裁判所HP 知的財産裁判例集より
中屋鋸替刃事件
★知財高裁平成20.3.27平成19(ネ)10067等損害賠償請求控訴事件PDF
知的財産高等裁判所第3部
裁判長裁判官 飯村敏明
裁判官 大鷹一郎
裁判官 嶋末和秀
★原審
新潟地裁三条支部平成19.7.13平成17(ワ)65損害賠償請求事件PDF
(08/6/10裁判所サイトにアップ)
■事案
のこぎり替刃メーカーの標章を巡って商標権侵害、
不正競争行為性が争われた事案
原告(被控訴人):替刃式のこぎり等の製造・販売会社
被告(控訴人) :輸出会社、代表取締役
■結論
原判決一部変更
■争点
条文 不正競争防止法2条1項1号、5条3項1号 商標法36条 民法709条
1 鋸鍛冶「中屋」標章のローマ字表記「NAKAYA」に出所表示機能があるか
■判決内容
<経緯>
H7.10.31 原告標章イークスマークについて商標登録(第3088956号)
H15.5 原告と被告が商談
H16頃 被告が輸出行為を行う
H16.5.18 被告会社が「三倍速マーク」を商標出願申請
H17.5.13 商標登録
H18.3.30 審判で無効審決
H18.7.26 知財高裁が審決取消訴訟で請求棄却判決、確定
原告標章
イークスマーク(図形)
「NAKAYA」
「中屋」
<争点>
1 鋸鍛冶「中屋」標章のローマ字表記「NAKAYA」に出所表示機能があるか
原判決では、「中屋」の標章は江戸時代から
多数の鋸鍛冶が使用していた屋号であり、
この標章単独では原告の商品等表示として
需要者間に広く認識されているとはいえない、
とされ、
「NAKAYA」標章については
原告の商品等表示として需要者間に広く
認識されていると判断していました。
控訴審でもこの判断が維持されています。
『イークスマーク及び「NAKAYA」の標章は,原告の商品等表示,すなわち,原告の業務に係る商品「鋸」を表示するものとして,我が国のみならず,アメリカ,カナダ,イギリス,オーストラリア,南アフリカなど世界各国の需要者間に広く認識されており,遅くとも平成15年末ころまでには,中国の需要者間にも相当程度広く認識されるに至っていたことが認められる。これに対し,「中屋」の標章は,前記認定のとおり,江戸時代から多数の鋸鍛冶が使用していた屋号であり,この標章単独では,原告の業務に係る商品又は営業を表示するものとして需要者間に広く認識されているものとはいえない。』
(13頁)
この点、被告側は、
『被告会社が,需要者に被告会社の商品を原告の商品と混同させることを目的として「NAKAYA」の標章を付したのではなく,鋸の製造販売等を業とする者の間で広く用いられている「中屋」の標章の欧文表記として用いたにすぎ』
(15頁)
ない、などと反論していました。
しかし、控訴審は、
『上記剪定鋏の「NAKAYA/JAPAN」の刻印に接した需要者は,同刻印中の「NAKAYA」の標章をもって,商品の出所を表示するものと認識,理解することは明らかであるから,被告会社の行為は,原告が「NAKAYA」の標章により獲得した出所表示機能等を毀損する正に不正競争行為に当たるものというべきである』
(15頁)
と判断して「NAKAYA」標章の商品等表示性を
肯定しています。
結論としては、被告による原告商標権侵害、
不正競争行為性、信用毀損による不法行為性が
肯定されて損害賠償、輸出などの差止などが
認められています。
(12頁以下)
■コメント
原審の判断にあたれていないので、判決内容が
把握しきれませんでした。
被告は、剪定鋏や鋸替刃に原告標章を付して
中国向けに輸出していました。
被告は、原告会社製造製品よりも廉価な
日本他社製鋸替刃に原告標章を付して輸出したり、
現地で粗悪な柄を取付けさせていた(19頁以下)
ということで、ありがちな事案です。
剪定鋏の輸出行為については、立証が
難しかったようで(6頁、10頁以下)、
原告側の苦労が伝わってきます。
■関連判例
中屋三倍速商標事件
知財高裁平成18.9.20平成18(行ケ)10215審決取消請求事件PDF
知的財産高等裁判所第4部
裁判長裁判官 塚原朋一
裁判官 高野輝久
