最高裁判所HP 知的財産裁判例集より
報道写真発信者情報開示請求事件2
東京地裁令和1.7.30平成31(ワ)8400発信者情報開示請求事件PDF
別紙1
東京地方裁判所民事第47部
裁判長裁判官 田中孝一
裁判官 奥 俊彦
裁判官 本井修平
*裁判所サイト公表 2019.8.7
*キーワード:写真、著作物性、法人著作、引用
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■事案
聖教新聞掲載の画像が無断でウェブサイトに掲載されたことから発信者情報開示請求がされた事案
原告:宗教法人
被告:プロバイダ
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■結論
請求認容
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■争点
条文 著作権法2条1項1号、15条、32条、プロバイダ責任制限法4条1項
1 本件写真の著作物性
2 本件写真の著作者が原告であること
3 著作権法32条1項の引用が成立しないこと
4 発信者情報の開示を受けるべき正当な理由の有無
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■事案の概要
『本件は,原告が,被告の提供するインターネット接続サービスを介してインターネット上のウェブサイトに投稿された別紙投稿記事目録記載の投稿記事(以下「本件記事」という。)中の写真は,原告が著作権を有する別紙写真目録の写真(以下「本件写真」という。)と実質的に同一のものであるから,本件記事を投稿した行為は本件写真に係る原告の著作権(公衆送信権)を侵害するものであることが明らかであるとして,経由プロバイダである被告に対し,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「法」という。)4条1項に基づき,本件記事の投稿に関する別紙発信者情報目録記載の情報(以下「本件発信者情報」という。)の開示を求める事案である。』
(1頁以下)
<経緯>
H30.11 Aが本件写真を撮影、聖教新聞に掲載
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■判決内容
<争点>
1 本件写真の著作物性
本件写真の著作物性(著作権法2条1項1号)について、裁判所は、「本件写真は世界広布新時代第39回本部幹部会の様子を撮影したものであるところ,講演者とともに,参加者及び会場のおおむね全体が写るように講演者の斜め後方から撮影されており,被写体の選択,構図,カメラアングル等に撮影したAの個性が表れているものと認められる。したがって,本件写真は思想又は感情を創作的に表現したものとして,その著作物性が肯定できるものというべきである。」として肯定しています(5頁)。
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2 本件写真の著作者が原告であること
本件写真は、原告の発意に基づき、原告の業務に従事する者が職務上作成した著作物であって原告が自己の著作の名義の下に公表したものと認められ、原告の就業規則に別段の定めもないことから、著作権法15条1項に基づき本件写真の著作者は原告であると裁判所は判断しています(5頁)。
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3 著作権法32条1項の引用が成立しないこと
被告は引用の成立を主張しましたが、裁判所は、投稿者の主張、意見が判然とせず、本件写真を引用する必要性が認められないとして、引用の成立を否定しています(6頁以下)。
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4 発信者情報の開示を受けるべき正当な理由の有無
本件記事の投稿によって本件写真に係る原告の公衆送信権が侵害されたことは明らかであり、また、原告が本件記事の投稿者に対する損害賠償請求等を行うために被告に対して本件発信者情報の開示を求めることには正当な理由があると裁判所は判断(6頁以下)。
結論として、原告の請求を認容しています。
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■コメント
類似の発信者情報開示請求事案に関する別の法廷での判断となります。
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東京地裁令和1.5.17平成30(ワ)6060発信者情報開示請求事件
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別紙1
東京地方裁判所民事第47部
裁判長裁判官 田中孝一
裁判官 奥 俊彦
裁判官 本井修平
*裁判所サイト公表 2019.8.7
*キーワード:写真、著作物性、法人著作、引用
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■事案
聖教新聞掲載の画像が無断でウェブサイトに掲載されたことから発信者情報開示請求がされた事案
原告:宗教法人
被告:プロバイダ
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■結論
請求認容
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■争点
条文 著作権法2条1項1号、15条、32条、プロバイダ責任制限法4条1項
1 本件写真の著作物性
2 本件写真の著作者が原告であること
3 著作権法32条1項の引用が成立しないこと
4 発信者情報の開示を受けるべき正当な理由の有無
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■事案の概要
『本件は,原告が,被告の提供するインターネット接続サービスを介してインターネット上のウェブサイトに投稿された別紙投稿記事目録記載の投稿記事(以下「本件記事」という。)中の写真は,原告が著作権を有する別紙写真目録の写真(以下「本件写真」という。)と実質的に同一のものであるから,本件記事を投稿した行為は本件写真に係る原告の著作権(公衆送信権)を侵害するものであることが明らかであるとして,経由プロバイダである被告に対し,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「法」という。)4条1項に基づき,本件記事の投稿に関する別紙発信者情報目録記載の情報(以下「本件発信者情報」という。)の開示を求める事案である。』
(1頁以下)
<経緯>
H30.11 Aが本件写真を撮影、聖教新聞に掲載
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■判決内容
<争点>
1 本件写真の著作物性
本件写真の著作物性(著作権法2条1項1号)について、裁判所は、「本件写真は世界広布新時代第39回本部幹部会の様子を撮影したものであるところ,講演者とともに,参加者及び会場のおおむね全体が写るように講演者の斜め後方から撮影されており,被写体の選択,構図,カメラアングル等に撮影したAの個性が表れているものと認められる。したがって,本件写真は思想又は感情を創作的に表現したものとして,その著作物性が肯定できるものというべきである。」として肯定しています(5頁)。
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2 本件写真の著作者が原告であること
本件写真は、原告の発意に基づき、原告の業務に従事する者が職務上作成した著作物であって原告が自己の著作の名義の下に公表したものと認められ、原告の就業規則に別段の定めもないことから、著作権法15条1項に基づき本件写真の著作者は原告であると裁判所は判断しています(5頁)。
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3 著作権法32条1項の引用が成立しないこと
被告は引用の成立を主張しましたが、裁判所は、投稿者の主張、意見が判然とせず、本件写真を引用する必要性が認められないとして、引用の成立を否定しています(6頁以下)。
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4 発信者情報の開示を受けるべき正当な理由の有無
本件記事の投稿によって本件写真に係る原告の公衆送信権が侵害されたことは明らかであり、また、原告が本件記事の投稿者に対する損害賠償請求等を行うために被告に対して本件発信者情報の開示を求めることには正当な理由があると裁判所は判断(6頁以下)。
結論として、原告の請求を認容しています。
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■コメント
類似の発信者情報開示請求事案に関する別の法廷での判断となります。
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