裁判所HP 知的財産裁判例集より
「『めしや食堂』店舗外観」事件(控訴審)
★大阪高裁平成19.12.4平成19(ネ)2261不正競争行為差止等請求控訴事件PDF
大阪高等裁判所第8民事部
裁判長裁判官 若林諒
裁判官 小野洋一
裁判官 菊地浩明
★原審
大阪地裁平成19.7.3平成18(ワ)10470不正競争行為差止等請求事件PDF
■事案
フランチャイズチェーンの外食店舗の外観などが類似する
として不正競争行為性が争われた事案の控訴審
原告(控訴人) :飲食店経営会社
被告(被控訴人):飲食店経営会社
■結論
控訴棄却
■争点
条文 不正競争防止法2条1項2号、1号、民法709条
1 営業表示の類似性
2 店舗外観全体の類似性
■判決内容
<争点>
1 営業表示の類似性
原告店舗表示は「ごはんや まいどおおきに ○○食堂」、
被告店舗表示は「めしや食堂」などでした。
裁判所は、「食堂」部分は特定の営業主体を表示する識別標識では
なく、識別力があるのは「まいどおおきに」「めしや」部分としたうえで、
外観、称呼において相違が大きいとして営業表示の類似性を認めて
いません。(10頁以下)
2 店舗外観全体の類似性
原告は、原審の判示をうけて控訴審では「日本家屋風平家建店舗」
(郊外立地型独立店舗/フリースタンディングタイプ)について
より詳細に店舗外観全体の類似性を比較検討しています。
店舗外観全体の類似性について裁判所は、
『両者が類似するというためには少なくとも,特徴的ないし主要な構成部分が同一であるか著しく類似しており,その結果,飲食店の利用者たる需要者において,当該店舗の営業主体が同一であるとの誤認混同を生じさせる客観的なおそれがあることを要すると解すべきである』
(15頁)
そのうえで、
『双方の店舗外観において最も特徴がありかつ主要な構成要素として需要者の目を惹くのは,店舗看板とポール看板というべきであるが,いずれも目立つように設置された両看板に記載された内容(控訴人表示又は被控訴人表示)が類似しないことなどにより類似せず(前記(1)参照),かかる相違点が,控訴人店舗外観及び被控訴人店舗外観の全体の印象,雰囲気等に及ぼす影響はそもそも大きいというべきである。』
(15頁)
として、店舗外観の主要構成部分である店舗看板とポール看板の
非類似性とその点が店舗外観に及ぼす影響を指摘しています。
また、店舗看板とポール看板以外の外装について、軽視し得ない
相違点があり、内装についてもありふれたものであるとして、これら
の構成要素の類似性を否定しています。
(15頁以下)
こうした点から、原審同様、店舗外観の類似性を否定しています。
ところで、トレードドレスについて、
『控訴人は,店舗デザインについての米国法下でのトレードドレスの保護法理を参考にすれば,控訴人店舗外観が営業表示にあたるなどとも主張するところ,同法理を日本法下において直ちに採用ないし斟酌することの適否はともかくとして,本件における店舗外観において最も特徴がありかつ主要な構成要素というべき部分とその相違の程度からすれば,被控訴人店舗外観が控訴人店舗外観全体に類似するとすることはできない。』
(17頁)
として、トレードドレス法理の適否が結論を左右するに至って
いません。
なお、一般不法行為についても原審同様認められていません。
(17頁)
■コメント
原審同様、控訴審でも店舗外観の類似性が否定されています。
■過去のブログ記事
2007年7月5日記事
「『めしや食堂』店舗外観」事件〜不正競争防止法 不正競争行為差止等請求事件判決(知的財産裁判例集)〜
■当事者サイト
原告会社IR情報
(現時点では特になし)
被告会社IR情報(平成19年12月4日)
訴訟の判決に関するお知らせ
--------------------
■追記(07.12.12)
日経金融記事に関連して、興味深いブログ記事がありました。
◆CFOのための最新情報◆
企業不祥事と、その後の株価の関係
経営の視点から考える「知財発想法」
不祥事?
非財務情報も積極的に開示していく姿勢が原告にも欲しいところです。
--------------------
■追記(07.12.17)
名古屋商標亭
ちょっと無理が?
