２月のセミナーは大渕哲也東大教授によるものでした。
演題は「法的保護システムの面からみた著作権法の特色
ー特許法等との対比を軸としてー」。

2003年に発表された論文（「知的財産保護のための法システムに関する
横断的分析」（ジュリスト1237号196頁以下）を基に、著作権法に焦点を
あてた内容となっています。


「著作権法を正しく理解するためには、（工業所有権法４法のうち特に）
特許法を正しく理解しなければならない」との先生の考えのもと、
行政手続の介在性と保護範囲明確化のための特別の法的装置性という
２つの側面から著作権法と特許法に考察が加えられていました。

純粋民事型（私権としての知財権）の著作権法の存在が４法改正の際の
視点を与えるという点は、理解できるところでした。

著作権法の今後のあり方を考えるうえでの視点として先生のお考えを
どう活かすことができるのか。
この点については、私自身もう少し考えてみたいことろです。


なお、特許法の構造（公法と私法の双方のからみあい等）について
総合的に分析検討を加えて知的財産権分野における基礎理論の構築を
目指すものとして、大渕「特許法等の解釈論・立法論における転機」
『知的財産法の理論と現代的課題ー中山信弘先生還暦記念論文集ー』
（2005　2頁以下）参照。

この点、「企業法務戦士の雑感」さんのブログ記事に上記論文に関する
論考が掲載されています。

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