末廣さんや一戸先生の記事で紹介されている阿部先生のCRIC
での講演録(「コピライト」2007.7収録)。その講演録(8頁
以下)で阿部先生が触れられているパスカルの「パンセ」に
あたってみたくて邦訳ですがいくつか読んでみました。
43(1000) ボッシュ版増補二
ある著者たちは自分の著作のことを「わたしの本、わたしの注解、わたしの物語、等々」という。かれらは自分の家に住んで、しじゅう「自宅では」を口にする町人根性を脱していない。むしろ「われわれの本、われわれの注解、われわれの物語、等々」と言うべきである。その理由は、それらのうちには、かれら自身のものよりも他人のものがいっそう多く入っているからだ。
由木康訳 パスカル「パンセ」(1990)27頁 白水社
*なお、この断章は「草稿原本」「第一写本」「第二写本」等になく
出典不明。
初出引用は、ヴィニュル・マルヴィル「文学的、歴史的随筆集」(1700)。
(松浪信三郎編「パスカル全集」第三巻(1959) 43頁)
自己の業績のオリジナリティやプライオリティの主張も、歴史に
対する真摯な理解、認識がなければいったいなんになりましょう。
17世紀にすでにこうして指摘されているように、著作権保護期間
延長賛成派の著作者・著作権者にはいまいちど先人の事績に対し
て謙譲の美徳を発揮してほしいところです。
Copy & Copyright Diary - 延長問題を考える上で必読の文献
ICHINOHE Blog 公立図書館で月刊「コピライト」「最新号」の掲載論文がコピーできなかった件
での講演録(「コピライト」2007.7収録)。その講演録(8頁
以下)で阿部先生が触れられているパスカルの「パンセ」に
あたってみたくて邦訳ですがいくつか読んでみました。
43(1000) ボッシュ版増補二
ある著者たちは自分の著作のことを「わたしの本、わたしの注解、わたしの物語、等々」という。かれらは自分の家に住んで、しじゅう「自宅では」を口にする町人根性を脱していない。むしろ「われわれの本、われわれの注解、われわれの物語、等々」と言うべきである。その理由は、それらのうちには、かれら自身のものよりも他人のものがいっそう多く入っているからだ。
由木康訳 パスカル「パンセ」(1990)27頁 白水社
*なお、この断章は「草稿原本」「第一写本」「第二写本」等になく
出典不明。
初出引用は、ヴィニュル・マルヴィル「文学的、歴史的随筆集」(1700)。
(松浪信三郎編「パスカル全集」第三巻(1959) 43頁)
自己の業績のオリジナリティやプライオリティの主張も、歴史に
対する真摯な理解、認識がなければいったいなんになりましょう。
17世紀にすでにこうして指摘されているように、著作権保護期間
延長賛成派の著作者・著作権者にはいまいちど先人の事績に対し
て謙譲の美徳を発揮してほしいところです。
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