最高裁判所HP 知的財産裁判例集より
かっぱえびせんキャッチフレーズ事件
東京地裁平成30.3.26平成29(ワ)25465著作者人格権確認等請求事件PDF
東京地方裁判所民事第29部
裁判長裁判官 嶋末和秀
裁判官 伊藤清隆
裁判官 天野研司
*裁判所サイト公表 2018.ー.ー
*キーワード:確認の利益、キャッチフレーズ
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■事案
広告キャッチフレーズの制作者の事実の確認等を巡って争われた事案
原告:個人
被告:食品会社
--------------------
■結論
請求却下、棄却
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■争点
条文 民法709条
1 原告が本件CMを制作した事実の確認を求める訴えは適法か
2 被告は原告に対し原告が本件キャッチフレーズを考えた本人であるとの事実を被告の社内報に掲載する旨を約したか
3 本件番組の放送及び本件新聞記事の掲載につき被告に名誉毀損の不法行為が成立するか
4 被告が本件各書面を原告に送付した行為につき侮辱の不法行為が成立するか
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■事案の概要
『本件は,原告が,(1)被告が製造し販売するスナック菓子「かっぱえびせん」の広告用に昭和39年に制作されたテレビコマーシャル(以下「本件CM」という。)は,当時株式会社大広(以下「大広」という。)の放送制作部に所属していた原告が制作したものであるとして,被告に対し,原告が本件CMを制作した事実の確認を求め,(2)被告は,原告との間で,原告がかっぱえびせんのキャッチフレーズである「やめられない,とまらない」のフレーズ(以下「本件キャッチフレーズ」という。)を考えた本人であるとの事実を被告の社内報に掲載することを約したのにこれを行っていないとして,被告に対し,被告の社内報及びホームページへの上記事実を記載した記事の掲載を求め,(3)被告は,毎日新聞及び日本テレビをして本件キャッチフレーズが被告の社内会議にて誕生した旨を報道させ,原告の名誉を毀損したとして,被告に対し,不法行為による損害賠償請求権に基づき,損害賠償金7500万円の支払を求め,(4)被告は,原告に対して複数の書面を送付し,原告を侮辱したとして,被告に対し,不法行為による損害賠償請求権に基づき,損害賠償金7500万円の支払を求めた事案である。』
(2頁)
<経緯>
H23 かっぱえびせん由来のテレビ再現ドラマ放送
H24 被告が原告に原告作成書面を返送
H26 被告と原告代表が面会
H28 かっぱえびせん由来の新聞記事掲載
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■判決内容
<争点>
1 原告が本件CMを制作した事実の確認を求める訴えは適法か
本件訴えのうち、原告が本件CMを制作した事実の確認を求める訴えは不適法であると裁判所は判断しています(8頁以下)。
なお、付言として、仮に原告が本件CMを制作した事実ではなくて、原告が本件CMにつき著作権ないし著作者人格権を有することの確認を求めているとしても、被告はアストロミュージックから許諾を受けて本件キャッチフレーズを使用しているにとどまり、本件CMについて被告が著作権ないし著作者人格権を有するなどとは主張していないことから、原告が有する権利又は法律上の地位に存する危険又は不安を除去するために本件CMの著作権ないし著作者人格権の存否につき被告との間で確認判決を得ることが必要かつ適切であるとは認め難いと裁判所は判断。この場合も確認の利益を欠くものとして不適法であると判断しています(8頁以下)。
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2 被告は原告に対し原告が本件キャッチフレーズを考えた本人であるとの事実を被告の社内報に掲載する旨を約したか
被告の社内報及びホームページに原告が本件キャッチフレーズを考えた本人であるとの事実を掲載することを求める原告の請求は認められていません(9頁以下)。
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3 本件番組の放送及び本件新聞記事の掲載につき被告に名誉毀損の不法行為が成立するか
本件番組及び本件新聞記事の内容が原告の社会的評価を低下させるものと認めることはできないとして、被告による名誉毀損を原因とする原告の請求は認められていません(10頁)。
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4 被告が本件各書面を原告に送付した行為につき侮辱の不法行為が成立するか
被告の書面での表現行為が社会生活上許される限度を超えた侮辱行為であると認めることはできないとして、被告による侮辱を原因とする原告の請求は認められていません(10頁以下)。
結論として、原告が本件CMを制作した事実の確認を求める部分は不適法であるからこれを却下することとし,その余の請求にはいずれも理由10
がないからこれらを棄却
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■コメント
原告は、「やめられない、とまらない、かっぱえびせん」のキャッチフレーズを制作したのは自分であると主張しましたが、本人訴訟ということもあり、主張立証が尽くされていません。
