有楽町の出光美術館開館40周年記念として開催中の
国宝 風神雷神図屏風 宗達・光琳・抱一 
琳派芸術の承継と創造
」展を見てきました。

琳派三人の屏風作品が一堂に会するのは
じつに66年ぶりとのこと。

今回、なかでも興味深かったのは
宗達と光琳の作品との比較。
光琳が宗達の作品を忠実にトレースしていたことが
わかります。
それもまるでトレペをあてたように・・・

それでも出来上がった光琳の作品は
原著作物となる宗達のものとは一味違った印象を
うけます。

抱一は、光琳の作品を模写しているので
宗達の作品と較べると模写の模写という位置づけと
なってしまいますが、それでもそこは抱一。

軽妙洒脱、色彩もヴィヴィッドで
明るい印象の作品となっています。


トレースというと、
つい最近の盗作騒ぎ(和田・スギ絵画盗作事件)があります。
また、漫画では「スラムダンク」の描写がトレースされた作品が
問題となりました。

先人の著作物に対する畏敬の念を持ちつつ行われる
トレースだけが、あらたな価値の創造に繋がることを
忘れてはいけません。


別の展示室には抱一の燕子花図屏風も展示されていて
目を楽しませてくれました。

展覧会カタログ(1500円)は趣向が凝らされていて
ビジュアル的にも美しくて
まるで物語絵本を読んでいるような気分になります。
オススメです。

出光美術館