8月20日刊行の本書は、著作権ことに著作者人格権について
ライフワークとして取り組まれていて、いままでにいくつもの発表や
論文を公表されている松田政行先生による著作です。

内容としては同一性保持権の法的性格の検討、20条の規範的分析、
判例の検討、まとめ
となっています(本文全269頁)。

判例の検討部分では、「選撮見録事件」(204頁以下)や
「録画ネット事件」(205頁)にも言及されています。

行為規範性、裁判規範性といった規範論からのアプローチ(6頁以下)について、
刑法学であれば違法性の本質論との関連で規範論が議論されるわけですが
松田先生の規範論がどのような文脈で著作権法の分析の視点となっているのか
今後本書を熟読玩味してみたいと思います。


なお、松田先生の学位論文(中央大学大学院法学研究科)の要旨が
ネット上PDFで読めるようになっていますが、
現在、サイトにアクセスするとエラーが出てしまいます。

森・濱田松本法律事務所 - 松田政行
『同一性保持権の研究―自由権的著作権思想と同一性保持権の行為規範性に基づく著作権市場における著作者の人権・人格権の保障―』(学位論文) 2006年


同一性保持権の研究