著作権情報センター(CRIC)9月の月例著作権研究会講演会に出てきました。

著作権法30条から49条までの権利制限規定の再検討を通して著作権法
全体の解釈論の再構成の契機とするもので、権利制限規定にかかわる
争点の解釈論による対応(拡大解釈・類推解釈や黙示的許諾論、権利
濫用論など)のアドホックな運用よりはむしろ解釈指針となる一般条
項を創設したほうが良いのではないかという上野先生のご主張です。
上野先生は、49条の後ろに「受け皿」規定を置くというお考えのよう
で、立法論としては座りが良い印象です。

著作権法学会の来年度のシンポジウムのテーマが「権利制限規定」に
かかわるものになるそうなので、議論の行方がたいへん楽しみです。



さて、余談ですが講演会の前に音楽アーティストさんと打ち合わせを
しました。
アーティストさんが立ち上げる音楽レーベル会社の設立手続について、
定款の作成やその後の流れについて段取りを付けました。

このアーティストさん、何事にもとても前向きでクリエイターとして
ジャスラックやイーライセンスなど音楽著作権管理団体との信託契約
の検討やレーベルとしてインディペンデント・レコード製作事業者協会
IRIA)の活動にもたいへん熱心に研究されていてその熱意には頭が
下がります。

IRIA参加による二次使用料や私的録音録画補償金等の再配分のメリット、
事務経費のデメリットをレーベルとしてはこれから詰めていくことに
なりますが、アーティスト、レーベルともに大きく発展してくれること
を願ってやみません。