最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

「aiko」音楽原盤グヌーテラ送信発信者情報開示請求事件

東京地裁平成28.6.23発信者情報開示請求事件PDF
別紙

東京地方裁判所民事第46部
裁判長裁判官 長谷川浩二
裁判官    萩原孝基
裁判官    中嶋邦人

*裁判所サイト公表 2016.7.7
*キーワード:発信者情報開示請求、送信可能化権

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■事案

グヌーテラファイル交換ソフトやそれと互換性のあるソフトウェアを利用して音楽原盤の無断送信可能化した点についてプロバイダ責任制限法4条1項に基づく発信者情報開示請求の可否が争点となった事案

原告:レコード会社ら4社
被告:インターネット接続プロバイダ事業者

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■結論

請求認容

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■争点

条文 プロバイダ責任制限法4条、著作権法96条の2

1 明らかな著作権侵害の有無
2 開示を受けるべき正当な理由の有無

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■事案の概要

『本件は,レコード製作会社である原告らが,一般利用者に対してインターネット接続プロバイダ事業等を行っている被告に対し,原告らが送信可能化権を有するレコードに収録された楽曲を氏名不詳者が無断で複製してコンピュータ内の記録媒体に記録して蔵置し,被告の提供するインターネット接続サービスを経由して自動的に送信し得る状態にすることにより,原告らの送信可能化権が侵害されたと主張して,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「プロバイダ責任制限法」という。)4条1項に基づき,被告が保有する発信者情報の開示を求める事案である。』(4頁)

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■判決内容

<争点>

1 明らかな著作権侵害の有無

裁判所は、インターネット接続サービスを利用して本件IPアドレスの割当てを受けてインターネットに接続していた者(本件各契約者)が、Gnutella及びこれと互換性のあるソフトウェアのネットワークを介して各音楽ファイルを多数の者に対し送信可能な状態にしており、本件において、著作権法102条1項により準用される同法30条以下に定める著作隣接権の制限事由が存在することはうかがわれないことから、本件各契約者が各原告の本件各レコードに係る送信可能化権(同法96条の2)を侵害したことが明らかであると判断しています(4頁)。

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2 開示を受けるべき正当な理由の有無

各原告は、本件各契約者に対して著作隣接権侵害を理由に損害賠償請求権等を行使することができるが、本件各契約者の氏名、住所等を覚知する手段が他にあるとうかがわれないことから、本件発信者情報を有し、この情報に関してプロバイダ責任制限法4条1項の「開示関係役務提供者」に当たる被告に対して、その開示を受けるべき正当な理由があると裁判所は判断。
結論として、各原告の本件各契約者の氏名、住所及び電子メールアドレスについての開示請求が認められています(4頁)。

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■コメント

aikoやいきものがかり、安室奈美恵、嵐のCDを違法にアップロードしていた事案となります。

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■過去のブログ記事

東京地裁平成26.6.25平成26(ワ)3570発信者情報開示請求事件
音楽原盤グヌーテラ送信発信者情報開示請求事件


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■追記(2016.07.26)

aiko「ひとりよがり」発信者情報開示請求事件(対朝日ネット)
東京地裁平成28.7.19平成28(ワ)14508発信者情報開示請求事件
判決文PDF

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■追記(2016.08.20)

「SEKAI NO OWARI」音楽原盤グヌーテラ送信発信者情報開示請求事件

東京地裁平成28.8.3平成28(ワ)15218 発信者情報開示請求事件
判決文
別紙1

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■追記(2016.09.07)

三代目 J Soul Brothers「Always」グヌーテラ発信者情報開示請求事件

東京地裁平成28.8.30平成28(ワ)16352発信者情報開示請求事件
判決文
別紙