最高裁判所HP 知的財産裁判例集より
CD制作業務委託契約事件(控訴審)
知財高裁平成27.4.28平成27(ネ)10005売掛金請求控訴事件PDF
知的財産高等裁判所第2部
裁判長裁判官 清水 節
裁判官 新谷貴昭
裁判官 鈴木わかな
*裁判所サイト公表 2015.5.7
*キーワード:CD制作、原盤、プロデューサー、業務委託契約
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■事案
CD制作契約にあたってCDの所有権の帰属などが争点となった事案の控訴審
控訴人(一審原告) :音楽レーベル
被控訴人(一審被告):シャンソン歌手
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■結論
控訴棄却
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■争点
条文 民法709条、415条
1 CD売買契約等の成否
2 不法行為の成否
3 演奏権侵害の成否
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■事案の概要
『本件は,控訴人が,被控訴人に対し,(1)(1)主位的に,控訴人は,被控訴人に,控訴人代表者であるAの作詞した本件歌詞に旋律を付した音楽を収録した本件CDを売り渡したと主張して,本件売買契約に基づき,本件CDの代金144万円及びこれに対する平成23年11月21日(本件CDの引渡し後の日)から支払済みまでの商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を,(2)予備的に,被控訴人は,本件歌詞の著作料や本件CDの代金をAや控訴人に支払う意思がないにもかかわらず,本件CDを完成させてだまし取ったあげく,本件訴訟において,被控訴人が本件請求(1)(1)に関する抗弁として消滅時効の完成を主張し,同時効を援用したことは,控訴人に対する不法行為を構成すると主張して,損害賠償金144万円及びこれに対する平成26年3月10日(消滅時効援用の日)から支払済みまでの民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めるとともに,(2)被控訴人による本件歌詞の歌唱が,本件歌詞について控訴人がAから譲り受けた本件歌詞の著作権のうち,演奏権を侵害する等と主張して,著作権法112条1項に基づき本件歌詞の歌唱の差止めを求めた事案である。
原審は,平成26年11月28日,控訴人の請求をいずれも棄却する旨の判決を言い渡した。控訴人は,平成26年12月12日に,(2)の歌唱の禁止請求について控訴するとともに,(1)の金銭請求については134万4000円の支払を求める限度で,控訴した。』(2頁以下)
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■判決内容
<争点>
1 CD売買契約等の成否
2 不法行為の成否
3 演奏権侵害の成否
控訴審でも原判決の判断が維持されています(8頁以下)。
控訴人(一審原告)主張の契約の成否について、裁判所は、控訴人代表者が被控訴人(一審被告)との間で本件歌詞の作成に係る対価の額、本件CD製作における控訴人代表者の作詞以外の担当業務、被控訴人が負担すべき費用の内容や総額、本件CDに関する権利の帰属について、具体的に協議したことを認めるに足りる証拠はなく、したがって、被控訴人がこれらを認識した上で了解したことを認めるに足りる証拠もなく、控訴人主張契約の成立及び本件売買契約の成立は、いずれも認められないと判断しています。
そのほか、不法行為や演奏権侵害の成否についても控訴人の主張は認められていません。
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■コメント
控訴審でも特段、控訴人側から説得的な主張が提出されておらず、原審の判断が維持されています。
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■過去のブログ記事
原審記事
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裁判官 新谷貴昭
裁判官 鈴木わかな
*裁判所サイト公表 2015.5.7
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■事案
CD制作契約にあたってCDの所有権の帰属などが争点となった事案の控訴審
控訴人(一審原告) :音楽レーベル
被控訴人(一審被告):シャンソン歌手
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■結論
控訴棄却
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■争点
条文 民法709条、415条
1 CD売買契約等の成否
2 不法行為の成否
3 演奏権侵害の成否
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■事案の概要
『本件は,控訴人が,被控訴人に対し,(1)(1)主位的に,控訴人は,被控訴人に,控訴人代表者であるAの作詞した本件歌詞に旋律を付した音楽を収録した本件CDを売り渡したと主張して,本件売買契約に基づき,本件CDの代金144万円及びこれに対する平成23年11月21日(本件CDの引渡し後の日)から支払済みまでの商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を,(2)予備的に,被控訴人は,本件歌詞の著作料や本件CDの代金をAや控訴人に支払う意思がないにもかかわらず,本件CDを完成させてだまし取ったあげく,本件訴訟において,被控訴人が本件請求(1)(1)に関する抗弁として消滅時効の完成を主張し,同時効を援用したことは,控訴人に対する不法行為を構成すると主張して,損害賠償金144万円及びこれに対する平成26年3月10日(消滅時効援用の日)から支払済みまでの民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めるとともに,(2)被控訴人による本件歌詞の歌唱が,本件歌詞について控訴人がAから譲り受けた本件歌詞の著作権のうち,演奏権を侵害する等と主張して,著作権法112条1項に基づき本件歌詞の歌唱の差止めを求めた事案である。
原審は,平成26年11月28日,控訴人の請求をいずれも棄却する旨の判決を言い渡した。控訴人は,平成26年12月12日に,(2)の歌唱の禁止請求について控訴するとともに,(1)の金銭請求については134万4000円の支払を求める限度で,控訴した。』(2頁以下)
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■判決内容
<争点>
1 CD売買契約等の成否
2 不法行為の成否
3 演奏権侵害の成否
控訴審でも原判決の判断が維持されています(8頁以下)。
控訴人(一審原告)主張の契約の成否について、裁判所は、控訴人代表者が被控訴人(一審被告)との間で本件歌詞の作成に係る対価の額、本件CD製作における控訴人代表者の作詞以外の担当業務、被控訴人が負担すべき費用の内容や総額、本件CDに関する権利の帰属について、具体的に協議したことを認めるに足りる証拠はなく、したがって、被控訴人がこれらを認識した上で了解したことを認めるに足りる証拠もなく、控訴人主張契約の成立及び本件売買契約の成立は、いずれも認められないと判断しています。
そのほか、不法行為や演奏権侵害の成否についても控訴人の主張は認められていません。
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■コメント
控訴審でも特段、控訴人側から説得的な主張が提出されておらず、原審の判断が維持されています。
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