芸術支援活動を展開されている作田知樹さんの「クリエイターのためのアートマネジメント-常識と法律-」(八坂書房)が2009年5月25日に刊行されました(本文全232頁)。

作田さんはNPO「Arts and Law」代表としてクリエイターが創作活動やビジネスで直面する法的な問題について長らく相談対応されてきました。

Arts and Law--legal and management specialist for the arts in Japan

そうした活動を踏まえてクリエイターが関わる契約や著作権の問題について本書では平易に解説が加えられています。

作田さん自身、行政書士登録もされておいでですが、行政書士は契約書作成業務をはじめ入管業務なども業務として幅広く取扱う業種で、最近では外国人アーティスト招聘なども含めアーティストの契約マネジメント業務への参入の萌芽も見えるところです。

本書の取扱い分野は視覚芸術分野やメディアアートが主となっているので、音楽については別途配慮が必要ですが、Q&A形式の事例紹介や契約書の簡単なひな型も掲載されていてイメージがしやすく、アートマネジメントの入門書として気軽に手に取れる1冊ではないでしょうか。

なお、アートマネジメントの概説書としては、林容子「進化するアートマネージメント」(2004初版 2008第5刷 レイライン)、伊東裕夫ほか「新訂 アーツ・マネジメント概論」(2004 水曜社)、表現活動と著作権法などの法律との関わりについては、最近新版としてあらたに刊行されたばかりの志田陽子先生「新版 表現活動と法」(2009 武蔵野美術大学出版局)などがあります。


クリエイターのためのアートマネジメント―常識と法律
クリエイターのためのアートマネジメント―常識と法律
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