最高裁判所HP 知的財産裁判例集より
日テレ番組投稿画像事件
大阪地裁令和4.1.27令和2(ワ)11834損害賠償等請求事件PDF
別紙
大阪地方裁判所第26民事部
裁判長裁判官 杉浦正樹
裁判官 杉浦一輝
裁判官 布目真利子
*裁判所サイト公表 2022.2.18
*キーワード:イラスト、画像、調査、制作会社、注意義務、共同不法行為
--------------------
■事案
他人が無断でテレビ番組に画像を投稿した事案
原告:イラストレーター
被告:個人
--------------------
■結論
請求一部認容
--------------------
■争点
条文 著作権法19条、21条、23条
1 著作権及び著作者人格権の侵害
2 損害額
--------------------
■事案の概要
『本件は,イラストレーターである原告が,自己の著作物である別紙原告イラスト目録記載のイラスト(以下「本件イラスト」という。)を被告が無断で複製した上,原告のペンネームとは異なる著作者名によりテレビ番組の企画に応募するなどし,同番組において上記著作者名を表示して本件イラストが放送されたことにより,本件イラストに係る原告の著作権(複製権,公衆送信権)及び著作者人格権(氏名表示権)が侵害されたとして,被告に対し,著作権に基づく本件イラストの複製及び譲渡の差止め(著作権法112条1項)並びに本件イラストの画像データ(以下「本件データ」という。)の廃棄(同条2項)を求めると共に,上記番組に係る放送局及び番組制作会社との共同不法行為(民法719条1項)に基づく1202万8000円の損害賠償並びにこれに対する不法行為の日である令和2年4月26日から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。』
<経緯>
H28.06 原告が本件イラストをツイッターに投稿
H28.10 原告がイラスト集を出版
R01.09 原告が「コンビニプリント」へ本件イラスト提供
R01.12 日テレが絵画投稿サイト設置。被告が本件イラストを投稿
R02.04 番組で放送
--------------------
■判決内容
<争点>
1 著作権及び著作者人格権の侵害
裁判所は、被告の行為について、過失が認められ、本件イラストに係る原告の著作権(複製権)及び著作者人格権(氏名表示権)侵害の不法行為と認められると判断。被告には放送会社及び制作会社と共に著作権(複製権、公衆送信権)及び著作者人格権(氏名表示権)侵害の共同不法行為が成立すると判断しています(8頁以下)。
--------------------
2 損害額
(1)著作者人格権(氏名表示権)侵害による損害額 30万円
(2)著作権侵害に関する損害額 1万円
(3)弁護士費用相当額損害 3万円
合計 34万円
--------------------
■コメント
番組制作会社が応募画像について、「画商に著名作品の盗作でないことを確認すると共に,被告に対して電話で筆名の確認等をしたものの,それ以上に,本件イラストの著作者につき,インターネット上での画像検索その他の方法による確認・調査を行わなかった。」(3頁)ということで、本件訴訟の当事者ではありませんが、共同不法行為の成立が認められています。
(原告のツイートを読むと、日テレ、制作会社については提訴後、和解のようです。)
クリエイター発掘という番組の性質上、画商のチェックが入った事案ですが、そこはともかくとして、デザイン系の制作業務では納品物の取り扱いについては、ネット画像検索程度の調査は、受領者(発注者)側の検収作業としてデフォルトの作業と今日的には考えたほうが、もう良いのかもしれません。
--------------------
■参考サイト
「日テレ、「盗作」気付かず謝罪 一年半越しに訂正...被害の作家「納得のいく結果」」(2021年12月13日15時37分) J-CASTニュース 記事
YUNOKI@コミティア欠席ツイート(午後9:53 2021年12月12日)
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日テレ番組投稿画像事件
大阪地裁令和4.1.27令和2(ワ)11834損害賠償等請求事件PDF
別紙
大阪地方裁判所第26民事部
裁判長裁判官 杉浦正樹
裁判官 杉浦一輝
裁判官 布目真利子
*裁判所サイト公表 2022.2.18
*キーワード:イラスト、画像、調査、制作会社、注意義務、共同不法行為
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■事案
他人が無断でテレビ番組に画像を投稿した事案
原告:イラストレーター
被告:個人
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■結論
請求一部認容
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■争点
条文 著作権法19条、21条、23条
1 著作権及び著作者人格権の侵害
2 損害額
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■事案の概要
『本件は,イラストレーターである原告が,自己の著作物である別紙原告イラスト目録記載のイラスト(以下「本件イラスト」という。)を被告が無断で複製した上,原告のペンネームとは異なる著作者名によりテレビ番組の企画に応募するなどし,同番組において上記著作者名を表示して本件イラストが放送されたことにより,本件イラストに係る原告の著作権(複製権,公衆送信権)及び著作者人格権(氏名表示権)が侵害されたとして,被告に対し,著作権に基づく本件イラストの複製及び譲渡の差止め(著作権法112条1項)並びに本件イラストの画像データ(以下「本件データ」という。)の廃棄(同条2項)を求めると共に,上記番組に係る放送局及び番組制作会社との共同不法行為(民法719条1項)に基づく1202万8000円の損害賠償並びにこれに対する不法行為の日である令和2年4月26日から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。』
<経緯>
H28.06 原告が本件イラストをツイッターに投稿
H28.10 原告がイラスト集を出版
R01.09 原告が「コンビニプリント」へ本件イラスト提供
R01.12 日テレが絵画投稿サイト設置。被告が本件イラストを投稿
R02.04 番組で放送
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■判決内容
<争点>
1 著作権及び著作者人格権の侵害
裁判所は、被告の行為について、過失が認められ、本件イラストに係る原告の著作権(複製権)及び著作者人格権(氏名表示権)侵害の不法行為と認められると判断。被告には放送会社及び制作会社と共に著作権(複製権、公衆送信権)及び著作者人格権(氏名表示権)侵害の共同不法行為が成立すると判断しています(8頁以下)。
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2 損害額
(1)著作者人格権(氏名表示権)侵害による損害額 30万円
(2)著作権侵害に関する損害額 1万円
(3)弁護士費用相当額損害 3万円
合計 34万円
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■コメント
番組制作会社が応募画像について、「画商に著名作品の盗作でないことを確認すると共に,被告に対して電話で筆名の確認等をしたものの,それ以上に,本件イラストの著作者につき,インターネット上での画像検索その他の方法による確認・調査を行わなかった。」(3頁)ということで、本件訴訟の当事者ではありませんが、共同不法行為の成立が認められています。
(原告のツイートを読むと、日テレ、制作会社については提訴後、和解のようです。)
クリエイター発掘という番組の性質上、画商のチェックが入った事案ですが、そこはともかくとして、デザイン系の制作業務では納品物の取り扱いについては、ネット画像検索程度の調査は、受領者(発注者)側の検収作業としてデフォルトの作業と今日的には考えたほうが、もう良いのかもしれません。
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■参考サイト
「日テレ、「盗作」気付かず謝罪 一年半越しに訂正...被害の作家「納得のいく結果」」(2021年12月13日15時37分) J-CASTニュース 記事
YUNOKI@コミティア欠席ツイート(午後9:53 2021年12月12日)
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