裁判所HP 知的財産裁判例集より

「エーザイ商号」事件

東京地裁平成19.9.26平成19(ワ)12863商号使用差止等請求事件PDF

東京地方裁判所民事第29部
裁判長裁判官 清水節
裁判官     佐野信
裁判官     国分隆文


■事案

魚の餌である赤虫等の商品について、「エーザイ」等を商品等表示に、
また「e-zai.com」ドメインを利用して販売していた業者に対して医薬
品メーカーのエーザイが使用差止を求めた事案

原告:医薬品開発製造会社 「エーザイ株式会社」
被告:釣餌、医薬品販売会社「有限会社エーザイ」


■結論

請求一部認容


■争点

条文 不正競争防止法2条1項1号、2号、12号、3条

1 営業上の利益の侵害の有無



■判決内容


<争点>

1 営業上の利益の侵害の有無

原告表示の著名性、周知性、類似性、誤認混同のおそれ、図利加害目的
などの点について被告は争っていません。
被告会社解散後の営業活動継続のおそれがあるかどうか、原告の営業上
の利益の侵害またはそのおそれがなおあるかどうか(3条)が争点となり
ました。

被告会社は解散後も営業活動を継続している事実が認定されて、被告に
よる原告の営業上の利益の侵害が認められています。
(6頁以下)

結論として、被告の「エーザイ」「E-ZAI」などの表示、ドメイン名の使
用の差止、被告商号の抹消登記請求が肯定されています。

なお、ドメイン名の登録抹消申請手続請求部分については、ドメイン名
登録名義人が被告会社の前代表取締役個人であったことから認められま
せんでした。


■コメント

最近の医薬品メーカーの商号使用差止事件としては、「杏林製薬商号」事件
(東京地裁平成19年01月26日平成18(ワ)17405商号使用差止等請求事件)
が記憶に新しいところです。


2007年01月31日記事:
「杏林製薬商号」事件〜不正競争防止法 商号使用差止等請求事件判決(知的財産裁判例集)〜


■追記(07.09.28)

ドメイン名の登録抹消申請手続請求部分の被告適格について

Matimulog
jugement:.comドメインの差し止め