最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

JASRAC放送包括許諾契約行政訴訟事件(控訴審)

知財高裁平成30.2.27平成29(行コ)10003是正処置命令等義務付け請求及び法律構成の矛盾等是正控訴事件PDF

知的財産高等裁判所第1部
裁判長裁判官 清水 節
裁判官    中島基至
裁判官    岡田慎吾

*裁判所サイト公表 2018.6.11
*キーワード:義務付け訴訟、処分性

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■事案

放送事業者とJASRACの間の包括許諾契約に関する行政庁の行政行為の処分性の有無が争点となった事案の控訴審

控訴人(1審原告) :個人
被控訴人(1審被告):国

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■結論

控訴棄却

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■争点

条文 行政事件訴訟法3条6項1号

1 行政行為の処分性の有無

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■事案の概要(控訴の趣旨)

『別紙控訴状写しの「控訴の趣旨」記載のとおりであり,要するに,本件各訴えを却下した原判決を取り消した上で,控訴人は,放送事業者と一般社団法人日本音楽著作権協会(以下「JASRAC」という。)との間の包括的な許諾による利用許諾契約(以下「包括許諾契約」という。)に基づく音楽著作物の使用料の徴収方法に多大な誤りがあり,その誤りの要因が著作権法の条文の誤りにあるなどと主張して,原審における請求と同様に,被控訴人に対し,法務大臣を処分行政庁として,法務省,文化庁,公正取引委員会及びJASRACに対する包括許諾契約に基づく徴収方法の是正処置命令を発することの義務付け(請求の趣旨第1項)を求めるとともに,法務省を処分行政庁として,公正取引委員会及びJASRACに対する包括許諾契約に基づく徴収方法の排除,除去,及び著作権法改正の是正処置命令を発することの義務付け(同第2項)を求めるものと解される(控訴の趣旨第3項)。なお,JASRACが,国に対し,罰金を支払うことなどを内容とする控訴状の記載部分(控訴の趣旨第4項)については,被控訴人のみが被告とされた原審における請求の趣旨等に照らし,当審において,追加的に請求するものではないと解される。』
(2頁)

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■判決内容

<争点>

1 行政行為の処分性の有無

控訴審でも控訴人の主張する各是正処置命令はいずれも処分性を欠くものであるとして、本件各訴えはいずれも不適法なものであると判断されています(3頁)。

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■コメント

控訴審は、本件各訴えをいずれも却下した原判決は相当であると判断しています。

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■過去のブログ記事

東京地裁平成29.10.11平成29(行ウ)165是正処置命令義務付け請求事件及び法律構成の矛盾等是正事件
原審記事