最高裁判所HP 知的財産裁判例集より
羅針盤無断演奏事件
知財高裁平成23.11.28平成23(ネ)10044損害賠償請求控訴事件PDF
知的財産高等裁判所 第1部
裁判長裁判官 中野哲弘
裁判官 東海林保
裁判官 矢口俊哉
*裁判所サイト公表 2011.12.1
*キーワード:演奏権、損害論
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■事案
ライブハウスで他人の楽曲「羅針盤」を無断で演奏歌唱したとして損害賠償を請求した事案の控訴審
控訴人 (一審被告):ボーカリスト
被控訴人(一審原告):作詞・作曲家
--------------------
■結論
控訴棄却
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■争点
条文 著作権法22条、民法709条、710条
1 原判決が著作権侵害につき慰謝料を認めたことについて
2 損害額について
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■事案の概要
『被控訴人が作詩・作曲した楽曲「羅針盤」(本件楽曲)を,控訴人が,平成21年3月17日に被控訴人に無断で東京東高円寺のライブハウスで開催されたコンサートにおいて演奏歌唱したことを理由に,被控訴人(一審原告)が控訴人(一審被告)に対し,不法行為による損害賠償金130万円と遅延損害金の支払を求めた事案である。
原判決は,上記請求を損害賠償金3万円と遅延損害金の支払を命じる限度で認容し,その余を棄却したので,これに不服の控訴人(一審被告)が本件控訴を提起したものである。』(1頁)
<経緯>
H21.3 被告がライブハウスで「羅針盤」を演奏歌唱
H21.4 原告が被告に「楽曲使用料請求書」を送信
H21.5 被告が原告に対して返信送信
H22.10厚木簡易裁判所に本件訴訟を提起、横浜地裁小田原支部に移送
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■判決内容
<争点>
1 原判決が著作権侵害につき慰謝料を認めたことについて
原審では、被告(控訴人)による楽曲「羅針盤」(本件楽曲)の無断使用による原告(被控訴人)の損害は、「精神的損害を含めて3万円程度」と認めていました。この点について、被告は著作権侵害行為について特段の事情がある場合に限り慰謝料は認められるが、本件ではそうした事情がない旨、反論しました。
控訴審裁判所は、原被告間でのメールのやりとりの中で被告がいったんは著作権侵害として6万3000円の使用料を支払うことを約していると認定。原告は著作権侵害に加え被告による事後的対応等も含め、本件での一連の事実経過を捉えて不法行為であると主張し、その損害賠償請求をしており、裁判所が著作権侵害を含む一切の不法行為につき損害賠償金の支払を命じることに問題はない、と判断しています(6頁以下)。
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2 損害額について
損害額について、原審と同様、3万円と認定しています(7頁)。
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■コメント
原審の内容が最高裁判所サイトで公表されておらず詳細が分からないので、ネット検索での情報の限りとなりますが、元々被告がボーカルを務めていたユニットのオリジナル曲である本件楽曲を、被告女性ボーカリストが無断でライブハウスで演奏歌唱したという当事者の関係性の中での訴訟で、別件の損害賠償請求訴訟(4頁)もあって、いわば仲間内での確執がきっかけといえる訴訟でした。
羅針盤無断演奏事件
知財高裁平成23.11.28平成23(ネ)10044損害賠償請求控訴事件PDF
知的財産高等裁判所 第1部
裁判長裁判官 中野哲弘
裁判官 東海林保
裁判官 矢口俊哉
*裁判所サイト公表 2011.12.1
*キーワード:演奏権、損害論
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■事案
ライブハウスで他人の楽曲「羅針盤」を無断で演奏歌唱したとして損害賠償を請求した事案の控訴審
控訴人 (一審被告):ボーカリスト
被控訴人(一審原告):作詞・作曲家
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■結論
控訴棄却
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■争点
条文 著作権法22条、民法709条、710条
1 原判決が著作権侵害につき慰謝料を認めたことについて
2 損害額について
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■事案の概要
『被控訴人が作詩・作曲した楽曲「羅針盤」(本件楽曲)を,控訴人が,平成21年3月17日に被控訴人に無断で東京東高円寺のライブハウスで開催されたコンサートにおいて演奏歌唱したことを理由に,被控訴人(一審原告)が控訴人(一審被告)に対し,不法行為による損害賠償金130万円と遅延損害金の支払を求めた事案である。
原判決は,上記請求を損害賠償金3万円と遅延損害金の支払を命じる限度で認容し,その余を棄却したので,これに不服の控訴人(一審被告)が本件控訴を提起したものである。』(1頁)
<経緯>
H21.3 被告がライブハウスで「羅針盤」を演奏歌唱
H21.4 原告が被告に「楽曲使用料請求書」を送信
H21.5 被告が原告に対して返信送信
H22.10厚木簡易裁判所に本件訴訟を提起、横浜地裁小田原支部に移送
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■判決内容
<争点>
1 原判決が著作権侵害につき慰謝料を認めたことについて
原審では、被告(控訴人)による楽曲「羅針盤」(本件楽曲)の無断使用による原告(被控訴人)の損害は、「精神的損害を含めて3万円程度」と認めていました。この点について、被告は著作権侵害行為について特段の事情がある場合に限り慰謝料は認められるが、本件ではそうした事情がない旨、反論しました。
控訴審裁判所は、原被告間でのメールのやりとりの中で被告がいったんは著作権侵害として6万3000円の使用料を支払うことを約していると認定。原告は著作権侵害に加え被告による事後的対応等も含め、本件での一連の事実経過を捉えて不法行為であると主張し、その損害賠償請求をしており、裁判所が著作権侵害を含む一切の不法行為につき損害賠償金の支払を命じることに問題はない、と判断しています(6頁以下)。
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2 損害額について
損害額について、原審と同様、3万円と認定しています(7頁)。
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■コメント
原審の内容が最高裁判所サイトで公表されておらず詳細が分からないので、ネット検索での情報の限りとなりますが、元々被告がボーカルを務めていたユニットのオリジナル曲である本件楽曲を、被告女性ボーカリストが無断でライブハウスで演奏歌唱したという当事者の関係性の中での訴訟で、別件の損害賠償請求訴訟(4頁)もあって、いわば仲間内での確執がきっかけといえる訴訟でした。