裁判所HP 知的財産裁判例集より
「プラスチックシート形成刃営業誹謗」事件
★東京地裁平成19.12.20平成18(ワ)13013不正競争行為差止請求事件PDF
東京地方裁判所民事第46部
裁判長裁判官 設楽隆一
裁判官 中島基至
裁判官 古庄研
■事案
被告による原告の取引先に対する特許権侵害警告書通知行為の
営業誹謗行為性(不正競争防止法2条1項14号)が争われた事案
原告:プラスチックシート折曲部用形成刃製造販売会社
被告:プラスチックシート製造販売会社代表取締役(特許権者)
■結論
請求棄却
■争点
条文 不正競争防止法2条1項14号
1 原告と被告は競争関係にあるか
2 告知事実の内容
3 告知事実の虚偽性
■判決内容
<争点>
1 原告と被告は競争関係にあるか
原告の業務がもっぱら形成刃の製造販売であるのに対して、被告を
代表取締役とする会社はもっぱらシートを製造販売するものでした。
もっとも、シートが形成刃を用いて製造されるものでシートと
形成刃は裏腹の関係にある製品でした。
原告の形成刃を使用して製造されたシートの製造販売業者の信用が
毀損されれば形成刃に係る原告の信用が毀損されることになるとして、
結論として、原告被告の競争関係を認めています。
(46頁)
2 告知事実の内容
特許権侵害事実についての告知行為でしたが、被告が本件シートの
製造販売行為のみならず本件形成刃についても告知内容としていたと
いえるかどうかが争点となりましたが、
この点、「本件シートを製造販売若しくは使用し又は本件形成刃を使用
する行為が本件特許権を侵害するというものである」と判断されています。
(46頁以下)
3 告知事実の虚偽性
結論的には、
『本件シート及び本件形成刃は,いずれも,本件特許発明の技術的範囲に属するものと認められ,かつ,本件特許発明には無効理由がないから,被告が告知した事実は虚偽であるとは認められない。』
として、原告のプラスチックシート及びプラスチック折曲部用形成刃の
製造販売使用行為が被告の特許権を侵害するという事実の虚偽性が否定
されています。
(48頁以下)
警告書通知事実が虚偽事実の告知とならない以上、不正競争防止法
2条1項14号の不正競争行為性は成立しないこととなりました。
■コメント
原告の取引先5社への警告書通知行為の営業誹謗行為性が
争われた事案でした。
「プラスチックシート形成刃営業誹謗」事件
★東京地裁平成19.12.20平成18(ワ)13013不正競争行為差止請求事件PDF
東京地方裁判所民事第46部
裁判長裁判官 設楽隆一
裁判官 中島基至
裁判官 古庄研
■事案
被告による原告の取引先に対する特許権侵害警告書通知行為の
営業誹謗行為性(不正競争防止法2条1項14号)が争われた事案
原告:プラスチックシート折曲部用形成刃製造販売会社
被告:プラスチックシート製造販売会社代表取締役(特許権者)
■結論
請求棄却
■争点
条文 不正競争防止法2条1項14号
1 原告と被告は競争関係にあるか
2 告知事実の内容
3 告知事実の虚偽性
■判決内容
<争点>
1 原告と被告は競争関係にあるか
原告の業務がもっぱら形成刃の製造販売であるのに対して、被告を
代表取締役とする会社はもっぱらシートを製造販売するものでした。
もっとも、シートが形成刃を用いて製造されるものでシートと
形成刃は裏腹の関係にある製品でした。
原告の形成刃を使用して製造されたシートの製造販売業者の信用が
毀損されれば形成刃に係る原告の信用が毀損されることになるとして、
結論として、原告被告の競争関係を認めています。
(46頁)
2 告知事実の内容
特許権侵害事実についての告知行為でしたが、被告が本件シートの
製造販売行為のみならず本件形成刃についても告知内容としていたと
いえるかどうかが争点となりましたが、
この点、「本件シートを製造販売若しくは使用し又は本件形成刃を使用
する行為が本件特許権を侵害するというものである」と判断されています。
(46頁以下)
3 告知事実の虚偽性
結論的には、
『本件シート及び本件形成刃は,いずれも,本件特許発明の技術的範囲に属するものと認められ,かつ,本件特許発明には無効理由がないから,被告が告知した事実は虚偽であるとは認められない。』
として、原告のプラスチックシート及びプラスチック折曲部用形成刃の
製造販売使用行為が被告の特許権を侵害するという事実の虚偽性が否定
されています。
(48頁以下)
警告書通知事実が虚偽事実の告知とならない以上、不正競争防止法
2条1項14号の不正競争行為性は成立しないこととなりました。
■コメント
原告の取引先5社への警告書通知行為の営業誹謗行為性が
争われた事案でした。