町村先生のブログで東京大学法科大学院ローレビュー第2巻が
刊行されたことを知って、そのなかで興味を持った大場論文に
ついて一読してみました(ローレビュー51頁以下)。

Matimulog
journal:東大ローレビュー

東京大学法科大学院ローレビュー

大場規安「共同開発契約において成果帰属を共有とする場合の問題点」(PDF形式)


本論文は、特許権の客体となる発明を目的とした共同開発契約の
場面の「共有型」と「実施権型」(単独保有型)の相違を検討す
る内容です。

特許法と著作権法では制作物の共有に関する規定振りが違います
が、著作物の取扱いについても民法との関係など考え方として本
論説は参考になります。

プログラム開発について、わたくしが組合形式で契約書を作成した
案件を振り返りますと、今から思うと契約終了後の処理規定が不十分
で(大場論文66頁参照)、今後はこうした点も含め十分留意して作
成していきたいと思った次第です。



参考書籍

並川啓志「技術者のためのライセンスと共同研究の留意点第三版」(2004)115頁以下
中島憲三「共同研究・開発の契約と実務第2版」(2006)168頁以下
三村量一「共同著作物の利用に関する諸問題」『著作権研究』32巻(2007)38頁以下


参考サイト

経済産業省関東経済産業局
「特許・ノウハウに関する共同研究開発契約の手引き」について


■追記(07.10.24)

企業法務戦士の雑感
■[企業法務][知財]ささやかな疑問符