最高裁判所HP 知的財産裁判例集より
結婚式写真無断配信事
東京地裁令和2.10.23令和2(ワ)1667著作権侵害損害賠償請求事件PDF
東京地方裁判所民事第46部
裁判長裁判官 柴田義明
裁判官 棚井 啓
裁判官 佐藤雅浩
*裁判所サイト公表 2020.10.28
*キーワード:写真、著作物性、過失、損害論
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■事案
結婚式に関係する写真を無断でサイトに掲載した事案
原告:結婚式カメラマン
被告:情報サービス会社
--------------------
■結論
請求一部認容
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■争点
条文 著作権法2条1項1号、19条、21条、23条、114条3項
1 公衆送信権侵害及び氏名表示権侵害の肯否
2 被告の故意又は過失
3 損害額
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■事案の概要
『本件は,原告が,被告の管理するウェブサイトに原告が撮影した写真が掲載され公衆送信権及び氏名表示権が侵害されたなどと主張して,被告に対し,不法行為に基づき,損害賠償金144万円及びこれに対する不法行為の後の日である令和2年2月15日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前のもの。以下同じ。)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。』
(1頁以下)
<経緯>
H23.03 原告が本件写真1撮影、ブログに掲載
H24.10 原告が本件写真2撮影、ブログに掲載
H27.03 本件サイトに本件写真1掲載
H27.05 本件サイトに本件写真2掲載
H28.01 被告が訴外Bから本件サイトの使用権限を取得
H30.12 原告が被告に通知
R02.01 本訴提起
R02.02 被告が本件各写真を削除
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■判決内容
<争点>
1 公衆送信権侵害及び氏名表示権侵害の肯否
(1)本件各写真の著作物性
本件各写真は、結婚式場における新郎新婦及びその家族の姿(本件写真1)、テーブルコーディネート(本件写真2)を被写体としたものでした。
裁判所は、これらの写真について、著作物性(著作権法2条1項1号、10条1項8号)を肯定しています(7頁以下)。
(2)公衆送信権侵害及び氏名表示権侵害の肯否
被告は、遅くとも平成30年12月5日頃までには原告の公衆送信権(著作権法23条1項)及び氏名表示権(著作権法19条1項)を侵害したと認めることができると裁判所は判断しています(8頁以下)。
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2 被告の故意又は過失
被告は、本件各写真を含めた写真をインターネット上で公開する以上、その著作権又は著作者人格権を侵害していないことについて調査、確認する義務があるところ、被告は本件各写真が著作権、著作者人格権を侵害していないかについて調査、確認をせずに本件各写真をインターネット上に公開して公衆送信等しているとして、裁判所は、被告には少なくとも過失があったといえると判断しています(9頁以下)。
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3 損害額
協同組合日本写真家ユニオン作成の使用料規程を斟酌したうえで、公衆送信権侵害に関する損害額を本件各写真1枚当たり4万円と認定(114条3項)。
また、氏名表示権侵害については、慰謝料として4万円を認定。弁護士費用相当額損害2万円と併せ、14万円を損害額として認定しています(10頁以下)。
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■コメント
結婚式を専門に撮影するカメラマンが原告の事案です。画像が判決文に添付されていないので具体的な内容はわかりませんが、本件写真1は、結婚式場において新郎新婦及びその家族の姿を撮影したもので、無断転載はまったくもって許されないところで、サイトを他者から引き継いだにしろ、サイト管理者としての注意義務違反は免れないものとなります。
結婚式写真無断配信事
東京地裁令和2.10.23令和2(ワ)1667著作権侵害損害賠償請求事件PDF
東京地方裁判所民事第46部
裁判長裁判官 柴田義明
裁判官 棚井 啓
裁判官 佐藤雅浩
*裁判所サイト公表 2020.10.28
*キーワード:写真、著作物性、過失、損害論
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■事案
結婚式に関係する写真を無断でサイトに掲載した事案
原告:結婚式カメラマン
被告:情報サービス会社
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■結論
請求一部認容
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■争点
条文 著作権法2条1項1号、19条、21条、23条、114条3項
1 公衆送信権侵害及び氏名表示権侵害の肯否
2 被告の故意又は過失
3 損害額
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■事案の概要
『本件は,原告が,被告の管理するウェブサイトに原告が撮影した写真が掲載され公衆送信権及び氏名表示権が侵害されたなどと主張して,被告に対し,不法行為に基づき,損害賠償金144万円及びこれに対する不法行為の後の日である令和2年2月15日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前のもの。以下同じ。)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。』
(1頁以下)
<経緯>
H23.03 原告が本件写真1撮影、ブログに掲載
H24.10 原告が本件写真2撮影、ブログに掲載
H27.03 本件サイトに本件写真1掲載
H27.05 本件サイトに本件写真2掲載
H28.01 被告が訴外Bから本件サイトの使用権限を取得
H30.12 原告が被告に通知
R02.01 本訴提起
R02.02 被告が本件各写真を削除
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■判決内容
<争点>
1 公衆送信権侵害及び氏名表示権侵害の肯否
(1)本件各写真の著作物性
本件各写真は、結婚式場における新郎新婦及びその家族の姿(本件写真1)、テーブルコーディネート(本件写真2)を被写体としたものでした。
裁判所は、これらの写真について、著作物性(著作権法2条1項1号、10条1項8号)を肯定しています(7頁以下)。
(2)公衆送信権侵害及び氏名表示権侵害の肯否
被告は、遅くとも平成30年12月5日頃までには原告の公衆送信権(著作権法23条1項)及び氏名表示権(著作権法19条1項)を侵害したと認めることができると裁判所は判断しています(8頁以下)。
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2 被告の故意又は過失
被告は、本件各写真を含めた写真をインターネット上で公開する以上、その著作権又は著作者人格権を侵害していないことについて調査、確認する義務があるところ、被告は本件各写真が著作権、著作者人格権を侵害していないかについて調査、確認をせずに本件各写真をインターネット上に公開して公衆送信等しているとして、裁判所は、被告には少なくとも過失があったといえると判断しています(9頁以下)。
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3 損害額
協同組合日本写真家ユニオン作成の使用料規程を斟酌したうえで、公衆送信権侵害に関する損害額を本件各写真1枚当たり4万円と認定(114条3項)。
また、氏名表示権侵害については、慰謝料として4万円を認定。弁護士費用相当額損害2万円と併せ、14万円を損害額として認定しています(10頁以下)。
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■コメント
結婚式を専門に撮影するカメラマンが原告の事案です。画像が判決文に添付されていないので具体的な内容はわかりませんが、本件写真1は、結婚式場において新郎新婦及びその家族の姿を撮影したもので、無断転載はまったくもって許されないところで、サイトを他者から引き継いだにしろ、サイト管理者としての注意義務違反は免れないものとなります。