弁護士福井健策先生執筆の本書(2010年1月20日刊行)は、2005年刊行「著作権とは何か」(集英社新書)に続く著作権新書版本の第二弾(本文全228頁)。

著作権の現代的課題を網羅する一冊で「情報の独占」「自由流通」「創作振興」「多次的創作」といったキーワードから著作権を読み解こうとするものです。応用美術論や人格権論といった著作権の本質論に繋がる議論を提供されています。

情報の大海原を前にして呆然と立ちすくむのではなく、力強く漕ぎだそう、そう問いかける内容ではないでしょうか。

著作権の世紀―変わる「情報の独占制度」 (集英社新書 527A)
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目次

はじめに
第一章 情報の独占制度
第二章 対立するテクノロジーと著作権
第三章 多次的創作の時代-カヴァー、アレンジと二十世紀藝術
第四章 PD、オア・ノットPD、それが問題だ-著作権は何年間守られるべきか
第五章 アーカイヴィングの現在-電子図書館、番組ライブラリー、フィルムセンター
第六章 変容する著作権-リフォーム論、DRM、パブリック・ライセンス
第七章 疑似著作権と情報の「囲い込み」
終章  情報の「世界分割」
あとがき
主要参考文献
索引


骨董通り法律事務所コラム(2009.11.5記事)
福井健策「擬似著作権: ピーターラビット、お前に永遠の命をあげよう」

集英社
『著作権の世紀──変わる「情報の独占制度」』|集英社新書