裁判官 佐藤達文
中屋鋸替刃事件
★知財高裁平成20.3.27平成19(ネ)10067等損害賠償請求控訴事件PDF
知的財産高等裁判所第3部
裁判長裁判官 飯村敏明
裁判官 大鷹一郎
裁判官 嶋末和秀
★原審
新潟地裁三条支部平成19.7.13平成17(ワ)65損害賠償請求事件PDF
(08/6/10裁判所サイトにアップ)
■事案
のこぎり替刃メーカーの標章を巡って商標権侵害、
不正競争行為性が争われた事案
原告(被控訴人):替刃式のこぎり等の製造・販売会社
被告(控訴人) :輸出会社、代表取締役
■結論
原判決一部変更
■争点
条文 不正競争防止法2条1項1号、5条3項1号 商標法36条 民法709条
1 鋸鍛冶「中屋」標章のローマ字表記「NAKAYA」に出所表示機能があるか
■判決内容
<経緯>
H7.10.31 原告標章イークスマークについて商標登録(第3088956号)
H15.5 原告と被告が商談
H16頃 被告が輸出行為を行う
H16.5.18 被告会社が「三倍速マーク」を商標出願申請
H17.5.13 商標登録
H18.3.30 審判で無効審決
H18.7.26 知財高裁が審決取消訴訟で請求棄却判決、確定
原告標章
イークスマーク(図形)
「NAKAYA」
「中屋」
<争点>
1 鋸鍛冶「中屋」標章のローマ字表記「NAKAYA」に出所表示機能があるか
原判決では、「中屋」の標章は江戸時代から
多数の鋸鍛冶が使用していた屋号であり、
この標章単独では原告の商品等表示として
需要者間に広く認識されているとはいえない、
とされ、
「NAKAYA」標章については
原告の商品等表示として需要者間に広く
認識されていると判断していました。
控訴審でもこの判断が維持されています。
『イークスマーク及び「NAKAYA」の標章は,原告の商品等表示,すなわち,原告の業務に係る商品「鋸」を表示するものとして,我が国のみならず,アメリカ,カナダ,イギリス,オーストラリア,南アフリカなど世界各国の需要者間に広く認識されており,遅くとも平成15年末ころまでには,中国の需要者間にも相当程度広く認識されるに至っていたことが認められる。これに対し,「中屋」の標章は,前記認定のとおり,江戸時代から多数の鋸鍛冶が使用していた屋号であり,この標章単独では,原告の業務に係る商品又は営業を表示するものとして需要者間に広く認識されているものとはいえない。』
(13頁)
この点、被告側は、
『被告会社が,需要者に被告会社の商品を原告の商品と混同させることを目的として「NAKAYA」の標章を付したのではなく,鋸の製造販売等を業とする者の間で広く用いられている「中屋」の標章の欧文表記として用いたにすぎ』
(15頁)
ない、などと反論していました。
しかし、控訴審は、
『上記剪定鋏の「NAKAYA/JAPAN」の刻印に接した需要者は,同刻印中の「NAKAYA」の標章をもって,商品の出所を表示するものと認識,理解することは明らかであるから,被告会社の行為は,原告が「NAKAYA」の標章により獲得した出所表示機能等を毀損する正に不正競争行為に当たるものというべきである』
(15頁)
と判断して「NAKAYA」標章の商品等表示性を
肯定しています。
結論としては、被告による原告商標権侵害、
不正競争行為性、信用毀損による不法行為性が
肯定されて損害賠償、輸出などの差止などが
認められています。
(12頁以下)
■コメント
原審の判断にあたれていないので、判決内容が
把握しきれませんでした。
被告は、剪定鋏や鋸替刃に原告標章を付して
中国向けに輸出していました。
被告は、原告会社製造製品よりも廉価な
日本他社製鋸替刃に原告標章を付して輸出したり、
現地で粗悪な柄を取付けさせていた(19頁以下)
ということで、ありがちな事案です。
剪定鋏の輸出行為については、立証が
難しかったようで(6頁、10頁以下)、
原告側の苦労が伝わってきます。
■関連判例
中屋三倍速商標事件
知財高裁平成18.9.20平成18(行ケ)10215審決取消請求事件PDF
知的財産高等裁判所第4部
裁判長裁判官 塚原朋一
裁判官 高野輝久
裁判官 佐藤達文