弁護士・国立情報学研究所客員教授の岡村久道先生が講師を務め
られたオープンソフトウエアの利用規約に関するセミナーに参加
してきました(主催は、(財)ソフトウェア情報センター)。

オープンソフトウエアの利用の際に適用の可能性がある規約は、
60本近くあるそうですが()、そのうちでも重要なのがこの
GNU General Public License(GPL)となりますが、現在発効して
いるのはバージョン2。そのバージョン3のドラフトが公表されて
最終段階に入ったということでどう変わっているのか興味津々の
ところでした。


バージョン2からの変更点で大きな部分は3つ。

1 米国法の用語例を極力使わないような中立性への配慮
2 ソフトウエア特許への対応
3 DRM(デジタル著作権管理)関連への言及



ただ、GPLの国内でも屈指の研究者である岡村先生をして手探り状態な
GPL。法的性質論からして契約なのか単独行為なのかいまだ確定されて
いません。

それでもフリーソフト陣営とMSとの綱引きが連日報道されている
ところなのでGPL改訂作業からは目が離せません。


■参考サイト

FSF(フリーソフトウェアファンデーション)バージョン3ドラフト3
GNU GENERAL PUBLIC LICENSE

GNU 一般公衆利用許諾書バージョン3のディスカッション・ドラフト2及び解説の翻訳(八田真行氏翻訳)
情報処理推進機構 オープンソースソフトウェア・センター(IPA OSSC)2006年度事業成果

関連サイト(Open Source Group Japan オープンソース・グループ・ジャパン)
GNU フリー文書利用許諾契約書 - GNU プロジェクト - フリーソフトウェア財団 (FSF)

Wikipedia
GNU Free Documentation License - Wikipedia

財団法人ソフトウェア情報センターSoftware Information Center
SOFTIC on the Web


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Open Tech Press GPLv3にまつわる8つのよくある誤解


■参考文献

平嶋竜太「GPL(General Public License)」椙山敬士ほか編『ライセンス契約(ビジネス法務大系1)』
      2007 311頁以下


■追記(07.09.03)

GPLバージョン3の日本語訳が発表されています。

Open Tech Press GNU GPLv3 日本語訳


■追記(08.03.11)

岡村久道「オープンソースソフトウエアのライセンス-新しいGPL Ver.3を中心に」『コピライト』563号(2008.3)2頁以下