安藤健二「封印作品の闇―キャンディ・キャンディからオバQまで
(9月刊行 だいわ文庫 840円)

末廣さんのブログ記事で紹介されていて早速読んだ本です。

Copy & Copyright Diary - 誰の意志で封印されているのか


著作権という法律面から眺めてもおもしろい話ですが、
作品が封印される背景にある、ドロドロしたところが分か
ってとても興味深い。

実際、著作権裁判、著作権紛争を眺めていると、カネより感情と
いう部分が大きいことに気がつきます。
はじめの段階で一言謝れば、の「ひとこと」が難しい
世の中であることがよくわかります。

オバQ」封印が「キャンディキャンディ」と同じく
女性達の軋轢によるものとは・・・

それにしても「キャンディキャンディ」のような名作が封印されて
しまうのはなんとも残念です。

解釈論的には、三村量一判事の
「共同著作物の利用に関する諸問題」『著作権研究』
32号(2007)38頁以下 が参考になります。

「キャンディキャンディ」アニメのような二次的著作物の利用への
著作権法65条2項、3項の類推解釈、差止請求権不存在確認訴訟
(46頁以下参照)による対応という議論に一筋の光明を見る思いが
しました。