最高裁判所HP 知的財産裁判例集より

サーティワンアイスクリーム(We make people happy.)事件

東京地裁平成20.11.6平成20(ワ)13918不正競争行為差止請求事件PDF

東京地方裁判所民事第47部
裁判長裁判官 阿部正幸
裁判官      平田直人
裁判官      柵木澄子


*裁判所サイト公表 11/10

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■事案

サーティワンアイスクリームが長年にわたって使用してきた標語
「We make people happy.」文言の商品等表示性が争われた事案

原告:B-Rサーティワンアイスクリーム
被告:コールド・ストーン・クリーマリー・ジャパン

原告文言:We make people happy.
被告文言:Make People Happy.

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■結論

請求棄却

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■争点

条文 不正競争防止法2条1項1号

1 原告文言の商品等表示性

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■判決内容

<争点>

1 原告文言の商品等表示性

裁判所は、原告が使用していた標語「We make people happy.」文言
の商品等表示性について、平易かつありふれた短文の標語そのものは、
本来的には自他識別力を持たないとしつつも、

長期間にわたる使用や広告,宣伝等によって当該文言が特定人の営業を表示するものとして,需要者の間に広く認識され,自他識別機能ないし出所表示機能を獲得するに至っている
(22頁以下)

場合には、商品等表示としての営業表示に該当する余地がある。

そのうえで、原告文言について、

1.ポスターなどでの表示が登録商標と比較してさほど目立たない
2.顧客に対するメッセージや社是のようなものとして認識される
3.長期間にわたる使用が認められないものもある

このような点から、一般消費者にとって原告文言を原告の業務に係る
営業の表示として受け取るとは通常考え難いと判断。

結論として、原告文言の商品等表示性(不正競争防止法2条1項1号)を
否定しています。

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■コメント

原告文言画像
原告文言

被告文言画像
被告文言(別紙目録より)


こうした平易なキャッチコピーの独占的な使用を認めて良いかという
価値判断があったと思います。
誤認混同惹起性なども含めて考えると、原告には厳しい提訴だった
かもしれません。

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■参考記事

名古屋の商標亭
2008年11月11日記事
サーティワンのモットー
2008年11月12日記事
スマイルいくら?

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