大家重夫先生が『マーチャンダイジングライツレポート』の2010年2月号(45巻2号)から3回に亘って画家レオナール藤田(藤田嗣治)夫人と著作権について論考を公表されておいでです(2月号と3月号は既刊)。

【目次】

第1章 藤田嗣治家の人々
第2章 平野政吉美術館の名前
第3章 著作権者の許諾が得られないという評判(以上、2月号)
第4章 国会議員の質問主意書により問題提起
第5章 小学館「原色現代日本の美術」事件
第6章 展覧会カタログ事件(以上、3月号)
第7章 「Leonard-Tsuguharu Foujita(レオナール・ツグハル・フジタ)」事件
第8章 「レオナール・ツグハル・フジタの生涯と作品」輸入事件
第9章 著作権の公共性と個人性
第10章 藤田君代の功績


ファインアート系の作家で著作権紛争というと、レオナール藤田の作品が関係する事件が判例上重要なものとなります(判例百選第三版「引用」162頁以下、「展覧会のカタログへの作品掲載」174頁以下、「フランスで出版された画集の日本への輸入、販売」232頁以下、第四版「引用(2)」120頁以下参照)。

知り合いの画商から以前、美術作家で著作権にうるさかったのは、藤田と東山魁夷さんだったと聞いたことがありますが、大家先生の御論文を通して作家(作品と作家の周辺)理解が進む印象です。