かっぱえびせんキャッチフレーズ事件
東京地裁平成30.3.26平成29(ワ)25465著作者人格権確認等請求事件PDF
東京地方裁判所民事第29部
裁判長裁判官 嶋末和秀
裁判官 伊藤清隆
裁判官 天野研司
*裁判所サイト公表 2018.ー.ー
*キーワード:確認の利益、キャッチフレーズ
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■事案
広告キャッチフレーズの制作者の事実の確認等を巡って争われた事案
原告:個人
被告:食品会社
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■結論
請求却下、棄却
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■争点
条文 民法709条
1 原告が本件CMを制作した事実の確認を求める訴えは適法か
2 被告は原告に対し原告が本件キャッチフレーズを考えた本人であるとの事実を被告の社内報に掲載する旨を約したか
3 本件番組の放送及び本件新聞記事の掲載につき被告に名誉毀損の不法行為が成立するか
4 被告が本件各書面を原告に送付した行為につき侮辱の不法行為が成立するか
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■事案の概要
『本件は,原告が,(1)被告が製造し販売するスナック菓子「かっぱえびせん」の広告用に昭和39年に制作されたテレビコマーシャル(以下「本件CM」という。)は,当時株式会社大広(以下「大広」という。)の放送制作部に所属していた原告が制作したものであるとして,被告に対し,原告が本件CMを制作した事実の確認を求め,(2)被告は,原告との間で,原告がかっぱえびせんのキャッチフレーズである「やめられない,とまらない」のフレーズ(以下「本件キャッチフレーズ」という。)を考えた本人であるとの事実を被告の社内報に掲載することを約したのにこれを行っていないとして,被告に対し,被告の社内報及びホームページへの上記事実を記載した記事の掲載を求め,(3)被告は,毎日新聞及び日本テレビをして本件キャッチフレーズが被告の社内会議にて誕生した旨を報道させ,原告の名誉を毀損したとして,被告に対し,不法行為による損害賠償請求権に基づき,損害賠償金7500万円の支払を求め,(4)被告は,原告に対して複数の書面を送付し,原告を侮辱したとして,被告に対し,不法行為による損害賠償請求権に基づき,損害賠償金7500万円の支払を求めた事案である。』
(2頁)
<経緯>
H23 かっぱえびせん由来のテレビ再現ドラマ放送
H24 被告が原告に原告作成書面を返送
H26 被告と原告代表が面会
H28 かっぱえびせん由来の新聞記事掲載
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■判決内容
<争点>
1 原告が本件CMを制作した事実の確認を求める訴えは適法か
本件訴えのうち、原告が本件CMを制作した事実の確認を求める訴えは不適法であると裁判所は判断しています(8頁以下)。
なお、付言として、仮に原告が本件CMを制作した事実ではなくて、原告が本件CMにつき著作権ないし著作者人格権を有することの確認を求めているとしても、被告はアストロミュージックから許諾を受けて本件キャッチフレーズを使用しているにとどまり、本件CMについて被告が著作権ないし著作者人格権を有するなどとは主張していないことから、原告が有する権利又は法律上の地位に存する危険又は不安を除去するために本件CMの著作権ないし著作者人格権の存否につき被告との間で確認判決を得ることが必要かつ適切であるとは認め難いと裁判所は判断。この場合も確認の利益を欠くものとして不適法であると判断しています(8頁以下)。
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2 被告は原告に対し原告が本件キャッチフレーズを考えた本人であるとの事実を被告の社内報に掲載する旨を約したか
被告の社内報及びホームページに原告が本件キャッチフレーズを考えた本人であるとの事実を掲載することを求める原告の請求は認められていません(9頁以下)。
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3 本件番組の放送及び本件新聞記事の掲載につき被告に名誉毀損の不法行為が成立するか
本件番組及び本件新聞記事の内容が原告の社会的評価を低下させるものと認めることはできないとして、被告による名誉毀損を原因とする原告の請求は認められていません(10頁)。
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4 被告が本件各書面を原告に送付した行為につき侮辱の不法行為が成立するか
被告の書面での表現行為が社会生活上許される限度を超えた侮辱行為であると認めることはできないとして、被告による侮辱を原因とする原告の請求は認められていません(10頁以下)。
結論として、原告が本件CMを制作した事実の確認を求める部分は不適法であるからこれを却下することとし,その余の請求にはいずれも理由10
がないからこれらを棄却
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■コメント
原告は、「やめられない、とまらない、かっぱえびせん」のキャッチフレーズを制作したのは自分であると主張しましたが、本人訴訟ということもあり、主張立証が尽くされていません。