最高裁判所HP 知的財産裁判例集より
Yahoo!知恵袋投稿記事発信者情報開示事件
東京地裁平成27.4.27平成26(ワ)26974発信者情報開示請求事件PDF
東京地方裁判所民事第29部
裁判長裁判官 嶋末和秀
裁判官 鈴木千帆
裁判官 本井修平
*裁判所サイト公表 2015.05.15
*キーワード:写真、著作物性、引用、プロバイダ責任制限法
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■事案
創価学会池田名誉会長の肖像画像などが無断でネット掲示板に投稿されたことからプロバイダに対して発信者の情報開示を求めた事案
原告:宗教法人
被告:プロバイダ
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■結論
請求認容
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■争点
条文 著作権法2条1項1号、32条、プロバイダ責任制限法4条1項
1 権利侵害の明白性
2 開示を受けるべき正当な理由
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■事案の概要
『本件は,別紙写真目録記載の写真(以下「本件写真」という。)の著作権を有する原告が,被告の提供するインターネット接続サービスを経由して,インターネット上の電子掲示板「Yahoo!知恵袋」(以下「本件掲示板」という。)に投稿された別紙投稿記事目録記載1ないし29の各記事(以下,同目録の番号に対応して「本件記事1」などという。また,本件記事1ないし29を併せて「本件各記事」という。)中に掲載された写真は,いずれも本件写真を複製又は翻案したものであり,本件各記事を投稿した行為は原告の著作権(公衆送信権)を侵害するところ,本件各記事の投稿者に対する損害賠償請求権の行使のためには,本件各記事に係る別紙発信者情報目録記載の情報(以下「本件発信者情報」という。)の開示が必要であると主張して,経由プロバイダである被告に対し,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「法」という。)4条1項に基づき,本件発信者情報の開示を求める事案である。』(1頁以下)
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■判決内容
<争点>
1 権利侵害の明白性
(1)本件各記事の投稿による原告の公衆送信権侵害の成否
池田名誉会長を撮影した本件写真の著作者は、著作権法15条1項に基づき原告であることを前提に、29件の記事中に掲載の本件各写真は、いずれも本件写真の複製物であるとして本件各記事を本件掲示板に投稿した行為は、原告の公衆送信権を侵害するものと判断されています(9頁以下)。
(2)引用の成否
被告は、原告ないしA名誉会長に対する意見、批評に当たり、本件各写真はその対象であるA名誉会長を明示するために必要な資料として掲載されたものであるとして、本件各記事における本件各写真の掲載行為が著作権法32条1項の引用に該当する余地があると主張しました。
しかし、裁判所は、結論として引用の成立を否定しています(12頁)。
結論として、本件各記事の投稿により原告の権利が侵害されたことは明白であると判断されています。
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2 開示を受けるべき正当な理由
原告は、本件各記事を投稿した者に対して本件写真に係る公衆送信権侵害の不法行為に基づいて損害賠償請求を行うために上記投稿者の本件発信者情報の開示を求めていることが認められるとして、原告には本件発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があると判断されています(12頁以下)。
結論として、原告は、プロバイダ責任制限法4条1項に基づいて同項が規定する開示関係役務提供者に該当し、本件各記事が投稿された際の経由プロバイダとして本件発信者情報を保有する被告に対して本件発信者情報の開示を求めることができると判断されています。
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■コメント
インターネット掲示板に池田名誉会長や創価学会を揶揄する投稿が名誉会長の画像の無断使用を伴って行われた事案となります。
Yahoo!知恵袋投稿記事発信者情報開示事件
東京地裁平成27.4.27平成26(ワ)26974発信者情報開示請求事件PDF
東京地方裁判所民事第29部
裁判長裁判官 嶋末和秀
裁判官 鈴木千帆
裁判官 本井修平
*裁判所サイト公表 2015.05.15
*キーワード:写真、著作物性、引用、プロバイダ責任制限法
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■事案
創価学会池田名誉会長の肖像画像などが無断でネット掲示板に投稿されたことからプロバイダに対して発信者の情報開示を求めた事案
原告:宗教法人
被告:プロバイダ
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■結論
請求認容
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■争点
条文 著作権法2条1項1号、32条、プロバイダ責任制限法4条1項
1 権利侵害の明白性
2 開示を受けるべき正当な理由
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■事案の概要
『本件は,別紙写真目録記載の写真(以下「本件写真」という。)の著作権を有する原告が,被告の提供するインターネット接続サービスを経由して,インターネット上の電子掲示板「Yahoo!知恵袋」(以下「本件掲示板」という。)に投稿された別紙投稿記事目録記載1ないし29の各記事(以下,同目録の番号に対応して「本件記事1」などという。また,本件記事1ないし29を併せて「本件各記事」という。)中に掲載された写真は,いずれも本件写真を複製又は翻案したものであり,本件各記事を投稿した行為は原告の著作権(公衆送信権)を侵害するところ,本件各記事の投稿者に対する損害賠償請求権の行使のためには,本件各記事に係る別紙発信者情報目録記載の情報(以下「本件発信者情報」という。)の開示が必要であると主張して,経由プロバイダである被告に対し,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「法」という。)4条1項に基づき,本件発信者情報の開示を求める事案である。』(1頁以下)
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■判決内容
<争点>
1 権利侵害の明白性
(1)本件各記事の投稿による原告の公衆送信権侵害の成否
池田名誉会長を撮影した本件写真の著作者は、著作権法15条1項に基づき原告であることを前提に、29件の記事中に掲載の本件各写真は、いずれも本件写真の複製物であるとして本件各記事を本件掲示板に投稿した行為は、原告の公衆送信権を侵害するものと判断されています(9頁以下)。
(2)引用の成否
被告は、原告ないしA名誉会長に対する意見、批評に当たり、本件各写真はその対象であるA名誉会長を明示するために必要な資料として掲載されたものであるとして、本件各記事における本件各写真の掲載行為が著作権法32条1項の引用に該当する余地があると主張しました。
しかし、裁判所は、結論として引用の成立を否定しています(12頁)。
結論として、本件各記事の投稿により原告の権利が侵害されたことは明白であると判断されています。
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2 開示を受けるべき正当な理由
原告は、本件各記事を投稿した者に対して本件写真に係る公衆送信権侵害の不法行為に基づいて損害賠償請求を行うために上記投稿者の本件発信者情報の開示を求めていることが認められるとして、原告には本件発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があると判断されています(12頁以下)。
結論として、原告は、プロバイダ責任制限法4条1項に基づいて同項が規定する開示関係役務提供者に該当し、本件各記事が投稿された際の経由プロバイダとして本件発信者情報を保有する被告に対して本件発信者情報の開示を求めることができると判断されています。
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■コメント
インターネット掲示板に池田名誉会長や創価学会を揶揄する投稿が名誉会長の画像の無断使用を伴って行われた事案となります。