最高裁判所HP 知的財産裁判例集より
段ボール製造業者向け生産総合管理システム開発契約事件(控訴審)
知財高裁令和4.4.28令和3(ネ)10076損害賠償請求控訴事件・ライセンス料支払請求反訴控訴事件PDF
知的財産高等裁判所第1部
裁判長裁判官 大鷹一郎
裁判官 小川卓逸
裁判官 小林康彦
*裁判所サイト公表 2022.5.10
*キーワード:ソフトウェア、開発契約、著作権の帰属、販売契約、ライセンス契約、利益相反行為
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■事案
段ボール製造業者向け生産総合管理システムの開発、利用を巡り著作権の帰属などが争点となった事案の控訴審
控訴人(1審被告) :ソフト開発会社、X
被控訴人(1審原告):ソフト開発会社
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■結論
控訴棄却、控訴人会社反訴棄却
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■争点
条文 会社法356条1項2号
1 被控訴人の本件著作権の取得原因
2 控訴人会社と被控訴人間の本件販売契約に基づく本件著作権の譲渡の有無
3 控訴人らの共同不法行為の成否及び被控訴人の損害額
4 控訴人会社の本件著作権の取得原因(反訴関係)
5 控訴人会社の本件販売契約に基づく未払ライセンス料請求権の有無(反訴関係)
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■事案の概要
『本件の本訴は、被控訴人が、「SeePlan(シープラン)」と称する段ボール生産総合管理システムのソフトウェア(以下「本件ソフトウェア」という。)の「バージョン Ver.1.00」である別紙物件目録記載(イ)のソフトウェア(以下「本件初期システム」という。)及びその「バージョン Ver.3.02」である同目録記載(ロ)のソフトウェア(以下「本件最新システム」という。)の著作権(以下「本件著作権」という場合がある。)が被控訴人に帰属する旨主張して、その著作権を有することの確認を求めるとともに、被控訴人の代表者取締役であった控訴人Xが、その在職中に、控訴人会社と被控訴人間の本件ソフトウェアに係るライセンス契約に基づくライセンス料名下に被控訴人から控訴人会社に対し1490万8300円を支払わせた行為が、控訴人らの共同不法行為に該当する旨主張して、控訴人らに対し、民法719条1項に基づき、同額の損害賠償金及びこれに対する訴状送達の日の翌日(控訴人Xにつき令和元年5月10日、控訴人会社につき同月22日)から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法所定(以下「改正前民法所定」という。)の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求める事案である。
また、本件の反訴は、控訴人会社が、被控訴人に対し、控訴人会社と被控訴人間の本件ソフトウェアに係るライセンス契約に基づく未払ライセンス料として596万4187円及びこれに対する反訴状送達の日の翌日(令和元年10月10日)から支払済みまで商事法定利率年6分(平成29年法律第45号による改正前の商法514条)の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
原審は、被控訴人の本訴請求をいずれも認容し、控訴人会社の反訴請求を棄却した。
控訴人らは、原判決を不服として控訴を提起し、控訴人会社は、当審において、主位的に、控訴人会社が本件初期システム及び本件最新システムの著作権を有することの確認を求め、予備的に、本件初期システムの著作権を有することの確認を求める反訴請求を追加した。』
(2頁以下)
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■判決内容
<争点>
1 被控訴人の本件著作権の取得原因
本件著作権の帰属について、結論として原審の判断が維持(本件初期システム及び本件最新システムの著作権は、被控訴人に帰属)されています(14頁以下)。
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2 控訴人会社と被控訴人間の本件販売契約に基づく本件著作権の譲渡の有無
結論として、本件販売契約に基づく著作権の譲渡は認められず、本件著作権は被控訴人に帰属しているとの判断が控訴審でも維持されています(18頁以下)。
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3 控訴人らの共同不法行為の成否及び被控訴人の損害額
本件販売契約の利益相反取引該当性や被控訴人の株主全員による事後的な同意の有無、損害額といった争点について、控訴審は原審の判断(共同不法行為の成立、損害額)を維持しています(19頁以下)。
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4 控訴人会社の本件著作権の取得原因(反訴関係)
本件著作権は被控訴人に帰属していると認められ、控訴人会社が本件著作権を有するものとは認められないとして、控訴審は、控訴人会社の本件著作権の確認請求(主位的請求及び予備的請求)は、いずれも理由がないと判断しています(21頁以下)。
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5 控訴人会社の本件販売契約に基づく未払ライセンス料請求権の有無(反訴関係)
本件販売契約は無効であり、被控訴人が控訴人会社に対して、本件販売契約に基づいてライセンス料の支払義務を負うものと認めることはできないとして、控訴人会社の被控訴人に対する本件販売契約に基づく未払ライセンス料の請求は理由がない、と控訴審は判断しています(22頁)。
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■コメント
控訴審でも原審の判断が維持されています。
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■過去のブログ記事
大阪地裁令和3.7.29平成31(ワ)3368等損害賠償請求事件
