寒河江孝允先生監修(永野周志・矢野敏樹編集)5月25日刊行の
本書(ぎょうせい)は、知財訴訟における損害論の現状(平成11年
から18年7月までの判例)を示すもので、工業所有権に関するものの
ほか107頁以下では不正競争防止法上のものが、156頁以下では
著作権法上のものが、288頁以下では民商法上のものが掲載されて
います。

弁護士、弁理士費用についも言及されていたり、また、273頁以下
ではJasrac関連判決も別項立てで掲載されていて、たとえばジャス
ラックとの使用料減額交渉、和解を担当される弁護士にとっての参
考資料になるかもしれません。

なお、計算鑑定人マニュアル解説には、日本公認会計士協会編集の
「知的財産紛争の損害額計算実務-「計算鑑定人マニュアル」の解説」
(2004 第一法規)などがありますが、これは会計士から眺めた損害論
(裁判例分析)となります。

知的財産権訴訟における損害賠償額算定の実務