最高裁判所HP 知的財産裁判例集より
ゴヤール対アディダス事件
平成21.12.24平成21(ワ)19888輸入販売差止等請求事件PDF
東京地方裁判所民事第47部
裁判長裁判官 阿部正幸
裁判官 柵木澄子
裁判官 舟橋伸行
*裁判所サイト公表 10/1/7
*キーワード:外観、類否
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■事案
アディダスの三つ葉デザイン「トレフォイルマーク」をバッグや靴に付して販売したアディダスの行為の周知表示混同惹起行為性などが争点となった事案
原告:ゴヤールフランス法人(カバンブランド)
被告:アディダス日本法人(スポーツブランド)
--------------------
■結論
請求棄却
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■争点
条文 不正競争防止法2条1項1号、2号、商標法37条1号
1 不正競争防止法違反の成否
2 商標権侵害の成否
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■判決内容
<争点>
1 不正競争防止法違反の成否
ゴヤールのデザイン(原告標章)に類似するアディダスのデザイン(被告標章)をアディダスが自社バッグや靴に付して販売等した行為の周知表示混同惹起行為性(不正競争防止法2条1項1号)、著名表示冒用行為性(同2条1項2号)が争点となりました。
(ゴヤール:原告標章)
(アディダス:被告標章1)
この点について、Y字形をモチーフとしたデザインの原告標章と三つ葉をモチーフとしたデザインの被告標章の類否が検討されています(14頁以下)。
裁判所は、原告標章と被告標章1、2の共通点と相違点を検討した上で、
『原告標章は,全体として,「3色の杉綾(ヘリンボーン)から構成される「Y」字形をモチーフとした模様」という印象を与えるのに対し,被告標章1は,全体として,「3色の葉から構成される扇形をモチーフとした模様」という印象を与える。』(16頁 被告標章2については17頁以下)
として、結論として外観上の類似性を否定しています。
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2 商標権侵害の成否
原告登録商標(4977875号)は、Y字形をモチーフとしたデザインに「E GOYARD」とのアルファベット文字等が付されているものでしたが、原告商標と被告標章1との類否がさらに争点となっています。
(原告商標)
結論としては、上記の不正競争行為性の論点と同様、外観に類似性がないとして商標権侵害性が否定されています(18頁以下)。
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■コメント
パリに本店を持つ老舗カバンメーカー、ゴヤールのカバン生地のヘリンボーン(杉綾織)デザインとアディダスのCIにもなっている三つ葉デザインの類否が争点となりました。
問題となった2008年春夏シーズン製品は、アディダス直営店(アディダスオリジナルコンセプトショップ)などで販売されたものです。
判決文の末尾にある別紙に問題となったデザインがカラーで掲載されていますが、この画像だけですと一見してどうして類似性が問題となるのかよく分かりません。
問題となったアディダスのバッグや靴の実物を見てみないと何ともいえないところです。
ゴヤール対アディダス事件
平成21.12.24平成21(ワ)19888輸入販売差止等請求事件PDF
東京地方裁判所民事第47部
裁判長裁判官 阿部正幸
裁判官 柵木澄子
裁判官 舟橋伸行
*裁判所サイト公表 10/1/7
*キーワード:外観、類否
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■事案
アディダスの三つ葉デザイン「トレフォイルマーク」をバッグや靴に付して販売したアディダスの行為の周知表示混同惹起行為性などが争点となった事案
原告:ゴヤールフランス法人(カバンブランド)
被告:アディダス日本法人(スポーツブランド)
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■結論
請求棄却
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■争点
条文 不正競争防止法2条1項1号、2号、商標法37条1号
1 不正競争防止法違反の成否
2 商標権侵害の成否
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■判決内容
<争点>
1 不正競争防止法違反の成否
ゴヤールのデザイン(原告標章)に類似するアディダスのデザイン(被告標章)をアディダスが自社バッグや靴に付して販売等した行為の周知表示混同惹起行為性(不正競争防止法2条1項1号)、著名表示冒用行為性(同2条1項2号)が争点となりました。
(ゴヤール:原告標章)
(アディダス:被告標章1)
この点について、Y字形をモチーフとしたデザインの原告標章と三つ葉をモチーフとしたデザインの被告標章の類否が検討されています(14頁以下)。
裁判所は、原告標章と被告標章1、2の共通点と相違点を検討した上で、
『原告標章は,全体として,「3色の杉綾(ヘリンボーン)から構成される「Y」字形をモチーフとした模様」という印象を与えるのに対し,被告標章1は,全体として,「3色の葉から構成される扇形をモチーフとした模様」という印象を与える。』(16頁 被告標章2については17頁以下)
として、結論として外観上の類似性を否定しています。
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2 商標権侵害の成否
原告登録商標(4977875号)は、Y字形をモチーフとしたデザインに「E GOYARD」とのアルファベット文字等が付されているものでしたが、原告商標と被告標章1との類否がさらに争点となっています。
(原告商標)
結論としては、上記の不正競争行為性の論点と同様、外観に類似性がないとして商標権侵害性が否定されています(18頁以下)。
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■コメント
パリに本店を持つ老舗カバンメーカー、ゴヤールのカバン生地のヘリンボーン(杉綾織)デザインとアディダスのCIにもなっている三つ葉デザインの類否が争点となりました。
問題となった2008年春夏シーズン製品は、アディダス直営店(アディダスオリジナルコンセプトショップ)などで販売されたものです。
判決文の末尾にある別紙に問題となったデザインがカラーで掲載されていますが、この画像だけですと一見してどうして類似性が問題となるのかよく分かりません。
問題となったアディダスのバッグや靴の実物を見てみないと何ともいえないところです。