原審記事
段ボール製造業者向け生産総合管理システム開発契約事件(控訴審)
知財高裁令和4.4.28令和3(ネ)10076損害賠償請求控訴事件・ライセンス料支払請求反訴控訴事件PDF
知的財産高等裁判所第1部
裁判長裁判官 大鷹一郎
裁判官 小川卓逸
裁判官 小林康彦
*裁判所サイト公表 2022.5.10
*キーワード:ソフトウェア、開発契約、著作権の帰属、販売契約、ライセンス契約、利益相反行為
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■事案
段ボール製造業者向け生産総合管理システムの開発、利用を巡り著作権の帰属などが争点となった事案の控訴審
控訴人(1審被告) :ソフト開発会社、X
被控訴人(1審原告):ソフト開発会社
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■結論
控訴棄却、控訴人会社反訴棄却
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■争点
条文 会社法356条1項2号
1 被控訴人の本件著作権の取得原因
2 控訴人会社と被控訴人間の本件販売契約に基づく本件著作権の譲渡の有無
3 控訴人らの共同不法行為の成否及び被控訴人の損害額
4 控訴人会社の本件著作権の取得原因(反訴関係)
5 控訴人会社の本件販売契約に基づく未払ライセンス料請求権の有無(反訴関係)
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■事案の概要
『本件の本訴は、被控訴人が、「SeePlan(シープラン)」と称する段ボール生産総合管理システムのソフトウェア(以下「本件ソフトウェア」という。)の「バージョン Ver.1.00」である別紙物件目録記載(イ)のソフトウェア(以下「本件初期システム」という。)及びその「バージョン Ver.3.02」である同目録記載(ロ)のソフトウェア(以下「本件最新システム」という。)の著作権(以下「本件著作権」という場合がある。)が被控訴人に帰属する旨主張して、その著作権を有することの確認を求めるとともに、被控訴人の代表者取締役であった控訴人Xが、その在職中に、控訴人会社と被控訴人間の本件ソフトウェアに係るライセンス契約に基づくライセンス料名下に被控訴人から控訴人会社に対し1490万8300円を支払わせた行為が、控訴人らの共同不法行為に該当する旨主張して、控訴人らに対し、民法719条1項に基づき、同額の損害賠償金及びこれに対する訴状送達の日の翌日(控訴人Xにつき令和元年5月10日、控訴人会社につき同月22日)から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法所定(以下「改正前民法所定」という。)の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求める事案である。
また、本件の反訴は、控訴人会社が、被控訴人に対し、控訴人会社と被控訴人間の本件ソフトウェアに係るライセンス契約に基づく未払ライセンス料として596万4187円及びこれに対する反訴状送達の日の翌日(令和元年10月10日)から支払済みまで商事法定利率年6分(平成29年法律第45号による改正前の商法514条)の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
原審は、被控訴人の本訴請求をいずれも認容し、控訴人会社の反訴請求を棄却した。
控訴人らは、原判決を不服として控訴を提起し、控訴人会社は、当審において、主位的に、控訴人会社が本件初期システム及び本件最新システムの著作権を有することの確認を求め、予備的に、本件初期システムの著作権を有することの確認を求める反訴請求を追加した。』
(2頁以下)
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■判決内容
<争点>
1 被控訴人の本件著作権の取得原因
本件著作権の帰属について、結論として原審の判断が維持(本件初期システム及び本件最新システムの著作権は、被控訴人に帰属)されています(14頁以下)。
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2 控訴人会社と被控訴人間の本件販売契約に基づく本件著作権の譲渡の有無
結論として、本件販売契約に基づく著作権の譲渡は認められず、本件著作権は被控訴人に帰属しているとの判断が控訴審でも維持されています(18頁以下)。
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3 控訴人らの共同不法行為の成否及び被控訴人の損害額
本件販売契約の利益相反取引該当性や被控訴人の株主全員による事後的な同意の有無、損害額といった争点について、控訴審は原審の判断(共同不法行為の成立、損害額)を維持しています(19頁以下)。
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4 控訴人会社の本件著作権の取得原因(反訴関係)
本件著作権は被控訴人に帰属していると認められ、控訴人会社が本件著作権を有するものとは認められないとして、控訴審は、控訴人会社の本件著作権の確認請求(主位的請求及び予備的請求)は、いずれも理由がないと判断しています(21頁以下)。
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5 控訴人会社の本件販売契約に基づく未払ライセンス料請求権の有無(反訴関係)
本件販売契約は無効であり、被控訴人が控訴人会社に対して、本件販売契約に基づいてライセンス料の支払義務を負うものと認めることはできないとして、控訴人会社の被控訴人に対する本件販売契約に基づく未払ライセンス料の請求は理由がない、と控訴審は判断しています(22頁)。
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■コメント
控訴審でも原審の判断が維持されています。
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■過去のブログ記事
大阪地裁令和3.7.29平成31(ワ)3368等損害賠償請求事件
原審記事