最高裁判所HP 知的財産裁判例集より
結婚式場リーフレット用写真流用事件
大阪地裁平成28.10.13平成28(ワ)6054損害賠償請求事件PDF
大阪地方裁判所第26民事部
裁判長裁判官 高松宏之
裁判官 田原美奈子
裁判官 林啓治郎
*裁判所サイト公表 2017.3.24
*キーワード:写真、損害論
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■事案
結婚式場リーフレット用写真などを使用目的範囲を超えてサイトで流用した事案
原告:写真家
被告:メイク専門学校運営会社
--------------------
■結論
請求一部認容
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■争点
条文 著作権法23条
1 侵害論
2 損害論
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■事案の概要
『原告が撮影して被告に提供した各写真(以下「本件各写真」という。)について,原告が著作権を有すると認められるところ,同「三」記載の被告の行為によって,上記の著作権が侵害されたと認められる』事案(1頁以下)
<経緯>
H13.10 被告が原告に撮影発注。被告が65万円支払
H14.01 原告写真4枚をP4宣材として使用を許諾
H21.08 原告がP5作品を撮影。被告側が6万円支払
H21.11 被告が原告写真をHPで使用
H27.12 原告が被告に損害金720万円請求
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■判決内容
<争点>
1 侵害論
被告は、原告に対して2度に亘り撮影依頼をしていましたが、リーフレットに写真を使用する際の合意についてみると、写真の権利は原告に帰属し、使用目的は当該リーフレットの写真に限定して1年間のリーフレット使用に限って使用を許諾していました。また、P5のヘアメイク作品の撮影写真については、ヘアメイクアーチストであるP5のプロモーション使用目的、1年間限りでの使用許諾の合意となっていました。
被告が、原告写真をこうした使用許諾範囲を超えて被告のホームページなどで使用している点について、裁判所は、被告が適式の呼出しを受けながら本件口頭弁論期日に出頭せず、答弁書その他の準備書面も提出しないことから、請求原因事実を争うことを明らかにしないものとして擬制自白を認め、原告の写真に関する著作権について被告の行為による著作権侵害を認定しています(1頁以下)。
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2 損害論
原告は、原告写真の被告ホームページへの流用は平成21年11月から平成27年12月までの6年間に亘るとして、損害額として、1440万円(月額20万円×12ケ月×6年)の損害と弁護士費用相当額損害160万円の合計1600万円を主張しました。
この点について、裁判所は、結論として、月額10万円の損害として720万円、弁護士費用相当額損害として70万円の合計790万円を認定しています(2頁以下)。
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■コメント
昨年10月の判決で公表が遅いです。
訴訟提起前の請求額が満額認定される結果となっています。被告側も対応を放置すると金額面でも大きな痛手を被ることになります。
結婚式場リーフレット用写真流用事件
大阪地裁平成28.10.13平成28(ワ)6054損害賠償請求事件PDF
大阪地方裁判所第26民事部
裁判長裁判官 高松宏之
裁判官 田原美奈子
裁判官 林啓治郎
*裁判所サイト公表 2017.3.24
*キーワード:写真、損害論
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■事案
結婚式場リーフレット用写真などを使用目的範囲を超えてサイトで流用した事案
原告:写真家
被告:メイク専門学校運営会社
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■結論
請求一部認容
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■争点
条文 著作権法23条
1 侵害論
2 損害論
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■事案の概要
『原告が撮影して被告に提供した各写真(以下「本件各写真」という。)について,原告が著作権を有すると認められるところ,同「三」記載の被告の行為によって,上記の著作権が侵害されたと認められる』事案(1頁以下)
<経緯>
H13.10 被告が原告に撮影発注。被告が65万円支払
H14.01 原告写真4枚をP4宣材として使用を許諾
H21.08 原告がP5作品を撮影。被告側が6万円支払
H21.11 被告が原告写真をHPで使用
H27.12 原告が被告に損害金720万円請求
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■判決内容
<争点>
1 侵害論
被告は、原告に対して2度に亘り撮影依頼をしていましたが、リーフレットに写真を使用する際の合意についてみると、写真の権利は原告に帰属し、使用目的は当該リーフレットの写真に限定して1年間のリーフレット使用に限って使用を許諾していました。また、P5のヘアメイク作品の撮影写真については、ヘアメイクアーチストであるP5のプロモーション使用目的、1年間限りでの使用許諾の合意となっていました。
被告が、原告写真をこうした使用許諾範囲を超えて被告のホームページなどで使用している点について、裁判所は、被告が適式の呼出しを受けながら本件口頭弁論期日に出頭せず、答弁書その他の準備書面も提出しないことから、請求原因事実を争うことを明らかにしないものとして擬制自白を認め、原告の写真に関する著作権について被告の行為による著作権侵害を認定しています(1頁以下)。
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2 損害論
原告は、原告写真の被告ホームページへの流用は平成21年11月から平成27年12月までの6年間に亘るとして、損害額として、1440万円(月額20万円×12ケ月×6年)の損害と弁護士費用相当額損害160万円の合計1600万円を主張しました。
この点について、裁判所は、結論として、月額10万円の損害として720万円、弁護士費用相当額損害として70万円の合計790万円を認定しています(2頁以下)。
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■コメント
昨年10月の判決で公表が遅いです。
訴訟提起前の請求額が満額認定される結果となっています。被告側も対応を放置すると金額面でも大きな痛手を被ることになります。