最高裁判所HP 知的財産裁判例集より
夜景写真事件(対NTTレゾナント等)
東京地裁令和4.1.19令和3(ワ)21245発信者情報開示請求事件PDF
東京地方裁判所民事第40部
裁判長裁判官 中島基至
裁判官 吉野俊太郎
裁判官 齊藤 敦
*裁判所サイト公表 2022.4.27
*キーワード:著作権者、発信者情報開示請求、引用、Exif情報
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■事案
夜景写真の無断使用に関する発信者情報開示請求事案
原告:写真家
被告:プロバイダら4社
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■結論
請求認容
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■争点
条文 著作権法21条、23条、32条、プロバイダ責任制限法4条1項
1 本件発信者1及び2に係る権利侵害の明白性
2 本件発信者5に係る権利侵害の明白性
3 本件発信者6に係る権利侵害の明白性
4 本件発信者7に係る権利侵害の明白性
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■事案の概要
『本件は,写真家である原告が,被告らに対し,氏名不詳者らがそれぞれ,被告らの各運営するインターネット上のサービスに写真を掲載し,原告が著作権を有する各写真に係る著作権(複製権及び公衆送信権)を侵害していると主張して,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下,単に「法」という。)4条1項の規定に基づき,それぞれ対応する発信者情報の開示を求める事案である。
なお,以下,当事者が使用する表記に従い,前記氏名不詳者らを「本件発信者1」ないし「本件発信者7」という。ただし,「本件発信者3」及び「本件発信者4」に係る分離前相被告株式会社メルカリに対する請求についての訴訟は,和解により終了したため,これらの者は,本判決上の対象外となる。』
(2頁以下)
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■判決内容
<争点>
1 本件発信者1及び2に係る権利侵害の明白性
2 本件発信者5に係る権利侵害の明白性
3 本件発信者6に係る権利侵害の明白性
4 本件発信者7に係る権利侵害の明白性
被告らは、写真作品の著作物性や原告の著作権者性、また、引用の成立などを主張しました。
裁判所は、こうした被告らの主張を容れず、本件発信者1、2及び5ないし7がインターネット上に当該画像を掲載等したことによって、当該画像に対する原告の著作権(複製権及び公衆送信権)が侵害されたことは明らかであると判断しています(8頁以下)。
結論として、プロバイダ責任制限法4条1項に基づく原告の主張が認容されています。
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■コメント
夜景写真家岩崎拓哉さんが提訴された発信者情報開示請求事案となります。
岩崎さんからは、判決文のデータをいただいていて、その別紙部分には東京タワーの夜景写真など、岩崎さんのどのような作品が無断使用されたのかが分かります。
岩崎さんは、画像の無断使用に対して労力を掛けて対応をされておいでで、その知見の積み重ねが、多くの写真家にとって参考になると思われます。
今回の判決の意義としては、以下のようなコメントを岩崎さんからお伝えいただいています。
「侵害された画像の著作権者である証拠として、
カメラのシリアルナンバー(機番)で立証できた判例ができました。
(判決文のP10〜11)
画像データのExif情報とカメラのシリアルナンバーが記載された
保証書等を提出することによって、認められました。」
「著作権侵害に対する発信者情報開示請求の訴訟提起をする際、
私が写真の著作権者であることを主張してもプロバイダ側が
争ってくるケースが多く、これまではクレジット表記を埋め込む前の画像を
証拠として提出するだけで認められてきました。
ただ、画像データのExif情報にあるシリアルナンバーと、
シリアルナンバーが記載された保証書等を追加提出したことで信憑性が高まり、
証拠として評価されたことに一定の価値があると考えています。
なお、保証書を保有していないケースでは、カメラの修理票などに
シリアルナンバーが記載されていれば、証拠としても有用だと思います。」
自分の著作物であることを証明することの労力、また、証拠の残し方について示唆をいただいています。
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裁判長裁判官 中島基至
裁判官 吉野俊太郎
裁判官 齊藤 敦
*裁判所サイト公表 2022.4.27
*キーワード:著作権者、発信者情報開示請求、引用、Exif情報
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■事案
夜景写真の無断使用に関する発信者情報開示請求事案
原告:写真家
被告:プロバイダら4社
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■結論
請求認容
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■争点
条文 著作権法21条、23条、32条、プロバイダ責任制限法4条1項
1 本件発信者1及び2に係る権利侵害の明白性
2 本件発信者5に係る権利侵害の明白性
3 本件発信者6に係る権利侵害の明白性
4 本件発信者7に係る権利侵害の明白性
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■事案の概要
『本件は,写真家である原告が,被告らに対し,氏名不詳者らがそれぞれ,被告らの各運営するインターネット上のサービスに写真を掲載し,原告が著作権を有する各写真に係る著作権(複製権及び公衆送信権)を侵害していると主張して,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下,単に「法」という。)4条1項の規定に基づき,それぞれ対応する発信者情報の開示を求める事案である。
なお,以下,当事者が使用する表記に従い,前記氏名不詳者らを「本件発信者1」ないし「本件発信者7」という。ただし,「本件発信者3」及び「本件発信者4」に係る分離前相被告株式会社メルカリに対する請求についての訴訟は,和解により終了したため,これらの者は,本判決上の対象外となる。』
(2頁以下)
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■判決内容
<争点>
1 本件発信者1及び2に係る権利侵害の明白性
2 本件発信者5に係る権利侵害の明白性
3 本件発信者6に係る権利侵害の明白性
4 本件発信者7に係る権利侵害の明白性
被告らは、写真作品の著作物性や原告の著作権者性、また、引用の成立などを主張しました。
裁判所は、こうした被告らの主張を容れず、本件発信者1、2及び5ないし7がインターネット上に当該画像を掲載等したことによって、当該画像に対する原告の著作権(複製権及び公衆送信権)が侵害されたことは明らかであると判断しています(8頁以下)。
結論として、プロバイダ責任制限法4条1項に基づく原告の主張が認容されています。
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■コメント
夜景写真家岩崎拓哉さんが提訴された発信者情報開示請求事案となります。
岩崎さんからは、判決文のデータをいただいていて、その別紙部分には東京タワーの夜景写真など、岩崎さんのどのような作品が無断使用されたのかが分かります。
岩崎さんは、画像の無断使用に対して労力を掛けて対応をされておいでで、その知見の積み重ねが、多くの写真家にとって参考になると思われます。
今回の判決の意義としては、以下のようなコメントを岩崎さんからお伝えいただいています。
「侵害された画像の著作権者である証拠として、
カメラのシリアルナンバー(機番)で立証できた判例ができました。
(判決文のP10〜11)
画像データのExif情報とカメラのシリアルナンバーが記載された
保証書等を提出することによって、認められました。」
「著作権侵害に対する発信者情報開示請求の訴訟提起をする際、
私が写真の著作権者であることを主張してもプロバイダ側が
争ってくるケースが多く、これまではクレジット表記を埋め込む前の画像を
証拠として提出するだけで認められてきました。
ただ、画像データのExif情報にあるシリアルナンバーと、
シリアルナンバーが記載された保証書等を追加提出したことで信憑性が高まり、
証拠として評価されたことに一定の価値があると考えています。
なお、保証書を保有していないケースでは、カメラの修理票などに
シリアルナンバーが記載されていれば、証拠としても有用だと思います。」
自分の著作物であることを証明することの労力、また、証拠の残し方について示唆をいただいています。
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