韓国製石鹸の日本における販売代理店どうしで営業に関して誹謗中傷行為を行ったという事案。

判決は営業誹謗行為が信用毀損にあたるとして原告の請求を一部認容しました。
もっとも、不正競争防止法の「不正競争」は認めませんでした

H17.9.26 大阪地裁 平成17(ワ)12713等 不正競争 民事訴訟事件


ここでは、不正競争防止法2条1項1号に係わる判断のうち「周知性」に関する規範部分とその前後について参考と思われるので知財判決速報より引用したいと思います。

原告商品の売上は、平成16年7月28日までの約1年8か月間に希望小売価格にして千数百万円相当であり、一日平均の売上個数は20個以下、売上価格(希望小売価格)は3万円以下ということになる。
 そして、石鹸は安価な消耗品であって、消費する度に購入の必要が生じるから一人の顧客がいれば年間複数個販売できるものであり、しかも、良いという評判を知った場合に試みに一度買って使ってみることが躊躇されるほどの価格のものではないことを考えると、原告商品の評判を知る需要者は多くないことが推認されるところである。
 もっとも、例えば飲食店のように、その店舗に行かなければ役務の提供を受けられない営業の商品等表示であれば、その店舗のある地方の需要者の間で、当該商品等表示の名声がよく知られている場合には、当該商品等表示を認識している需要者の数が日本全国の需要者との比較では少数であっても、当該商品等表示は、当該地方においては周知となっているというべきときがある。しかし、甲第6号証の記載では、原告の販売先は、札幌、東京、大阪、広島等全国に散在していることになるから、前記の程度の販売量の石鹸について、その商品名「バイオセリシン」が日本全国の需要者の間に「広く認識」されていたものとすることはできない。換言すれば、不正競争防止法2条1項1号所定の混同行為の規制は、本件の場合では、商標登録にもよらずに、日本全国における特定の営業表示の独占を認めることにつながるものであるから、その周知商品等表示は、独占を認めるだけの実績のあるものでなければならないところ、原告商品にそれだけの周知性を認めることはできないのである。



先日紹介した自衛隊饅頭・せんべい事件(H17. 9.15 知財高裁 平成17(ネ)10022 不正競争 民事訴訟事件)でも周知性が問題となりましたが、いずれにしろ微妙な判断となります。