6月26日刊行の本書は、建築の法務に詳しく「建築工事の瑕疵責任入門」
「建築関係訴訟の実務」(共著)など多数の著書を執筆されている
弁護士の大森文彦先生によるものです。
本書33頁以下では、[応用編]として
設計図書(設計図と仕様書)の著作物性やエスキス、施工図、
建築物等の建築にかかわる著作物に関する著作権法上の問題点について
網羅的に言及されています。
また、設計変更の際の問題(原設計図の翻案など)について、
建築士法19条と著作権法の関係について触れられています(62頁)。
さらに67頁以下には、[裁判例編]として判例が17ほど事案の概要とともに
掲載されていて参考になります。
随所にフローチャートが挿入されていて
たいへんわかりやすい内容となっています。
著作権法10条1項6号(図面→図面)と2条1項15項ロ(図面→建築物)など
著作権法上すこしややこしい部分ですが、本書によって
建築と著作権に関して理解が増すものと思われます。
建築の著作権入門