブログ掲載、整備記事などをシェアできるサイトです。パーツの取付け情報などはとても便利でよく閲覧しています。
なお、「みんカラ」の利用規約をみると、2022年7月1日最終更新版が掲載されていて、そこでは著作権の移転はしない前提で、広く利用許諾をするタテマエになっています(16条)。
https://minkara.carview.co.jp/terms/minkara.aspx
ユーザーとサービス提供者の間での同じような問題意識としては、YouTubeの利用規約をみると、YouTubeへのライセンス付与(二次利用許諾)があるので、このあたりは、便利さとのトレードオフではあります。
https://www.youtube.com/static?template=terms&hl=ja&gl=JP