最高裁判所HP 知的財産裁判例集より
「壁ドン」イラスト無断使用事件(別件)
東京地裁平成30.9.13平成30(ワ)12524損害賠償請求事件PDF
東京地方裁判所民事第46部
裁判長裁判官 柴田義明
裁判官 安岡美香子
裁判官 佐藤雅浩
*裁判所サイト公表 2018.10.3
*キーワード:壁ドン、イラスト、送信可能化権、損害論
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■事案
イラストが無断でサイトに転載された事案
原告:イラストレーター
被告:ウェブサイト運営者
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■結論
請求一部認容
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■争点
条文 著作権法23条、114条3項
1 本件各イラストの著作権者が原告であるか否か
2 原告が許可していたか
3 被告が本件記事の投稿について不法行為責任を負うか
4 損害論
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■事案の概要
『本件は,原告が,被告に対し,原告が著作権を有するイラスト3点を被告がその運営するウェブサイトに掲載した行為は上記各イラストについての原告の送信可能化権(著作権法23条1項)を侵害するものであると主張して,送信可能化権侵害の不法行為に基づき,著作権法114条3項により損害賠償金及び遅延損害金の支払を求める事案である。』
(1頁以下)
<経緯>
H22.12 原告が集英社第11回ウルトラ漫画賞受賞
H26.07 Bツイッターアカウントにイラスト3点(本件各イラスト)掲載
H26.08 本件サイトで本件記事中に本件各イラスト転載
H29.06 原告が被告に削除と9万円支払い請求
H29.10 原告が東京簡裁に提訴。30万支払い和解に代わる決定。被告が異議申し立て
H30.04 東京地裁に移送
本件サイト:「ニュースちゃんねる」
本件記事:「【壁ドン】男子必見!「色々な壁ドン」をご紹介(※画像あり)」
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■判決内容
<争点>
1 本件各イラストの著作権者が原告であるか否か
本件各イラストの著作権者は原告であると裁判所は認定しています(8頁)。
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2 原告が許可していたか
被告は、本件各イラストを原告がツイッター上に公開したことによって、ツイッター利用規約に基づいて第三者による公表等を許可したことになる、として被告の行為は原告の著作権を侵害しないと反論しましたが、裁判所は認めていません(8頁以下)。
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3 被告が本件記事の投稿について不法行為責任を負うか
被告は、本件サイトのサポートを行っているだけであり、本件記事等の作成や投稿を一切行っていないと反論しました。
この点について、裁判所は、被告は形式的にも実質的にも本件サイトの運営において重要な役割を担っていたとして、本件記事の投稿等について、共同不法行為に基づく法的責任を負うと判断。被告の反論を認めていません(9頁以下)。
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4 損害論
イラスト1点につき1年当たりの使用料3万円×3点×掲載期間3年分の合計27万円と弁護士費用相当額損害3万円の合計30万円が損害額として認定されています(10頁以下)。
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■コメント
「壁ドン」イラスト無断掲載訴訟ですが、同一原告による「ガールズVIPまとめ」サイトに掲載された別案件があります。別訴でも30万円の損害額が認定されています。
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■過去のブログ記事
「壁ドン」イラスト無断使用事件
東京地裁平成30.6.7平成29(ワ)39658損害賠償請求事件
2018年07月09日記事
「壁ドン」イラスト無断使用事件(別件)
東京地裁平成30.9.13平成30(ワ)12524損害賠償請求事件PDF
東京地方裁判所民事第46部
裁判長裁判官 柴田義明
裁判官 安岡美香子
裁判官 佐藤雅浩
*裁判所サイト公表 2018.10.3
*キーワード:壁ドン、イラスト、送信可能化権、損害論
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■事案
イラストが無断でサイトに転載された事案
原告:イラストレーター
被告:ウェブサイト運営者
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■結論
請求一部認容
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■争点
条文 著作権法23条、114条3項
1 本件各イラストの著作権者が原告であるか否か
2 原告が許可していたか
3 被告が本件記事の投稿について不法行為責任を負うか
4 損害論
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■事案の概要
『本件は,原告が,被告に対し,原告が著作権を有するイラスト3点を被告がその運営するウェブサイトに掲載した行為は上記各イラストについての原告の送信可能化権(著作権法23条1項)を侵害するものであると主張して,送信可能化権侵害の不法行為に基づき,著作権法114条3項により損害賠償金及び遅延損害金の支払を求める事案である。』
(1頁以下)
<経緯>
H22.12 原告が集英社第11回ウルトラ漫画賞受賞
H26.07 Bツイッターアカウントにイラスト3点(本件各イラスト)掲載
H26.08 本件サイトで本件記事中に本件各イラスト転載
H29.06 原告が被告に削除と9万円支払い請求
H29.10 原告が東京簡裁に提訴。30万支払い和解に代わる決定。被告が異議申し立て
H30.04 東京地裁に移送
本件サイト:「ニュースちゃんねる」
本件記事:「【壁ドン】男子必見!「色々な壁ドン」をご紹介(※画像あり)」
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■判決内容
<争点>
1 本件各イラストの著作権者が原告であるか否か
本件各イラストの著作権者は原告であると裁判所は認定しています(8頁)。
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2 原告が許可していたか
被告は、本件各イラストを原告がツイッター上に公開したことによって、ツイッター利用規約に基づいて第三者による公表等を許可したことになる、として被告の行為は原告の著作権を侵害しないと反論しましたが、裁判所は認めていません(8頁以下)。
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3 被告が本件記事の投稿について不法行為責任を負うか
被告は、本件サイトのサポートを行っているだけであり、本件記事等の作成や投稿を一切行っていないと反論しました。
この点について、裁判所は、被告は形式的にも実質的にも本件サイトの運営において重要な役割を担っていたとして、本件記事の投稿等について、共同不法行為に基づく法的責任を負うと判断。被告の反論を認めていません(9頁以下)。
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4 損害論
イラスト1点につき1年当たりの使用料3万円×3点×掲載期間3年分の合計27万円と弁護士費用相当額損害3万円の合計30万円が損害額として認定されています(10頁以下)。
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■コメント
「壁ドン」イラスト無断掲載訴訟ですが、同一原告による「ガールズVIPまとめ」サイトに掲載された別案件があります。別訴でも30万円の損害額が認定されています。
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■過去のブログ記事
「壁ドン」イラスト無断使用事件
東京地裁平成30.6.7平成29(ワ)39658損害賠償請求事件
2018年07月09日記事