--------------------
■追記(08.6.21)
平成20年5月26日、上告不受理となったようです。
株式会社ライフフーズプレスリリース(平成20年5月29日)
訴訟の判決に関するお知らせPDF
--------------------
*付記
まいどおおきに食堂 全国被害者連絡会
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■追記09/6/30
企業法務戦士の雑感(2009-06-29記事)
■[企業法務][知財]外食業界における「知財」
「『めしや食堂』店舗外観」事件(控訴審)
★大阪高裁平成19.12.4平成19(ネ)2261不正競争行為差止等請求控訴事件PDF
大阪高等裁判所第8民事部
裁判長裁判官 若林諒
裁判官 小野洋一
裁判官 菊地浩明
★原審
大阪地裁平成19.7.3平成18(ワ)10470不正競争行為差止等請求事件PDF
■事案
フランチャイズチェーンの外食店舗の外観などが類似する
として不正競争行為性が争われた事案の控訴審
原告(控訴人) :飲食店経営会社
被告(被控訴人):飲食店経営会社
■結論
控訴棄却
■争点
条文 不正競争防止法2条1項2号、1号、民法709条
1 営業表示の類似性
2 店舗外観全体の類似性
■判決内容
<争点>
1 営業表示の類似性
原告店舗表示は「ごはんや まいどおおきに ○○食堂」、
被告店舗表示は「めしや食堂」などでした。
裁判所は、「食堂」部分は特定の営業主体を表示する識別標識では
なく、識別力があるのは「まいどおおきに」「めしや」部分としたうえで、
外観、称呼において相違が大きいとして営業表示の類似性を認めて
いません。(10頁以下)
2 店舗外観全体の類似性
原告は、原審の判示をうけて控訴審では「日本家屋風平家建店舗」
(郊外立地型独立店舗/フリースタンディングタイプ)について
より詳細に店舗外観全体の類似性を比較検討しています。
店舗外観全体の類似性について裁判所は、
『両者が類似するというためには少なくとも,特徴的ないし主要な構成部分が同一であるか著しく類似しており,その結果,飲食店の利用者たる需要者において,当該店舗の営業主体が同一であるとの誤認混同を生じさせる客観的なおそれがあることを要すると解すべきである』
(15頁)
そのうえで、
『双方の店舗外観において最も特徴がありかつ主要な構成要素として需要者の目を惹くのは,店舗看板とポール看板というべきであるが,いずれも目立つように設置された両看板に記載された内容(控訴人表示又は被控訴人表示)が類似しないことなどにより類似せず(前記(1)参照),かかる相違点が,控訴人店舗外観及び被控訴人店舗外観の全体の印象,雰囲気等に及ぼす影響はそもそも大きいというべきである。』
(15頁)
として、店舗外観の主要構成部分である店舗看板とポール看板の
非類似性とその点が店舗外観に及ぼす影響を指摘しています。
また、店舗看板とポール看板以外の外装について、軽視し得ない
相違点があり、内装についてもありふれたものであるとして、これら
の構成要素の類似性を否定しています。
(15頁以下)
こうした点から、原審同様、店舗外観の類似性を否定しています。
ところで、トレードドレスについて、
『控訴人は,店舗デザインについての米国法下でのトレードドレスの保護法理を参考にすれば,控訴人店舗外観が営業表示にあたるなどとも主張するところ,同法理を日本法下において直ちに採用ないし斟酌することの適否はともかくとして,本件における店舗外観において最も特徴がありかつ主要な構成要素というべき部分とその相違の程度からすれば,被控訴人店舗外観が控訴人店舗外観全体に類似するとすることはできない。』
(17頁)
として、トレードドレス法理の適否が結論を左右するに至って
いません。
なお、一般不法行為についても原審同様認められていません。
(17頁)
■コメント
原審同様、控訴審でも店舗外観の類似性が否定されています。
■過去のブログ記事
2007年7月5日記事
「『めしや食堂』店舗外観」事件〜不正競争防止法 不正競争行為差止等請求事件判決(知的財産裁判例集)〜
■当事者サイト
原告会社IR情報
(現時点では特になし)
被告会社IR情報(平成19年12月4日)
訴訟の判決に関するお知らせ
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■追記(07.12.12)
日経金融記事に関連して、興味深いブログ記事がありました。
◆CFOのための最新情報◆
企業不祥事と、その後の株価の関係
経営の視点から考える「知財発想法」
不祥事?
非財務情報も積極的に開示していく姿勢が原告にも欲しいところです。
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■追記(07.12.17)
名古屋商標亭
ちょっと無理が?
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■追記(08.6.21)
平成20年5月26日、上告不受理となったようです。
株式会社ライフフーズプレスリリース(平成20年5月29日)
訴訟の判決に関するお知らせPDF
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*付記
まいどおおきに食堂 全国被害者連絡会
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■追記09/6/30
企業法務戦士の雑感(2009-06-29記事)
■[企業法務][知財]外食業界における「知財」